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私はテイマーではありません~ナゼか周りにもふもふがいっぱいな件~  作者: 沖宮途良
第3章

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第368話

半分本気半分冗談とはよく言ったもので、レフティは別段モナに大して不誠実に対応したつもりはない。だから、ここで話は終わることなどなく、次に進んだ。


「ところでユーグリッドはアタイに何のようだか知っとるか?」


「多分、私を疑っているみたいだから、この騒動の主犯もしくは主犯格とつながってる重要人物かもって話だと思うよ。」


「誰が?」


「私が。」


「はあ??モナちゃんが主犯格ぅ!?馬鹿かアイツは!?」


「でもほら、私異世界から来たから、だからほら。疑わしくてもしょうがないかなって。」


半ば諦めモード。


「何言ってるべ。異世界からきたってのはわかるけれど、それにしちゃそこに繋がるにしては根拠が見えないべ?・・・うーん?なんかやらかしたんか?」


「うっ」


あう・・・・。多分さっきのあれだよなぁ。


「実はね」


かくかくしかじか (ユーグリッドがどこかの地下にいてそこから引きずり出した話)


「あっきれた。命の恩人と思いこそすれ・・・・ん?その場所ってさっきユーグリッドが言ってたダンジョンってことかい?じゃああいつじゃあなくてもモナちゃんが案内できるってことだべか?」


「それが場所がイマイチわからなくて」


「んん??」


レフティさんに分かりやすいように手振り身振りでワチャワチャしてみたけど、伝わるだろうか。わちゃちゃちゃー。


「私専用のスキルを使用して場所から場所にこう、パッとばいーんっと瞬間的に移動しちゃってて、場所がわかるようなものがなんにもわからなくって。その、ごめんなさい」


私がもっと自身の魔法とかスキルとかを使いこなせていたなら、すぐにあの場所に行けたかもしれないけれど、どうにもできない。謝るしかない気がして、頭を軽く下げた。ペコ。


「何、謝っとるべ。んなのモナちゃんが謝ることぁないべ。ええか?アイツが悪い!」


ワンピースのルフィ並みのドーーーンという効果音を背負ってそうなほど、堂々としたレフティさん。


ええ。(ドン引きの半分ぐらいなので半引きのうめき。)


「でもほらユーグリッドさんも夜中に連れ去られたっていうから不可抗力・・・」


「モナちゃん、甘いべ。甘すぎる。甘々で、歯が溶けるくらいに甘いべ」


溶けるの!?こわっ。甘いと言ったらキャラメルが食べたくなってきた。って今は関係ないからキャラメルのことは忘れよう。


「?どのへんが甘いの?」


「大体アイツは騎士団の副長とかいう偉い(えんらい)立場だべ。強さも、まあ、アタイらに比べたらまだまだひよっこだけんども、悪くないはずなのに、人を助けるべくして修行なり訓練なりしてきたはずだべ。緊急の対処もだな。できて当たり前、出来なきゃ下っ端に越される、そういう職場のはずだべ。なんに、捕まった?閉じ込められた?今までが遊びだったのか?厳しい事を言ってるかもしれんが、騎士団っちゅうのはそういう場所だべ。今回のこの騒動が終結したなら、ユーグリッドは何かしらの処分を受けると思うべ。鍛え直しって、な。」


き、厳しすぎない?ま、まじかー。


でもそうか、本当にそれが騎士団の基本的概念としてのルールなのなら、私のごめんなさい云々は本当に甘々だ。


そういえばバラエティ番組の自衛隊密着!みたいな特集のやつとかも、かなりタイトに毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日繰り返し繰り返し厳しい訓練をしているシーンだらけだった。


私は“田舎の警察の駐在さん”ぐらいの感覚で騎士団の人達を見ていた。


だってほら、両津勘吉みたいながに股走りするようなオジサンがミギィさんとレフティさんの「ともだち食堂」に来て食事したりしてるんだよ。


いろんな人が食堂にきて毎日平和過ぎてほっこりものだよ?スローライフだよ?そんな騎士団の人達しか目の当たりにしてなかったんだから、勘違いしちゃうのも無理ないよね。無理ないと言ってくれ。うん、しょうがなし!自己完結!


「ん、わかったべ?」


「うん。わかった。たぶん」


「ナハハハハ!たぶんな。まあ、そっだらもんだべ!」


レフティさんの笑い方がいつもと少し違う。


「んーー、しっがし、どうすっかな。そのダンジョンをどうにかしない限り今回のネズミ騒動は終わらない気がするべ。あ!ナエか!ナエはえっとミギィが探しとったな。ミギィと連絡とらんとどうにもならんか?あとはあの医者夫婦と、どうせならあんのバカオヤジ共と、アレの店の商品持ってきてもらって沈静化できねぇか聞いてみてもええな。んしたら、まずは1回呼び戻して、コウチン達にアレのとこ行ってもらって、騎士団の誰かに医者夫婦ん所の行ってもらって、あとはーーー・・・」


レフティさんが急に閃いてブツブツ言い始めた。


「?」


レフティさんがアレって言ってる人物ってテンクウちゃん達の首輪買った所の店主のオバチャンの事だよね、たぶん。あの店から何を持ってくるつもりなんだろう?


「にゃーに、やってるんだにゃ」


声がしたので足元をふと見ると真っ白い猫がそこにいた。


「ビャッコくん!」


はわわわわ!って体がだいぶ汚れていますな。


「コウチンのヤツから聞いたニャ。レフティには話したんだって?」


あ、いや、待って!まだみんなが実はモンスターだってことはまだ話してないよ!!勝手にペラペラと喋ってたりしたら・・・


あっ驚愕っぽい顔をしたレフティさんがこっちガン見したまま固まって・・・、固まって、る??


「モナちゃん!!!」


「ふぇあはい!?」


私やっちゃいましたか?って顔でこっち見てるビャッコくんは可愛いなぁ!(現実逃避ヤッター)


「なんっっっていいところに、良い奴を連れてるんだべ!!!」


あれっ??なんかレフティさんの驚きのベクトルが違う気がする。


「ビャッコがいれば百人力、いや、百ニャン力だべーーーーー!!!ひゃっはい!!!」


ひゃくにゃんりきってなんでしょね???


レフティさんの今後の方針がとりあえずまずは重要人物への接触のための人海戦術作戦を考えていたところに、ベストタイミングでやってきたビャッコは、猫の手も借りたかったレフティにとって神の采配!と言いたくなるくらいドンピシャリな人選ならぬモンスター選であったのだ。


まだそんな事を理解しきれていないモナとビャッコは、急にテンションが跳ね上がったレフティを、ぽかーーんと見つめるしか無かったのだった。


「まじでナンにゃこれ」


久しぶりに栄養ドリンクにお世話になりました。あーーー、疲れている時の栄養ドリンクが美味しすぎてやばい。疲れているからこそのうまみ。あああ。魂出そう。





次回は20日予定です。


今年も本作品は終わらなそうです。作者が不甲斐ないばっかりに。





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