表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
393/463

第374話

所変わって、またモナ達のいるテントでの話し合い。



レフティさんは私との時間を作ったのに、ユーグリッドさんとの2人きりの時間を取ることはせずに、人をまた集めることにした。


私達のいたテントでは大人数が話し合いするにはそこまで広くないこともあって、ユーグリッドさん達が主に使用する隊長格専用のテントに集まることになった。


ユーグリッドさん、レフティさんが話す時間を取ってくれなかったことを怒っているようにも見えた。


私が『ユーグリッドさんと喋らないで』とか言ったんじゃって誤解してなきゃいいけど・・・考えすぎかな。


テントに入るとさっきのメンバーと、プラスでカメーリャ騎士団団長さんがいた。謎のメンバー構成にカメーリャさんは他の騎士団員を呼ぶべきか?とか色々とレフティさんに言っていたようだけれど、却下されていた。


カメーリャさんは納得したようなそうでないような。


話し合いの本題はひとつ。このネズミだらけの状態の収束。


騎士団がどう動いて、今のネズミの駆逐状況がどうなっているのかを、カメーリャさんから聞いたら驚いた。


祭り会場での騎士団の常駐テントは全部で10カ所ぐらい。そのうち避難所になっているのが約半数の5か所。ここがそのうちの1つだ。


避難所として成っているこの5か所の周りのネズミの駆逐はおおよそ済んでいて、たまに2〜3匹ほどが時々現れるくらいで、駆逐完了と言えるような安全地帯に成っているそう。


避難所に入れている人間は重症で動けないもの、もしくは暗くて悪い足場を歩かせたくない老人や子供。そしてその保護者達。


それを除く、この祭り会場から近い民家の人々は、避難所に身を寄せ合っていて、逆にこの祭り会場から遠くに家を持ち、なおかつ軽症で歩きに不自由が無い人間は、家に帰らせたそうだ。もちろん家までは騎士団の護衛付きだ。


祭り会場から遠ければ、ネズミの被害は少ないらしい。帰れる人は帰すべきだ。とどまって2次被害が起きる可能性も無くはないのだから。


そして悲しいかな、そのうち避難所になっていないうちの3カ所ではネズミの駆逐がすまないどころか、むしろ増えているように見えるらしく、ネズミを抑え込むので手一杯になっているらしい。


理由は分かっていない。ネズミの大繁殖?とカメーリャさんが疑問を投げかけた。それに応えるはユーグリッドさんとレフティさんだった。


この場には私、コウチンさん、オースオグナくん、カメーリャさん、ユーグリッドさん、ビャッコくん、レフティさん、クリストファーさん。しかいない。


ほとんどの会話がカメーリャさんとユーグリッドさんとレフティさんしか喋っていないから、他のメンバーは空気も空気。居なくて良いんじゃないかなレベル。


レフティさんが私達を再度招集したのがよくわからない。





とか思ってた時もありました。






「い、今、なんて言った・・・?」


れ、レフティ、さん!?


開いた口がふさがらないとはこのことだ。なんてことを言い出すんだ。爆弾発言だぞ。


「ん?聞こえながったんか?もっかい言うべ?モナちゃんはな」


「「「モナちゃん、は・・・?」」」


ちょっ・・・!


「神様の使徒様なんだべ」


「かみ」

「さまの」

「しと!?」


カメーリャさん、ユーグリッドさん、クリストファーさん、が揃いも揃って驚愕の声をあげてる。


「どういうことなの、ふがっ、へふてぃふぁん(レフティさん)


抗議の声を塞がれました。レフティさん、ちょっとどういうことなの、いやもう、まじでさ。


「任せとき」


小声で耳打ちされた。


うーん。何が何やらワケワカメなんだけれども、レフティさんはフザケている訳ではなさそうなので、とりあえず様子見することに。


一時的に塞がれた口もすぐに開放されたけれど、レフティさんたら一体全体どういうつもりなんだろう。


こんな事をするならさっき2人きりになった時に事前に説明して欲しかったよ。打ち合わせは大事だよ?ホウレンソウ大事だよ?報告(ホウ)連絡(レン)相談(ソウ)だよ?


「1度しか言わないから耳をかっぽじってよーく聞いとくれ」


3人は食いついてるけど、オースオグナくんはイマイチ話についていけてないのかポカンとしたまま何となく話を聞いている感じ。


コウチンさんとビャッコくんは、あ、コレ、話を聞く気ないな。まあ、そんなもんだよね。


っと、私は一応ちゃんと聞かないと。口裏合わせ出来なくなっちゃう。


「この近くにあるマックドゥの森には神様がいらっしゃるという話は聞いたことあるべ?モナちゃんはな、その神様がな、このロッテリーの街に次々起こる事件とかをな、起これば解決出来るようにと、この地に遣わしたのが、モナちゃんなんだべ。今まで使徒としての力がほとんど使えなかったんだけんど、今日、この祭りに乗じて神様が神殿でモナちゃんの力を開放したらしいべ。んだからな、本来、8歳の祝福を受けんことには安定出来ない魔法の類が色々と使えるようになった。そう、モナちゃんの力とアタイらの力を合わせれば、このネズミ大発生の状況を単にモンスター駆逐のみで完結することだけでなく、問題の根本的解決を導き出してくれるんだべ。ええか?普通に騎士団だけを動かしたら、ネズミモンスターを退治して、辺りを探索し、根本的解決までに通常なら人員をかなり動員しても軽く1週間はかかるはずだべ。んだけど、神様から力を開放されたモナちゃんの力を借りれば、明日の昼までには解決するはずだべ。どうしてわかるか?モナちゃんの力は神様の使徒の力だからだべ。」


説明になってるような、なってないような・・・?ゴリ押し感が否めない。


「まてまてまて、力が開放されたというのは、信じるとしよう。でも神様の使徒って眉唾ものだし、小さい頃から魔法やスキルが発現するのはモナちゃんだけじゃなくってもたまにいるだろう?例えそれが有用なものであっても5歳の子供に頼らないといけないことなのか?“使徒様ごっこ”なんて誰でも子供の頃1度はやるだろう?」


1度はやるの?“使徒様ごっこ”。なんだろう、ヒーローごっこみたいなものかな“使徒様ごっこ”。


「カメーリャ、忘れたんけ?」


「な、なにがだ?」


レフティさんが指でスイッスイッとスマホ弄るような動きを空中でやって見せてる。なんだろうこの動き?


「レフティ、この動きは大昔のゆう・・・ハッ!?ま、まさか!?大昔の勇者様と言われていた、伝説の人もまた!?」


「そうだべ!勇者様も使徒様だったんだべ」


・・・・えーーーと??ついていけてないんだけど?どゆこと?


勇者?え?なにこの世界、勇者とかいたの?使徒もいたの?だから私もってこと?


というかユーグリッドさんもスイッスイッってやりながら考え事してる。


「なあ、ババア。この動きって、まさか。」


「覚えとるか?」


「そうなのか!?え!?本物だったのか!?」


「そう、モナちゃんが初めてアタイ達にあった時、勇者のモノマネをしてたんじゃないべ」


「え、嬢ちゃん、まさか、伝説の、『すていたすおおぷん』が出来るのか!?!?」


なんですって??





次回は、8日予定です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ