表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/463

第38話

誤字報告ありがとうございます


(ゝω・´★)




「アタイらが店を構える前はこの街は“獣人の街”って呼ばれるくらいいろんな種族がいたってのに、いつの間にやら人も動物も獣人もこの街からどんどん居なくなっていっていたべ。」


「んだな。むっかしは色々合ったからなぁ。」


「昔どんなことがあったの?」


「「「色々だ」べ」」


「えー、知りたい。ユーグリッドさんも知ってるんでしょ?」


「この3人と違って書面上知ってるだけだな。詳しくは知らん。」


「むぅ。」


ほっぺをプリッと膨らませたけど、誰も話してはくれないようだ。プリプリちいちゃんならぬプリプリモナちゃんはなかなか珍しいぞ?ちぇー。


ほらほら可愛い幼女がプリプリ怒って昔を気になってますよ?とやってるが、私も大概分かりやすいらしい。なんか笑われているんですけど。プリプリするのは止めた。スンッ。


「んだら、モナちゃんを避難所に連れてくってんなら、アタシらももぢろん行くべ。そだな、炊き出しー・・とか手伝うべ。んな?いいよなーぁ?」


「そーだなぁ。ウヂのともだち食堂の客は避難の手伝いとかしとるの多いみたいだかんな。明日店の方縮小開店にすれば問題ないと思うで。請け負わせてくれろ。」


縮小て。そっちもこっちもやるのか。バイタリティーぱないですね。私はどっちかしか無理ですん。ゲフン。5歳だもの。


「そ、れは、大歓迎なんですが」


「ん?」


「もう一度部屋に戻ります?」


「明日来るなら一応書類作っておかねぇとなんだわ。」


あはははは・・・渇いた笑いが出たのは無理もない。書類いつやるの?今でしょ!








移動している獣人・生来の動物の熊、合わせて約500体を3組に分けて移動していた。生来の熊までもが大人しく従っていたのは言うまでもなく、獣人が説得したからである。


その流れの中に1対の親子がいた。母親は見当たらず父と子のみだった。親は人間にとても近い形の獣人で、子供の方はほぼ生来の熊と大差ないような小熊で、つたないながらも二足歩行をしていた。


手と手を取り合って避難所である公園に向かっていた。


「とおちゃん」


「これから行くところは昨日と違って静かだそうだ。トウシャも気に入る。」


「きにいりゅ?」


「気に入るさ。アイツらも手を出せないさ。」


「とおちゃんが、ダイジョブなりゃ、(おりぇ)はニコニコ。とおちゃんからは、はなれにゃい」


「そうか、それなら父ちゃんも安心だ。いいか?余計な事は絶対言ってはならないぞ?父ちゃんと離ればなれになるからな。」


「わかってりゅ。とうちゃんを、ずっとぎゅーっとすりゅもん。」


「こっちおいで。」


「うぃ。」


手を離して親はトウシャと呼ばれた小熊を抱っこした。まだもう少し歩き続けるらしい。


「ヨコシャルはどこだ?」


「ここにいる」


「トウシャもいるな。良かった。」


「どうした?」


「実は猿達がな」


トウシャの父ちゃんであるヨコシャル達大人がトウシャにはわからない難しい話をし始めた。その歩き続ける足元に白い猫がチラチラとまとわりついてきていた。


「とうちゃん。ねこ。」


トウシャの声は大人同士の話を遮らない程度に小さかった為ヨコシャル達には一切聞こえなかった。


『聞こえるかニャ?』


「こえ・・・」


『黙って聞け』


『うぃ。あっこえださなくても、アタマに(おりぇ)のこえもヒビク。おもしろい。んふふっ。』


『・・・・まあいい。』


『きみ(おりぇ)とおなじ?とうちゃんたちとニオイちがう。おなじ?(おりぇ)とおなじ、もんすたーなの?ニオイとってもとっても似てるね。ねこなにゃのに。』


『お前を助けるニャ』


『なんで?』


『猿に一矢報いるのは俺様だからだニャ』


『いっしむくいる?』


『大人しくしていればその隣の男とずっと一緒にいれるぞ?ウニャァァオ』


「ずっといっしょがいい!」


「どうしたトウシャ」


「あのにぇ、ねこさんがね、守ってくれるんだって」


「猫?どこにいるんだ?」


「ありぇ?うーん?ありぇりぇ?いないねぇ?」


「眠いのかもな。背中トントンしてやるから寝ろ。」


「だいじょぶ。ねむくない。」


「いいから寝てしまえ。明日は猿と戦争起こすから寝る時間が少なくなるかもしれないからな。昼寝も夜もいっぱい寝とけ。」


「おい、ヨコシャル!子供に話すな。」


ヨコシャルの友人が少し怒りをあらわにした。


「せんそーってなぁに?」


「ああもう。」


「秘密の言葉だよ。だから誰にもいっちゃイケないぞ?」


「ヒミツはだいじ。いわない。やくそく。」


「ホラな。俺の子だ。しっかりしてるだろ?」


「ああもう。」







遠くに熊達が見えた。


「着いたみたいだなぁ。熊。」


「んだな。んじゃ、レフティ。テンクウの首輪よろしく頼むべ」


「えー、ミギィさんもお買い物してから帰ろうよ~」


「リアカーが邪魔だし明日んこと皆に説明せんといかんから。残念だけど帰るベ。」


「ワンッ」


「テンクウも大人しくしとってよぉ。んでねぇと、モナちゃんと一緒に入れなぐなっちまうがらな」


「ワフッワフッ!」


「さって、ミギィも見送ったし買い物ちゃっちゃか済ましてアタイ達も帰らんとな。昼の営業はじまっちまうべ。」


「うん!」


この時私は明日、熊と猿の抗争が起きるなんてことは全く持って知らなかったのである。


ハト『我の出番は!?公園であろ!?』


モナ「残念ながら、当分ないよ!」


ハト『前も当分ないって言われたままだったハズ・・・』


モナ「ご、ごめんね!元気出して!!そのうち出るから!」

(いつ出るのかは知らないけど!)


ハト:遠い目。




また次回!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ