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私はテイマーではありません~ナゼか周りにもふもふがいっぱいな件~  作者: 沖宮途良
第3章

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第384話

崩れ落ちて汗が滴り落ちていた。


「はあっはあっ・・・」


「モナ?大丈夫か?」


「っ・・うん。コウチンさん、ありがとう。それよりもコエキちゃんは向かった?」


声は掠れながらもモナは気丈に振る舞って答えた。


「向かった。安心して休んだほうがいい。あんな無茶な魔法は初めて見た。よく腕が折れなかったと感心するばかりだ。」


「あれ?え?そんなに?頑張ったとは思うけど、そんなに?」


「なんだ。わかっててやったんだろう。」


「多少は重いとは思っていたけど、想像以上だったから」


「ネズミ達はこの穴の先で力を蓄えていたんだろう?ネズミの魔力の詰まった毛は重い鉱石だと言われている」


「いやもうほんと、重かったぁ。ネズミの毛ってオスミウムだったりしないよね」


「なんだそれは」


「世界一重い鉱物らしいよ」


「鉄のことか?」


「鉄より重いんだってば」


「わからん。」


「私も詳しいわけじゃないよ〜。ははは。あ、風が吹くと気持ちいい〜地面に寝っ転がりたいのに、周りが汚くて、む〜り〜」


モナは近くの木に背中を預けた。1番の功労者はモナだった。辺りにいる騎士団の面々はキチンと見たのだ。おかしな力の使い方をする小さな少女を。


ロッテリーの街にいる騎士団員はかなり若いかもしくは妻帯者のおっちゃんかの両極端だと言ってもいい。


昔から住んでいる人間が街の治安維持を掲げて騎士団に入隊していたりするのが多いので、功績などが欲しい向上心の高い油ののった働き盛りあたりは、中途半端なロッテリーの街ではなく、王都に働きに出てしまう。よくある話だった。


子を持つ親目線で見るなれば、モナという少女はまだまだ幼くあどけなく、あんなことを出来るようには見えない。


抱っこしたとしても絶対軽そうだし、ほっぺはふくふく、肌はもちもち。5歳だと言うが、女の子だからなのか体はあまり大きい方ではない。


魔力の大量仕様で汗をかなりかいているのは見ていて痛々しくもある。子供が熱を出して苦しそうにしているのを思い出してしまいそうになり、顔が歪みそうになる。


「モナちゃん、水だよ。ゆっくり飲みな」


ひとりの男性はモナに近づいて竹筒のように木を加工した水筒をモナに向けた。そこまで大きな水筒ではなかったので小さなモナの手でも持てる大きさだった。


「ありがとう?」


モナはあっと思った。水をくれた男性は食堂に食べに来てくれたおっちゃんのひとりだったから見覚えがあった。


遠慮がちにクピッとたったひとくち水を得たあと、途端に体が求めていたものはコレだ!と言わんばかりに目の前の水をグビグビと飲み干す勢いでの飲んでしまった。


「おいしー・・・・」


モナが飲んだのは紛れもなく水だったけれど、男性の計らいなのか少量の魔力ポーションが入っていたようでほんのり味があり、今のモナにはお酒なんかよりも神の水と言えるほどのものだった。


・・・おっちゃんがこちらを見ている。


生易しい目で。


あれ?私なんかしたっけな。ハッ・・!


「ごめんなさい、水ほとんど飲んじゃいました」


おっちゃんが持ってきてくれた水!ほぼカラ。いやまだ残ってるけど。いやでも、ほら、そこまでこの水筒大きくないし!?


「ああ、いやいや、大丈夫大丈夫。すまんすまん。その水は飲みきっていいよ。むしろまだ飲むか?まだ用意してあるぞ?」


「はえ?」


聞いてみると騎士団が団体行動を大きく取るときには必ず常備する水らしくていっぱいあるとのこと。焦ったぁ。


経口補水液みたいな感じで作ってる水ってことかな。


「人によっては大人でも魔力ポーションを飲まないといけないのに飲むと具合を悪くしてしまう人もいるんだ。水に薄めたものはポーションとしての効果は薄いけれど、ポーションを直に飲める人だけしか回復すればいいだなんておかしいだろう?」


「なるほど。へぇ・・・」


・・・変だな。思い出したこの世界の未来での王都の騎士団とは関わったことがあるし、この街の騎士団とも、ディオさん経由とは言え少しだけ関わったことがある。


今はその過去の年数だと言うのに、未来ではそういう人を助ける対策が浸透してなかった?


・・・自分のことで周りが見えてなかったからなぁ。でも、あの世界ではこの街はほとんど滅びかかっていたようなものだから、こういう人として大事な部分も消えてしまっていたのかもしれない。


「これはあいつらが考えたんだべ」


「レフティさん」


「おう、レフティ。お前も水いるか」


「もらう。カラッカラだしな。」


「レフティさん?あいつらって誰のことですか?」


「カメーリャとユーグリッドとピンホゥの3人のことだべ」


「ピンホゥ?さん?」


「ユーグリッドと同じ副団長やってるやつだべ。モナちゃんは会ったことなかったっけかな?」


初めて聞いたと思う。


「この街の騎士団独自の試みってやつだよ。団長達は色々考えてくれてるんだぜ」


おっちゃんは胸を張ってその3人を讃えている。


そういえば未来ではピンホゥさんは覚えてないからともかく、ユーグリッドさんもカメーリャさんも騎士団にはいなかった。


ユーグリッドさんは無くなっていたし、確かカメーリャさんは普通に引退してたとかだったような。ユーグリッドさんが亡くなってたから、副団長候補だったクリストファーさんもこの街じゃない場所に引っ越したとか言ってたような。


「あっ!ユーグリッドさんは?ユーグリッドさんケガしたりしてない?!」


「あっちにいるよ。ほら。」


おっちゃんが親指でクイッと後方を指し示すと、居た。良かった。大したケガもしてなさそうだ。


このネズミの騒動でユーグリッドさんは死んでしまうはずだった。これで回避出来たんだろうか?


「モナちゃん、立てっか?」


レフティさんが手を差し伸ばしてくれる。


「朝から疲れただろう?レフティもあっちのテントで一緒に休むといい。後片付けは俺らの仕事だからな。」


私は力尽きて木にもたれ掛かっていたけれど、騎士団の人たちはなんのその。ネズミの死骸の片付けをずっとしてくれている。


「立てるか?」


「うん大丈夫。この水のおかげ!」


「ええ仕事しとるべ。誇ってええ」


「何目線だよそれぇ〜ハッハッハッハッハ!」


飲みきった水筒は回収された。また誰かの喉を潤すんだろう。おっちゃんとはそこで別れた。


「俺も喉が渇いたぞ」


おっちゃんが来てから無言を貫いていた、コウチンさんがそう言った。


「すっかり忘れてたべ。ほれ。飲みぃ」


レフティさんが多くもらっていた水をコウチンさんの口に流し込んでいた。飲みづらそう。


少しホッとしたらお腹が空いたのに気づいた。まだ今日は始まったばかりだ。



遅れてしまいました。

更新しようとしてたら寝ちゃった☆テヘペロ!


明日また更新予定です。


昨日ちゃんと更新してたら1日空けることが出来たはずなのに、予定がパツパツだぁ。(笑)


メダリストのアニメよく出来てて面白いよ。漫画全部読んでるけど、どこまでやってくれるんだろう。


アニメ感想もまたそのうちあげたい。

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