第431話
ちょっと短いです
その頃・・・
王城のとある部屋。
「なになに、どういうこと?まだずっとロッテリーの街を離れないんじゃなかったの」
可愛い顔を膨らせて踊るようにハネている髪の毛が特徴の女性は内なる怒りを溢れさせていた。まだ自身で感情を抑えられているだけ冷静だった。
「信じたくないけど、元気になったみたい。帰ってくるって。ディオと一緒にさ」
女性ととても似たような顔の青年が女性の前にいる。2人ともソファに座ってソファに合わせた専用の机の上のお菓子やらお茶やらに舌つづみをうっていたようでどれもだいぶ減っているようだった。
青年は女性ととても似ていて髪の長さ、肩幅、声が違わなければ、瓜二つかもしれない。そう、彼らは双子だった。
「ディオも一緒に?ほんっと仲いいわねー。・・・元気になったの?どうして?料理長はどうしたのよ。」
「失敗したみたいだ。」
「はあ!?・・・バレたの?」
「料理長は街の騎士団に引き渡されて、コッチには戻ってこないらしい。」
「ウッソでしょ。はあ。計画が台無し。」
「本当にな。失敗したくせに私が罰を与えられないだなんて悔しいね。」
「またディオが手を貸した、ってこと?」
「どうなんだろう?その辺りはまだ報告に載ってなかった。」
「もっと詳しく報告書送りなさいよ。ほんと使えないヤツばっか。」
「そんな事言うなよ。今回本当に密偵仕込めなかったんだから。」
「あー、『少数の編成です』って人員配置いつもより同行人数しぼられちゃったんだったっけ?」
「そうそう。この情報だって後からロッテリーの街に潜伏させたり、近隣に潜伏させたり、見つからないようにするのさえも私達の仕業だって辿られないようにするのだって大変だったんだから。」
「指示だけして悠々と待てないの?」
「何言ってるんだよ。最近編成し直したばかりなんだよ?こういうのは特にいい機会だから、忠誠心とかひとりひとりの技術の高さの指針をはかれる機会なんだ。その中から優秀かつ忠誠心高いやつを今後もっと成長させて、その中での長にさせる予定なんだから。」
「あー、そーいえば前に言ってたっけ?」
「そうだよ。忘れてもらっては困るよ。ちゃんと見極めたら、今度はソイツに後は全て任せることにする予定。ここまで隊を私のものにするのに時間かかっちゃったなあ。もっと早くできたらよかったんだけど」
「アンドレなんかが産まれなきゃこんな事しなくて良かったからね。」
「意味わからないから不気味だしね。」
「ねえアムシャアロ」
「なんだいルーララァメイスン」
「戻って来る前に何か仕掛けられない?」
「お、イイね!でもあっちに伝えるには急がないと」
「鷹便使いましょう」
「だからそれだと足がつくってば」
「あーーー、もう暗躍ってめんどーーー」
明日も更新します