ブクマ900人超えありがとう〜感謝SS〜〜
ブクマありがとう記念、ちょっと、いや、かなりだいぶ?遅くなりました??ふへへ。いつ越えたのかも最近全然確認してなかったので、多分去年のうちに越えてたんじゃないかな〜〜。ぐらい。
申し訳ありません。ありがとう。そしてありがとう!
節分が間近なので、今回は本編とはほぼ関係無さそうな節分のお話です。
理由:この物語のカテゴリーが恋愛だったと今更思い出したから(え?)(にっこり・・・)
読み飛ばしても、続けて読んでも支障のない話になってます。
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モナは少し遅めの朝食を食べ終えてホッとひと息白湯を飲んでいた。
食事をし終えたところだと言うのに、白湯となぜか炒り豆が小皿に乗せられて机に出されている。
お腹いっぱいのはずなのに、塩気のついたそれを見てしまうとなぜか手が出てしまう。
カリポリと小気味いい音を立てるそれはやっぱり少ししょっぱい。
大豆だろうか?多分大豆だ。大豆だろう。
2粒食べたらやっぱりお腹いっぱいだからもういいやと、また白湯に口をつけた。
はふぅと息を吐いて、ふと、そういえばと思い出す。
あの場所でアンドレとディオさんに『あっちの世界では“節分”っていう行事があるんですよ』なぁんて話したことがあったなぁと思い出した。
10年後のあの館でーーーーー
〈IF世界〉
山川谷トリオはしっかりしていてもまだ子供だ。
ディオさんの手伝いをしていてディオさん含め合計4人で魔道具開発にのめり込みすぎて4人揃って食事をおろそかにすることもしばしばある。
私も私で、モンスターの仲間と修行したり、モンスターの勧誘を色々考えたり行動したり、モンスター仲間同士のトラブルなど仲裁役を担ったり結構忙しい。
4人と食事の時間がズレてしまうことも多くなる時期もあるので、私までもが気にしていないとディオさんがやらかしてしまう時がある。
そう、山川谷トリオまでもがディオさんに合わせて食事抜きになってしまうということがあるのだ。
成長盛りの若い子が食べなければ成長できなくなってしまう。分かっていたのに私も気づいていなかった。ディオさんもだ。つまり、助け舟を出したのはたまに居なくなっては現れるアンドレくんだった。
「お兄様!食事しないとあの部屋は鍵をかけさせてもらいますよ!シャタニ達のお腹を見て下さい!またこんなにガリガリになって!筋肉がつかなくなりますよ」
「待って待って待って、今いいところなんだ。あとちょっと!あとちょっとだけだから!ねっ?」
この会話を聞くと、私もまたやらかしてしまったとおもい、気にかけなさすぎて申し訳なくなる。
「ところでその袋はなんだい?」
鍵をかけるかけないの問題から話をそらすべく、ディオさんは目に映ったものに話を持っていく。
「豆だよ。」
「「豆・・・」」
特に物珍しくもないものだった。
「ほらこのロッテリーの街も人間がどんどん減ってるだろ?お兄様も前に言ってたどんな土地でも収穫できるものがあれば、新しい事業とかにできないかって」
「ああ、言ってたね。でもなんで今更豆?」
「姉上のいた世界には豆の加工したものがいっぱいあったんだろう?ショーユとかナットウ、ミソ、えーとエダマメ?トープ?」
枝豆は加工したものではないしむしろ大豆の生育途中を刈り取ったものだ。あと、トープではなく、多分それは豆腐のことだろう。ってつまり大豆を持ってきたってことかな?
ワクワクとアンドレくんが持ってきた袋を覗いてみるとコレまたびっくり。
何の豆だコレ。
「茶色の豆と緑の豆と白い豆をくれって店主に言って、買ってきた」
堂々と言うけれどよく意味がわからない。
「なんで?」
「ショーユとかは茶色でエダマメは緑でトープは白いんだろう?」
アンドレくんはある意味間違っていない。間違っているのは過去の自分達の会話の浅さである。
つまり、『豆は豆でも日本で1番加工している豆ってなーんだ?』って部分が完全に抜け落ちていたのである。
答え、大豆。そう、大豆なんだよ。これなんだろうね。大豆じゃないことは確か・・・・って、おや?
ひと袋になぜか3種類の豆が混ぜこぜになってしまっているのにも驚いたけれど、なんかこの豆香ばしいような、油ののった匂いが少しするような・・・?
「豆をこの領地で栽培してみたり、加工について研究したりしてまたロッテリーの街をもり立てられるようになれたらな・・・と、ん?姉上、どうしました?」
「アンドレくん、これ、買い間違えだと思うよ。」
「は?」
「ん?どういうこと?・・・ぶはっ・・・」
ディオさんが袋の中身の豆を初めて覗いてすぐにわかったのか、事も無げに吹き出した。ディオさんって本当にたまにこどもっぽくなるよなぁ。
「どーゆー・・・げっ、乾燥豆じゃない!」
うんうん。炒り豆だねぇ。完全にオヤツとか小腹満たし用の味付けちゃってるヤツだねぇ。
私もそんなに詳しくは無いけれど、豆は乾燥しておいたものであれば水に長時間つければある程度のものであれば芽が出てくる。
そう、乾燥しただけのものであれば、タネとして生育可能なのだ。しかし、炒ったものはそういう生育できる部分をも殺す行為だ。
オヤツになってしまった豆はもう芽を出すことはない。ざっくり知っているのは、子どもの時に“節分”って何で豆まきなの?と友達と調べものをした時に知った事のひとつだからだ。
邪悪なものが蘇らないようにとか、そういう願いを込めて炒るのだそうな。芽が出ちゃったら蘇るかもしれないってどんだけ疑心暗鬼なんでっしゃろか。
と、まあ話は少しズレたけれど、炒り豆は残念ながらこれ以上の生育はできません。
「こんなにいっぱい・・・どうしてこうなった!返品してくる!」
「あ!」
ぽんとアンドレくんの肩をひんづかみ、良いこと思いついたと、動いた体を無理やり止めさせた。
「このおやつ、小皿にのせて4人の研究部屋に置いておこうよ」
「いやでも、こんなに大量はちょっと消費しきれないぞ?」
うん、お米2キロ分ぐらいの大きさの袋だからね。多いね。
「豆ってタンパク質が豊富なんですよ。」
「たんぱくしつ?」
「さっきアンドレくんが言ってたじゃない。筋肉だよ。豆を食べて運動をすると筋肉がつきやすくなります!」
「えっ、そうなのか」
「あと豆ってバランスのいい食べ物だったはず。ビタミンとか葉酸とか色々、うーん詳しくはあんまり覚えてないけど、米よりパンより豆を食え、みたいな話聞いたことあります」
「へ、へえ?」
「でもやっぱり消費するのはちょっと難しくないか?これ。やっぱり返品してくる。」
「じゃあ、節分でもやって消費します?みんなちょうどヤマーくん達も単におやつとして食べろって言われたところで数の減りは目に見えてますからね」
「セツブン?」
「あっちの世界では“節分”っていう行事があるんですよ。旧暦のお正月あとの春を迎える区切りの行事だったかな?『鬼は外!福は内!』っていう掛け声を上げながら炒り豆を外や中にまくんです。で、行事の最後には、自分の年齢の数だけ豆を食べる。そうしたらこの先1年は健康でいられる、っていうおまじない的なのを炒り豆でやります。」
まあ、この行事も大豆なんだけどね。
いま目の前にある豆で代用である。
「メイドさんやら執事さんやらも全員巻き込めば、こんな量の豆一瞬でなくなると思う!」
「いや、食べ物粗末にしたらだめでは?」
ディオさんから最もな意見が。
「いや、やってみよう!お兄様!」
おや?急にやる気満々だね、アンドレくん。
「姉上の世界には魔法もスキルも無いのにおまじないの類で行事が行われていたということは、この世界ではもしかすると、何かしらの魔法が発動する可能性があるかもしれません。」
なんだって??
「なるほど!?」
ディオさん、ちょっと、目が輝いてますね。おや?!おかしいな??
「そうか、そういう可能性もあるかもしれない」
「はい、検証してみましょう!」
どうしてこうなった??笑
ーーーーーとか言うことがあったなぁ。
シャタニくんとヤマーくんとリヴァイくんが1番楽しくやってくれた。
そして炒り豆はスタッフ(モンスター含む)が美味しくいただきました。
あれはあれで楽しい日々だったなぁと、5歳の体のモナは白湯を片手にフフッと思い出すのだった。
そういや前はバレンタインの話書いたことあったっけ。
今日は番外だったので、明日また更新予定です。ガンバルンバ。
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って日付越えてしまいました。やっちまったぜ。今日もう一度アップという形になるとおもいます。
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