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第435話

遅くなりましたー。

みんなに半ば引きづられるみたいに連れて行かれた“運試し”の屋台はとどのつまり“クジ引き”の屋台の事だ。


今回の夏祭りで結構多く出てた。日本の夏祭りの屋台でも、子供向けのおもちゃの屋台だと普通に買うよりクジ引きのほうが大物のオモチャがもらえる可能性があるので夢がある。どこでも似たようなものなんだろうなぁ。


ハマりすぎるとギャンブル好きになりそうな感はあるけれど、これもお祭りの醍醐味みたいなものなのでハズレようが見ているだけで結構楽しい。本当に欲しいものがあった時、熱をあげちゃうのも分かる。


お店によって“運試し”の方法は違う。


浅草のおみくじみたいに木の棒に番号を振っておくパターン。飴の糸引きの駄菓子のように、行き先が見えるような見えないようなと言った形の、糸に商品をぶら下げるパターン。当てやすい射的にして板に書いてある数字を自分で選ばせるパターン。多いのはこの3つだろう。


日本でよくある箱の中に3角に折った紙が沢山入っていて“何等賞”とか書いてあるという“クジ”は残念ながら無さそうだった。


まあ、紙自体がコピー用紙みたいにキレイなものばかりじゃないから、インクとかで文字の並びとかわかっちゃうかもしれない。そうなると“運試し”と言うより“指試し”になってしまう。


そんなことになったら変な大人が沸きそうだ。何でもそうだけど、度を超す人がひとりでもいると気持ちが萎えてしまう。祭りはみんなが楽しい時間であるべきだ。・・・まあ、何をしてもダメな事が起きる時は起きてしまうけれど。


「わあっ」


考え事をしている間にみんなそれぞれ木の棒のクジを引いてたみたい。レンゲちゃんが引いた景品が良いものだったようだ。真っ白い小さなウサちゃんの人形のようだ。うん、可愛い。


「かわいー」

「よかったねー」

「いーなー、ぼくのなんだろう」

「変なの当たったら(おりぇ)のとこーかんする?」

「オレのでもいーぞー」


クジ引きは男女関係なく商品が当たるものだ。


「オレのちっさいクシだったー。いらなーい。こーかんこするー?」

「んーん。当たったコレはこーかんしなーい」


残念ながらアカシアくんは要らなかったそうだ。お花柄の可愛らしいクシだから、まあ、好みと合わないと要らないよなぁ。


「んー・・・あ!おかーさーん、あげゆ!おかーさん、コレ似合う!」


あ、お母さんすごく嬉しそうだ。どちらかと言うと子供向けのおもちゃのようなクシだから、お母さんには少し小さい。でも宝物を貰ったように大事そうにクシを胸に抱きしめている。


ちなみに私も木の棒を引いた。私の当たった景品はと言うと、大人にとってはある意味当たり、子供にとってはある意味ハズレ。


当たったのは商店街で使える割引券である。


なんでやねん。


子供のおもちゃとかを扱っててなんで割引券があるんだー。商店街のクジ引きだったらわかる。ほら、買い物1000円につきクジ引き1回とかやるパターンの。特賞は豪華家電製品とか旅行券!で、ハズレはポケットティッシュ・・・っていう定番のクジ引き。


大人にとったら『家計助かるわー』とか『文房具とかお菓子をコレで後で買えるねー』って感じだからハズレじゃない。じゃないけどさ!子供にとっちゃ、こういう場所のクジ引きって楽しさ優先なんだよー。『可愛い!』とか『かっこいい!』で人の物見て『いいなー』とかいうのがこういうのの楽しみであって『保護者に渡したほうが良さそう・・・』って思うのって微妙な空気になるの、わかるでしょ?なんでコレ入れたし!?


熊の子達もどう言えばいいのか考えあぐねて、他の褒めたりしやすい子とかに声をかけまくってるけど、こっちは空気になってるよ。逆に気を使われてるよ。もうっ!ごめんよ!!?


ポケットに突っ込んどこう。ぐしゃり・・・


「あー、ネコー」

「こっちおいでー」


ステージがざわつき始めてみんながそちらにそろそろかと注目し始めたのをキッカケに、ビャッコくんの仲間のお猫様達が人々の後方に現れ始めたようだ。


このお祭りを守ってくれてるみたいだ。今日のみの後夜祭はこないだのお祭りと違ってこのステージ周りだけだから何かが起きたとしても守りやすいだろう。


周りに真っ白なネコは見当たらないからビャッコくんは別の場所からみんなを指揮してくれているんだろうなぁ。と、キョロキョロしてたら1匹のネコが近づいてきた。


「モナさんモナさん!お祭りですよー!お祭りー!にゃっふう!!」


駆け寄ってきたかと思ったら、駆け寄りながらテンション高めに話しかけながらひねり入れてのバック宙返り、タッタッポーーーンってやってこっち来るからギョッとしたよ。しないでか。ギョッ。


「コエキちゃんだったかー。お祭り好きだって言ってたもんねー」


お祭り(フェスティバル)(キャット)”っていう種類のモンスターネコさんらしい、コエキちゃんはバチクソふんすふんすと鼻息荒い。テンション高めっていうかガンガンぶち上げマックス!だぜ!ぐらいいきそう。


「モナもあのお立ち台に立つんでしょ!?楽しみにゃーーー!!」


テンション高くなりすぎてむしろフシャーーーって威嚇ポーズになりかけてるよ。どうどう。落ち着けぇー落ち着けぇー。ていうか私の“呼び方呼び捨て”なのそれとも“さん付け”なの。興奮しすぎて呼び方まで迷走してる??まあいいか。


「もにゃー、お立ち台ってゆーの?アレー?」


世代じゃないけど“ジュリアナトウキョウ”とかいうやつ浮かべちゃうからステージでお願いします。バブルで弾けちゃうミニスカボディコンのシースーのアッシーくん連れ回しちゃう系のそーゆーやつを一部の人は思い出しちゃうからね。あ、ここ異世界だから、思い出す人全くいないや。


「ステージって言うんだよ。(強め)」


「そなの?」


「あれー?違ったっけー?」


まあ、間違いじゃない。言葉としては間違いじゃない。


「そうだよ!台だけど、ステージがせーかいなんだよ!だってほら!かっこいいでしょ」


「「「「「ほんとだーーーー!!」」」」」


クマっ子は目をキラキラさせながら納得いったようです。


「ほ、ホントだ・・・!」


ゴクリ・・・してるコエキちゃんも納得してくれたようだ。うん。みんなチョロすぎないか?


「あ、領主様だべ」


私達がクジ引きでワチャワチャしてるのを少し離れた所で保護者会みたいになってる所からミギィさんの声が聞こえ、その方向を向くとステージに領主様が立っていた。


あ、領主様の足元に茶色いウサギのリクゴウくんが『離れてたまるか』って言葉が見えそうなくらい必死に寄り添う姿が見えた。多分リクゴウくん。ちょっと遠いから分かりにくいけど、リクゴウくん。


みんなに“領主様、食用ウサギの散歩かしら”とか言われてる。全然違うけど、この街でのウサギが食用が通常過ぎて、なんだか不憫に見えてきたよ。あの『離れてたまるか』は“命がけ”なんだろうなぁ。領主様!頑張って守ってあげてぇー!


あとでリクゴウくんにも会いに行かないとなぁ。


領主様のお話が始まった。


お祭り後夜祭今回だけ特別にやりますってこと、この後夜祭は別の所の祭りの星祭りをあやかってやってみたよってこと、みんなこんなに集まってくれてありがとう楽しんでねってことを、丁寧にみんなに聞こえるように語っている。


まあつまり、開会式である。


「モナちゃん、何番目?」


コエキちゃんがこっそりと聞いてきた。


「出番は最初は3番目。領主様、キャラバンの人、私達で楽しいのを2曲、あとはあの時のお祭りでステージ出れなかった人達が順番に10組でてー、締めに私がひとりで1曲短いのちょっとだけ歌って、また領主様でステージはおしまい予定。」


「わーい、楽しみー!」


「はははー、あんまり期待しすぎないでねー」


「にゃっふーー。出店も屋台もいいけど、こういうのを堂々と見ていい機会にゃんてにゃかにゃかにゃいから、今日はステージから離れにゃいにゃーーー!」


おう。意思が堅い。目がランランじゃなくてギランギラン。


領主様の足のリクゴウくんは私達がココにいるのが分かってないみたいでずっと目がとにかくまっすぐを見据えている。動いたら死ぬんだろうか?ぐらいの勢いです。ウサギ特有の鼻がやたらとヒクヒクしている動きが早いから、ずっと緊張してるんだろうなぁ。


こっちもある意味目がギランギランだよねぇ。


あ、領主様の挨拶が終わった。


「あ、今からキャラバンの人達のステージだから、トイレとかは今のうちに済ませておいて、ステージの後ろに移動しておかないとね」


「そうね」


「行きましょうか」


大人たちが私達を先導して移動に促された。コエキちゃんもそのまま私達についてきた。ココで見ててもいいのに。真正面からのほうが見やすいと思うんだけどな。


移動しながら横目で見るとこないだ昼間見た氷のショーと似たようなことをやっていた。


数分後・・・


「みんな揃ったかな?」


「おねーちゃん、みてみてぇー」


「どうしたの?」


ステージの裏からキャラバンのステージを覗き見してる子から呼ばれた。


「おお!?」


キャラバンは短い氷のショーの後、別のショーも組み込んでいたようで全然違うショーになっていた。


「前半と後半で違うショーになってたみたーい」


な、なんだって!?後半最初から見たかったーー!


後半は氷ではなく光る系統の魔法を多く使ったもののようで、雷、光、炎を駆使したキラキラしたもののようだ。


雷もドカンというやつではなく、花火みたいなものや目に見える静電気みたいなもの、光はトトロのおウチにあったような白熱電球みたいなものやランタンの火のような光、炎は厚みのあるボール状のものではなくサーカスのライオンとかが飛ぶイメージの炎のリングとかみたいに特殊な形を色々作った。


そしてそれもやはり物語形式。


氷のショーはネコがフィナーレだった気がするけど、光の集まるショーはどうなるんだろう?


次が出番じゃなければ観客側が良かったーと、片隅に思いながら、自分の順番のことは一旦忘れて、キャラバンのショーに魅入るのだった。


「ふおおお・・・」

次回は17日ぐらいの予定です。


少し涼しくなりました・・・かね?うちの職場具合悪くて8月からずーーーーーっとお休みになる人やたら多いんだけど、、皆様は大丈夫でしょうか?


薬味と言われる野菜類は、毒消しとも言われてるので、お野菜日々少ない人でも、毎日ちょっとずつ口にするといいですよ。


私は主に夏は水分補給用の1本に、生姜とレモンとはちみつを合わせたジュースというか水というかを作ったりしてたりしてます。効果あるのかわかんないけど、生姜もレモンもはちみつも体に良いので、とくに生姜。入れすぎるとからいけど。毒消しだよ生姜。お腹壊しそうなら生姜ー。(どんどけおすねん)


薬味を意識してみると、具合軽減するかもよーーー!?


んではまた



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