第434話
今回も少し短いです。
ぷくぷくぷく・・・
目の前に綺麗な、とても綺麗な色合いが瞬く間に移りゆく。
アクアマリン、ターコイズ、コバルト、インディゴ、ラピスラズリ、サファイア、セルリアン、シアン・・・・
全て青。ここはどこ。
きらりとどこかが光る。
何かに反射したのだろう。
鮮やかな赤と金色、パールのような白。
似つかわしくないような、それなのに、溶け込んでいるような。
コレをコントラストと言うなら対極だからだろうと思う。
ふらり、ひらり、とろり・・・・
それは確かに意識だったのか。
夢まぼろしは誰のためか。
目の前にいる、小さな女の子が、にこりと笑う。
「モナちゃん?緊張してるべ?」
「はっ!?ぼーっとしてた。」
「んだっけ、そんなんで歌えるか?まだ時間あっから水でも飲むか?」
「今日はもう飲みすぎて、トイレばっかり行ってるからもういいや」
今日はお腹タポタポの刑にでもかけれてるのかと思うくらい水を飲みすぎてる気がする。うっ。もう飲み物はホント、いい。いらない。歌ってる最中に、こないだみたいにトイレ行きたくなる事態にならないようにトイレもう何回か行っておいたほうがいいかも。
・・・トイレとか飲み物のことばっかり考えてたからなのかな。ぼーっとしていた今さっき、変な夢をみた気がする。
白昼夢ってやつなのかな。
「もにゃ〜!」
「ん?」
「「「「おねえちゃーーーん」」」」
「あっ!みんなー!」
私の方に駆け寄って来たのは、稲妻熊のトウシャくんとお友達の小熊達。
ちょっぴりキリッとしてるもふもふがアカシアくん。ニッコニコしてるもふもふがレンゲちゃん。少し目が眠たそうかなー?が通常運転もふもふがマヌカくん。ふんすふんす!してるもふもふがヒャッカちゃん。
トウシャくんはもじもじもふもふしてる。
全員可愛いなぁ。ここはもふもふパラダイスだったか。まんま、テディベアが駆け寄ってくるの図解でしかない。なんこれ。かーわいいー。
「これ急に走り出すんじゃあないよ」
「こらー、もう外は暗いんだから危ないだろ!」
小熊達を追いかけて来たのは、ポーション作りに右に出るもの無し!なクマおばあちゃんのデボラさんと、トウシャくんのお父さんことヨコシャルさん。と、さらに後ろには小熊達の保護者の方々が。
そう、今日は後夜祭の日。
本来の夏祭りがちゃんと出来なかったから今回だけ特別という形で夜のお祭りを開催することになった。
暗いと言っても冬と違っていくぶんか明るい。ここは日本ではないけれど、子供の頃よく行った盆踊りはこのくらいの時間に始まってたなぁと、思い出してしまう。
そう、この後夜祭、少しだけ盆踊りと雰囲気が似てるのだ。
“やぐら”は無いけど、ステージが設置されている。そのステージから“吊り下げ電灯”みたいなものとキラキラした大きなスパンコールみたいな飾りが延びていて、“提灯飾り”に見えてくる。
あれも電球に見えて、この世界独特の違うナニカなんだろうなぁ。ピンク、緑、黄色、紫・・・
あとはやっぱり、この1か所に子供が集まっているという事自体が盆踊りっぽい。
小さな子はこのお祭りの為にお昼寝をずらしたり伸ばしたりしている。大きなお兄ちゃんお姉ちゃんもいて、地域の子供大集合。
「こんばんわ〜」
親は親同士で何やら会話を始めたようだ。こっちも待ってましたとばかりにトウシャくんが喋りだした。
「もにゃ!練習してきたよ」
「ほんと!?みんなごめんね、急に」
「練習したー!ごめんねしないよ!?楽しかった」
「このあと一緒にやろうね!」
「「「「はーーい!」」」」
「ありぇなーに?」
「あっちはー?」
ちなみに、一応お祭りっていうことで、屋台も数件だけ出ている。私との簡単な会話をしたら、速攻で屋台に興味津々な小熊達。
さすがに焼きそばとかの屋台ではないけど。
「1番近いのは運試しの屋台だよ」
「行くーーー!」
「うひゃあ!??」
まだ後夜祭ちゃんと始まってないのに、子供には関係ない。いつの間にやら小熊ズに両手ガッチリホールドされて、引っ張り回されることになるモナだった。
次回は13日予定です。
洋風なイベント会場も、盆踊りの会場も飾り付けって大体似たような感じになってるイメージのある作者です。運動会とか、こう、旗がズラーって並んでる飾り付けみたいなのも、あるよね。
モナは小熊達を頼りがち。
テンクウちゃん達はスネはしませんが、少しだけ小熊達を影から羨ましがっています。
ではまた次回