第375話
頭の中がパニック。
ユーグリッドさん達が真剣にこちらを見ている。
着せ替え人形は恋をするのゴジョーくん並に『なんですって?』って最近思ってる気がする。いやもう本当にね。
頭をこう、ガーンと殴られるような衝撃だよね。殴られたこと無いけど。
いやちょっと待って。すていたすおおぷんが一体何なのか、私の知ってるステータスオープンなのか確認しなくちゃ。だってつまり、伝説になった勇者が使ってたというわけでしょ?
そんでもってレフティさんは私を、えっと?、そう、神の使徒ってことにしたい。そうでしょ?
ん?そうなるとどうなるんだ?
あ、そうそう。私もネズミ退治に1役買えるって話だったな。ええっとぉ、まずは、とりあえず聞こう。
「すていたすおおぷん・・・ってなあに?」
率直に聞いてみた。ユーグリッドさん、顔近すぎるよ。レフティさん、レフティさーん、すていたすおおぷんってなんですか。
ユーグリッドさんの顔そっちのけでレフティさんの方に聞いてみた。いや、だってなんだかユーグリッドさんの目が、怖くって。
「昔々から伝わる勇者が持っている特別な能力、その時にこうするんだべ。スッスッと人差し指を空中に横切らせる。聞くところによると、個人の情報が事細かく載っているらしいけんど、それはそのすていたすおおぷんを使える人間にしか見えないって話だべ。」
ステータスオープンのまんまですね。
「モナちゃん?その例の、すてい、たすお、おぷんを使えるのかい?」
カメーリャ騎士団団長まで・・・って言葉の区切りおかしくない?すてい、たすお、おぷんってオカシナ事になってますけど!?
捨て位、助男、御粉って当て字してるように聞こえますけども!?
あーもー、どーにでもなれ!
「ステータスオープン使えます!!」
『おおっ』とどよめきが。
「いや、まてまてまて。レフティ。例えコレが本当だったとしても、我々が例え信じたとしても、だ。その技は当の本人しか見えないものだ。私達がモナちゃんを信じようとも見えないものにまで信じる人は少ない。もっと分かりやすいものはないのか。こんな小さくて可愛らしい子を騎士団員達と共に戦わせるだなんて、あんまりにも無茶苦茶にしか聞こえないし、見えない。」
冷静になったカメーリャさんの正論論破である。うんうん。
「勇者の子孫とでも周りには言えばいいと思うがダメか?って、そんな説得とかはカメーリャに任せるべ。アタイが言いたいのは、モナちゃんがこの件に関して戦力だってことだべ。なぁモナちゃん」
そうなのかな。そういえば深層心理の奥底から起きてからステータス見てなかったっけ。どれだけ力が戻ったんだろう。
あれ、なんか忘れているような。タヌキのキジンさんがなんかこのステータスオープンについて言ってたような。・・・思い出せないや。ええと、とりあえず見なくちゃ。
ステータスオープン。
帝麻萌那ステータス▼
▼年齢:5歳(27歳の魂)
▼性別:女
▼体力:18
▼魔力:60
▼知力:10
▼運:幸運5・悪運4・天運10
▼魔法1:土魔法・水魔法・生命魔法
◆掘り返し
◆飲料
◆回収・危険察知
▼魔法2:空間的範囲結界遊戯型魔法・創造魔法(作成)
▼スキル:大童・笑転童子・愛似移動友・動物音楽団[小熊隊]・唱✕称・指切り言満[魔力不足]・クラフティキュア[使用不可]・アシッドレイン[魔力不足]・レインボーラッシュ[魔力不足]
▼その他:言葉遊び(ファンタスティック)・歌遊び(妄舞華)・土遊び(ゴーレム)・水遊び(水たまり)・ヒトカケラ-20+6
▼職:異世界人(退化)・動物に好かれる者・食堂のアルバイター『ともだち食堂』
▼後見人:ミギィ・レフティ (アンドーレリユース・ディオールウェリス)
▼守護霊:スズ
▼友好関係:ミギィ(人間)・レフティ(人間)・アンドレ(本名アンドーレリユース)・ディオ(本名ディオールウェリス)・ユーグリッド(熊獣人・獣系)・スミコット(人間)・ハジー(人間)・ナカバ(人間)・リネア(人間)・チェルキョ(人間)・プント(人間)・クリストファー(人間)・リーリー(人間)・マリー(人間)・ミリー(人間)・ユリウス(人間)・ゲイリー(人間)・ヨコシャル(熊獣人・人系)・デボラ(熊獣人・獣系)・カメーリャ(人間)・ウエ(人間)・アカシア(小熊)・小熊・小熊・小熊・熊獣人・熊獣人・オースオグナ(人間)
▼友好関係:テンクウ(黄金弾丸犬)・セイリュー(ナイトフォックス)・キジン・ポンポコ丸・ぽん吉・トウシャ(稲妻熊)・ビャッコ(雪猫)・タタラ(悪夢猫)・コエキ(祭典猫)・スバル(闇猫)・アメフリ(液体猫)・トロキ(蜘蛛猫)・トカキ(砂棘猫)・カラスキ(不死鳥猫)・スズ(霊体)・ツキノ・リクゴウ(火山ウサギ)・タイモ(◆▼●▼)
▼敵対関係:ジパニーモンクモンキー、●●●●イーター
ってあれ、もっと戻っていると思ってたんだけど、思ったより戻ってなかった。
ただ、やっぱり魔力が大幅に回復している。この姿になって街に来てから私の魔力はとっても少なかった。1度死ぬ前のこの世界に来てからすぐに見た最初の頃のステータスでも「180」で、最後に死ぬ直前なんかはもっともっと魔力が多かった。
最初の「魔力:2」から比べたら全然回復しているけれど、全盛期に比べると全然戻っていないとも言える。この5歳の体にしたら、きっと破格な魔力量だ。
スキルとかすごく少ない。とくに、今の私に全くなくなってしまっていらるものがある。火に関する魔法の類が一切無い。あと1部全く違う能力になってるような・・・・?
戦う事に関しては火の魔法は結構有用な魔法だったはずなのに使えないのか。残念。
あと最後の「●●●●イーター」ってなんだろ。
「モナちゃん?モナちゃん?おーーい」
カメーリャさんとクリストファーさんが心配そうに私を見つめていた。おっと、しまった。ついついステータスに夢中になってしまっていた。
「ほら、レフティ。戦うのなんて女の子には無理だよ。こんなに消極的じゃないか」
って、あっ、私が戦わなくて良いようにカメーリャさんがレフティさん説得しようとしてる。
「ち、違うんです!カメーリャさん、今、みんなが言っていたから、ステータス確認していただけで、みんなの力になれるなら、私魔法で戦えます!」
ちょ、ビャッコくん、めっちゃニヤニヤしながらこっち見ないでー。あ、そうだ!ちょっと失礼!
むんず、と、ビャッコくん抱きかかえちゃうぞ!
「それと、この子達と戦えます!」
ビャッコくんがニヤニヤして暇そうだったから、いいよね。どうせこのあと似たようなことをレフティさんから話してビャッコくんをミギィさん達のところに送ろうって話が実はレフティさんから出ていたんだもん。
それを話すのが早いか遅いか。
「実はな、カメーリャ」
ゴニョゴニョゴニョゴニョ・・・・。レフティさんがカメーリャさんの耳元でコソコソ話。声を落とすの今更じゃない??
「な、なんだって!?それはかなりの戦力じゃないか!!なんで今まで黙ってた!」
「このノラネコ軍団を使えるのは、そこにいるモナちゃんが居てこそなんだべ」
ノラネコ軍団って言うと絵本の方を思い出しちゃうから他の名称でお願いできないですかねレフティさん。
「カメーリャ、ええか?ネズミには、ネコだべ。」
真理だねぇ。
トムとジェリーしかり、ドラえもん(ネコ型ロボット)にもネズミだし、ネズミ男にはネコ娘(ゲゲゲの鬼太郎)、あれでもまてよ?
フェリックスにもガーフィールドにもハローキティにもネズミキャラっていたっけ?その反対にミッキーにもハム太郎にもピカチュウにもネコキャラいたっけ。
ネズミにはネコ。ネコにはネズミ。この提案どこまで通じる?
「なるほどな!」
アッサリ通じたーーーーー。・・・・ホッ。
「ババア」
「なんだべ、熊ガキ」
「嬢ちゃんがスゲェってのは、俺が体験済みだから、わかった。しかしな、納得いかねぇ」
クリストファーさんとカメーリャさんが、えっ体験済み!?ってユーグリッドさんを驚愕の目で見てるよ。
「神様の使徒だかなんだか知らねぇが、俺らが1週間かける仕事を、嬢ちゃんがいれば1日で済んじまうだなんて、嘘も大概にしろよな!」
「嘘じゃねぇべ。」
レフティさんが近くに来て私に耳打ちした。ビャッコくんは私に抱っこされたままだったのでもちろんレフティさんの言葉は丸聞こえ。
「わかったよ。レフティさん。」
そっか、私勘違いしてたよ。みんな前回のあの場面、ほとんどの人が見てた気がしてたんだ。ならしょうがないよね。
「本当にやるのかにゃ?」
ビャッコくんが小声で聞いてきた。
「論より証拠。百聞は一見にしかず、だよ。ビャッコくん。」
モナの27歳の最初のステータスは252話に載っています。
次回は、11日予定です。遅れるかも。