第357話
前話のアンドレとフテゥーロの悲鳴からスタートだよ☆きらぼしっ
ぎゃーーーー!?
「ん??」
「どうした嬢ちゃん」
モナが何かが聞こえたと後ろを振り向くも、辺りに何かが見えるわけでもない。
「今、悲鳴みたいの聞こえなかった?」
「んなもん聞こえたら警戒態勢取るぜ?獣人の方の俺のが耳がいいんだからな。」
「そりゃそうか。」
当たり前田のクラッカー。人間よりも耳も鼻も獣人のほうがいいに決まっている。足だって速いし、体格だって大きいし、声だって目つきだって。
「改めて、コワ・・・」
「あ”??」
今更ながらイカツイよね。ついつい口に出てしまったから睨まれてしまった。睨むな、睨むな。ステイステイ。
「それとも何か?また嬢ちゃんの変なスキルとかで変な音でも拾って聞いたのか?」
「んー、そんなんじゃないんだよねぇ。」
なんかこう、聞き覚えのある悲鳴のような・・・えっこの世界に来て幽霊系の声でも聞こえるようになっちゃったとかない、ないよねねね?貞子とか苦手なんだよ。
たまに見たくなっちゃうけど、怖いもの見たさってやつでさ、本当は怖くてしょうがないんだよ?え?スズちゃん?あの子は幽霊だった時も今も変わらずスズメナンバーワンの可愛さを誇るから幽霊とは別物なんだよ。
「・・・・気のせい気のせい!あっはっは。」
「まあ、嬢ちゃんが言うなら深く聞きゃあしないが、またなんかあったら言えよ。医者紹介してやっから。」
もっと優しい声をかけられないのか。クマめぇ・・・。
「っとふざけてる間に着いたな」
くまのふざけ太郎の体格が大きくて前が見えんわい。ユーグリッドさんの横に並ぶように移動するとユーグリッドさんの腕が私を持ち上げた。軽々と掬うように子供を肩に乗せるように、って私5歳の姿だった。子供だわ。
眼前には騎士団の祭りの警備用の詰め所のテントが見えた。辺りにネズミはいないようだ。いや、きっと駆除した後なのだろう。
動き回っている騎士団の人達がちらほらいる。角材持った私服姿の熊獣人の大男が、突如現れたからか、私達が近づいたらみんながこっちを固まって見てきた。うぉっふ。変な緊張感が、あわあわわわ。
私の手に力が入ってしまったのがユーグリッドさんにはわかったようで、小声で「安心しな」とか言ってくる。めっっっちゃ、安心感ハンパない。なんだこのクマ。おのれ。イカツイ、イケくま。
「ゆーーーーぐりっどーさーーーーーーーんんんん」
ズドドシュバァァァ・・・・!!!と謎の音を上げて走って来たのは、ユーグリッドさんの隣にいつもいた、お馴染みのこの方。クリストファー・ロビンさん。・・・・・はっ!?思い出した。
クリストファーロビンってプーさんだ。プーさんに出てくる少年だ!そうだった。そうだった。思い出した。・・・・・・・じっ。えっ、じゃあユーグリッドさんがプーさん?に、似合わなすぎる。(当てはめ妄想でっち上げプレイ)くまのプーさんは戦ったりしない。謝れ。ユーグリッドさん、謝れ。おのれ。
とか、斜め上の勝手な想像補完して遊んでいたらクリストファーさんが泣き出した。
「ずいぶん探したんですよ。朝から、行方不明だなんて、一体何してたんですが」
声がうわずってる割に、育ちの良さがカバーしすぎて普通に聞き取れる。泣きながらの言葉に聞こえないクリストファークオリティー。
この2人は本当に相棒なんだろうな。
2人の姿を見てなんだかしみじみしていた。だって、今まで見てきた2人の行動とか、先輩後輩的なものも含めて、いいコンビだなと安心して見ていられる何かがある。
いいな。
つい、口に出そうになった。
テンクウちゃん達に会いたい。ふわふわの毛に埋もれたい。フテゥーロちゃんはぽよぽよと宙を浮いているだろうか。ビャッコくんはツンツンした態度を取りながら近くに寄り添ってくれるだろうか。セイリューちゃんはお腹いっぱい月を浴びているだろうか。別れてそんなに経っていないのに、過去のことを思い返していた時間がとっても長く感じたから、親御さんに引き渡したのが1年以上前に感じてしまう。トウシャくんはお父さんと一緒かな。小熊ちゃん達のところでは会えなかったけれど、あの子の肉球、今更だけど触りたい。次会えたら触っていいか聞いてみよう。うん。ミギィさん達のお家に置いてきた火山ウサギのリクゴウくんは今頃寝息でもたてているだろうか。オオカミのコウチンさんは今何をしているだろう。不器用過ぎるオオカミなコウチンさんは憎めないんだよなぁ。キジンさん達はキジンさん達で独自のお祭りやるってそういえば言ってたよね。楽しんでるかなぁ・・・・これだけネズミが発生してるんだから、もしかしてもしかすると、中止しているかも??
・・・・・・いやいやいや、キジンさん達だもん。怪我とかないよ。あれだけ逃げるのが得意なタヌキたちだ。ポコポン、ぽっぽんと、助かっているはず。
段々と気持ちが変な想像で沈んでいきそうになったそんな時唐突にデカい音がした。
ぐきゅるるるるるるるるるるるる
なんという、すべての空気を破壊する音。気が抜けるような、どこでも聞いた覚えのあるお腹から響く音。
「いやいやいや、お腹空きすぎでしょ」
「すまん。」
ユーグリッドさんのお腹は朝も昼も抜いていたんだぞー!なんか食わせろー!と轟音を鳴らし続けていた。
クリストファーさんが泣いてた目をこすりながら爆笑しているのをみて、ユーグリッドさんが死ぬかもしれない今日をどうにか乗り越えてやろうと心に刻んだ。
私が死んだ未来に居なかった人達がこの先何をし、どう生きるかなんてわからないけれど、
まずは腹ごしらえですね!!私もついでにご相伴に預かることになったのは言うまでもない。(だって未だにユーグリッドさんに抱えられて逃げるすべもない。)
次回はちょっと間を空けたいと思います。すみません。次回は更新した時が更新日です。
と、間を空けてしまう前に1言、二言、三言。
誤字脱字報告ありがとうございます〜〜!なんかいっぱい届いてた。あざます。ペコリーヌ。
あとあと、
ご愛読していただいている皆々様、こんな趣味でちまちまかいているやつを読んでいただき誠に、真に、ありがとうございます。
最近こういうありがとうって文面書いてないなぁって急に思い出したので、書きました。思い立ったが吉日ですのんで。のんのん。ういうい。
以前よりも更新頻度が夜中になりがちなのが、大分話数が増えてしまって、色々と書いたことを回収したりとメモとかを見ながら作成するがために、仕事が終わってから書いたりしています。
思いついたらすぐ投稿!が出来るストーリーじゃ今のところちょっと違うので、毎日更新とかに戻したい気持ちも無くはないのですが、いかんせん上手くいきません。ストックなんてだいぶ前からないから、その日その日に打ち込んでるのが現状。
ちょっとスローペースな更新かもしれませんし、なんかもう話があっちいきこっちいき、してて読みづらいかもです。ごめんなさい。もうちょっと精進したいです。できそうにないけど。ううん。
あと、もう少し触れ合いふわモコシーンが欲しい。飢えてるのに書けるシーンにならねぇ!!今回のテンクウちゃんに埋もれたいとかトウシャくんの肉球触らしてほしいって書くのが精一杯状態。
そのうちのほほんに戻ると思うけどまだもうちょっと、モナの四苦八苦VSネズミの大群にお付き合いください。ひーーん。
ではまた次回!またね!




