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第402話

「うちはねー、子供たちが大騒ぎでほんと困ったわー」


「今回はもう仕方がないわよねぇ。天災だと思うしか無いわぁ」


「それにホラ、キャラバンも呼んでたじゃない。お祭りの実行委員かってでてたお爺さん連中がね、騒いでるらしいのよ」


「あらあら、どっちが子供なのかしらね」


「でしょー。あ、そうそう、それでね、レフティにも言っておいてほしいんだけどーお爺さん連中がねー、人づてでいいからってさー」


井戸端会議発令中。


まあいいんだけどさ。スミコットさんを見つけたおばちゃんは私の存在に気づかなかったようで、ノンストップトーク。まあこういうこともあるさ。


私は空気。いないわけじゃない。しかし存在を消すんだ。おばちゃん達のトークは侮れない。聞き耳を立てつつ、聞いてないフリだ。面白い話が聞けるかもしれない。わくわく。私も女。噂話とかは好きである。わくわく。


チラッ


・・・スミコットさんの井戸端会議が始まってしまったのは いいんだが、アッチを気にしたくない、と言えば嘘になる。


チラッ・・・・うーーーん??


二足歩行のタヌキがおる。いるんだ。おられるんだ??


と言うか ・・・見覚えあるというか、ムッチリモッチリボディを欲しいままにしているタヌキ、キジンさんでは?


うーーん??


キジンさんてあの村だか里だがから離れなさそうなイメージあるんだけれど。うーーん。テンクウちゃんかフテゥーロちゃんかスズちゃんを連れてくればよかった。


でもみんなミギィさんの作る料理とかにワクテカしてて子供みたいに目がキラキラしてたし、私も私でどうせすぐ帰ってくるし商店街はネコモンスターいっぱいいるからある意味ビャッコくんの縄張りだから問題起きてもきっとモーマンタイ(無問題)って思っちゃったんだよねぇ。


どうせすぐに終わりそうなお使いだったからっていうのもあったしなー。参ったなー。


あ、獣の獣人 てことで買い物しに来ているのかな。


キジンさんらしきタヌキさんは女性店員さんが応対している。2足歩行タヌキってどうしても平成たぬき合戦ぽんぽこ思い出しちゃうよねー。“人間のいないところではたぬきは2足歩行である”って初っ端から始まった時は、“マジで!?”って言いたくなったもん。ふふふ。


「ってことでね、レフティにも話を通しておいてね」


あっ、こっちの話終わってしまったらしい。まあいいや。そろそろスミコットさんの話も終わ・・・。


「そうそう聞いてよー!うちの旦那が!」


ダメだ。まだ話は終わらないらしい。もういいや、旦那の愚痴は聞いても面白くないだろうし、キジンさんの方を見に行こう。頑張れスミコットさん。


近づいてキジンさんの方を聞き耳立ててみた。


「あら、獣人やモンスター用の品物ですか?あ!贈り物ですね !」


「いいえ、あたくしが使うかもしれませんので・・・」


「ふふふ!奥様は冗談がお好きなんですね。奥様は獣人には見えませんですわ!」


あれーー??女性店員さんのその言い方だとキジンさんが人間に見えるってことか?どういうことだ?キジンさんに見えてる私になにか問題があるとか?


そろーり・・・


うん。店員さんの方に何かしらの魔法でもかかっているのかもしれない。女性店員さんの目線がキジンさんらしきタヌキさんの頭上に目線が向いたまま話しかけてる。どう見ても違和感しか無い。


でも周りの人達も特に、女性店員さんが変な行動してるってことはわかってないみたい。あ、キジンさんらしきタヌキさんがこっちに気づいた。・・・しょうがない。声をかけようかな。


「あのー、キジンさんですか?」


「あら!モナさん!・・・申し訳ありませんが、お知り合いのお子様がいらしましたのでん、また何かしらご用ができましたら、呼びますん」


「はい。では、また。」


女性店員さんは食い下がるようなこともなくスマートに下がっていった。


「やっぱりキジンさん?」


「おや?モナさんにも他のお姿で見えてしまっていますかん?」


「え?他の姿ってなんですか?いつも通りのキジンさんにしか見えないけど、どうしてこんな所にいるんだろうって不思議で不思議で。」


「ああ、なるほど。ここにいるのは、見廻りも兼ねて散歩を少々。先ほどの人間があたくしを引き入れましたのん。良いケショウヒンがあるからとか、毛並みのツヤが増す物だとか色々あるらしいと聞かされましてん。でもあたくし、今あたくし自身を知らない者には人間に見えるように術をかけています。やはりこの術中にケモノが使う用品は買えなさそうですわん。」


「ほえ。キジンさんが人間に見えるの!?うわぁ見てみたーい」


「今見えていないのなら、見れないですん」


「がーーん!」


なんだって!?ヒドイ!


「そういう偏った術なのですん。どうしようもできませんわん。」


「うーむ。無理なら仕方ない。うわー、でもどんな風に見えてるんだろう。気になるぅ。」


「術をかけてるあたくしにもわかりませんが、貴族の奥様だと勘違いされることが多いですん」


「ほえー。」


「モナさんはどうしてココに?あたくしに会いにでも来ましたか?昨日騎士団に捕まると困るので、逃げましたからねん」


「いやぁ、単に偶然ココに・・・って、え?なに?なにから逃げ出したの??」


「おや、ネコ達から聞いていませんか?洞窟にあたくしも入っていましたんですよん?」


「どどど、洞窟って、まさか!?ナカバちゃんと同じ!?なんかよくわかんないけど、ネズミの罠でワープしちゃったとかいう話のやつ!?」


「なんだ。しっているじゃありませんか」


「えっ逃げ出したのに商店街歩いていて大丈夫なの。騎士団まだその辺にいるはず・・・」


うんたらかんたらと色々とキジンさんの行動を問い詰めまくろうかと思った矢先・・・


「モナちゃーん、どこー?」


「あ、スミコットさんが呼んでる」


「おやまあ。・・・モナさん。今度お話する時間下さいますかしらん?もしくは・・・そうですねん、あたくしも忙しいですし、今夜モナさんのお部屋に伺ってもよろしいかしらん?」


「えっ!?あっ、ハイ!今夜はテンクウちゃんとビャッコくんたちとこっそり会議する予定だったので全然大丈夫です!」


「モナちゃーーーん??」


「ふふ。こっそり会議とは、なにやら面白そうですわねん。ではよろしければ夜中に伺いますわん。」


「わかりました!ええと、夜9時以降に来て下さいね!それより前は部屋じゃなくてリビングにみんなで集まっているかも知れないので」


「あい、わかりましたわん。ではさようなら」


「あ、モナちゃん!いた!って、あれ?あの人どなた?」


「あ、スミコットさんごめんなさい。あの人はね知ってる人に似てたんだけど、間違えちゃったみたい。間違えて声をかけちゃったけど、少しだけ暇だったから世間話少ししてたんだ。」


「世間話?」


「このお店は、店員さんがおすすめの化粧品とか毛艶がよくなる商品があるのよ〜って教えてくれた」


「そう!そうなのよ。ここは色々な品物が本当に色々揃っているんよ〜・・・・じゃなかった、ほら、お使いの途中だったでしょう?追加購入のついでに私達も欲しいものあったら買いましょう。」


欲しいもの。うーん、うーん。


「防音装置みたいなのって売ってる?」


「ボーオンソーチ?初めて聞くわね。みたいなのってことは、他にも種類があるの?というかなににつかうものなの?」


いや、単に今夜のこっそり会議に使えそうなものがあったらいいなと。テヘペロ。


「カーペットみたいに足音がドタドタ鳴らなくなるようなのがいいな」


「ボーオンソーチってつまり、敷物ってことかしら。カーペットは・・・ここでは高級品の取り扱いになるから、お値段もかなり張るし、届けてもらうから数日かかっちゃうわ〜。」


おかしいな、スミコットさんには防音という言葉が伝わっていない。防音っていう言葉自体ないのかなぁ。それとも5歳児クオリティで滑舌の問題かなぁ。


「数日はちょっと・・・」


じゃあそういうのじゃなくて、普通にみんなへのありがとうを込められたものにするべきかも。やっぱり食べ物かなー。テンクウちゃん、フテゥーロちゃん、スズちゃん、ビャッコくん、ビャッコくんのお仲間、おうちにいたタイモちゃん、あと・・・・


「スミコットさん」


「なぁに?」


「ウエ商店さんは野菜届けてくれるイメージしかなかったけど、ここは完全にとまではいわないけれど、雑貨屋さんぽい雰囲気だね。」


「あら、そうね。このエリアはそうかもしれないけれど、あっちいってごらん。食料コーナーがあるわよ」


日用品から化粧品、雑貨がいっぱいでレジにちかい所に食品関係。・・・現代の無印良品さん思い出しちゃうなー。ウエ商店さんはこの異世界での無印さんだったということか!?!?


残念ながらここは異世界なので、レトルトパウチ食品はありませんでした。ショボン・・・

次回は28日予定です。


急に暖かかったりで体調が優れません。ずっと寝ていたい。冬眠ならぬ、ハルミン。グースカピー。


「異世界*異世界」のゲームでは現在「とんでもスキル」のターン。ムコーダさん可愛いよ。スイちゃんも可愛いよ。フェルはフェルだよ。


漫画再開しないかなー。いつだってコミックガルドで更新されるのずっと待ってる。赤岸K先生の描くムコーダさん大好きなんだ。大好きなんだ!!うおー!



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