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第351話

また間に合わなかった!すみませんぬ

その頃、とある場所では冒険者達とロッテリーの領主様とお祭りに来ていた劇団員の人達が溢れたネズミ駆除に奔走していた。


「もうホントむーりーーー!私領主やめるぅぅ、ひぃん!」


「オッサンが泣きごと言ってんじゃねー!」


「シャケノミー!落ち着いて、ドウドウ!あっメルト足蹴り!良いぞ!どんどんその鹿の足で蹴って蹴って蹴りまくれー!」


「ドウドウっておりゃ、馬か牛か!?」


「ドウドウ!落ち着いたら人間に戻れマチュからねー!?」


「ふざけやがって!!ヒイカ!後で絶対酒奢らないと許さねぇからな!」


「もう許してない?ねえ、マジーニ?」


「気にしたら負けだー!どうでもいいから溢れたネズミどんどん退治しろぉー!ほらっそこ、君の前!」


「あわわわわ。氷魔法、アイスニードル!ネズミ素早い!あわわわわ。私達、旅する程度にしか戦闘力ないのですけれど!?」


「いけるいける!劇団員だけど冒険者より冒険者してるよ私達〜!あはははは!ヤケクソだーー!(涙目)」


「ちゃんと駆除しないと、昔のどっかの都市みたいに、ネズミから発生した病気発生しちゃうよーー?」


劇団員のひとりがサラッと言った一言は歴史で語り継がれる厄災のひとつとして知らない人がいない事象だった。というか、全員が全員、そういう事を考えないようにしていたのに、言われてしまってゾワリと背筋に恐怖が登りつめてきた。


「いやぁぁぁあぁ!!!それだけはご勘弁をぉぉぉぉ!!!!」


叫んだのはロッテリーの領主様だった。


「だーかーらー!オッサンが叫んでも聞きたくねーーーっつーーのーーーー!!ユウージオ!そいつ勝手にどっかいかないようにしとけよーー!」


「わかってるよー。このネズミ、ゾンビ並みにボコボコ出てくるんだけどどこから来てるのかなー?」











バリアを歌いながら張って頑張ってネズミを近寄らせないようにしていた小熊達も目に涙をこさえていた。


「もうつかれたぁ」

「うで、ぷるぷる」

「声がらがら」

「ちゅかれたぁ」

「バリアがぶるぶる」


歌わないとバリアが張れないのはわかっていたけれど、そろそろ体力の限界が来ていた。しかしそれをやめてしまうと、小熊達と同じ場所にいたお祭りのイベントのひとつに集まっていた他の子供達が小熊達の後ろに控えていた。


大人も数人いるけれど、泣き叫ぶ子供をなだめたり、時折ネズミを牽制するための攻撃を放ってくれはするけれど、小熊達と同じようなバリアを張れるような人はいないらしい。


バリアが無くなった瞬間に大惨事になりそうなことはそこにいる誰もが予感していた。


そこに突如デカい塊がが現れた。一瞬のうちにバーンとドーンとドシーーンと、まるで階段を3段飛ばしして間違って落っこちてしまったかのように、ドデーンと、なんだか巨大な丸い茶色いでっかいまりものような、物体が・・・・?と、小熊達は目をまん丸にして固まって見ていた。


その突如現れたそれは服を着ていて、それでいてもぞり、もぞり・・・。小熊達は気づいた。


「「「「「ゆーゆりっどーーーー!」」」」」


声が重なりすぎて音が割れてもはやユーグリッドという名前になっていないけれど、その目の前の現れたのは熊獣人のユーグリッドだった。


「たすけ!きたー!」

「かっくいー!」

「わーい!」


「んだよ?ん?どこだここ」


「あれ?着いたよね?およ?」


ユーグリッドの影からひとりの女の子がぴょっこり顔を出した。


「「「「「モニャーーーー!!!」」」」」


小熊達はユーグリッドを認識したときよりも歓喜して、バリアのことなんて忘れて突進した。モナという面白くて楽しくて素敵なおねえちゃんに突進した。ユーグリッドを見た時よりも、確信的に安心した。


モナがいればどうにかなる!モナがいれば、安心!


根拠なんてない。小熊達の単なる勘だった。確信的に核心から思う、自信満々な勘だった。


「おわっ!?みんな、無事?大丈夫?」


「「「「「あのねあのね!」」」」」


〈少々お待ちください〉

〜〜〜小熊達がモナにバリアを張ったり頑張って疲れたんだよと言うことを説明中〜〜〜

〈少々お待ちください〉


バリアが突如消えたけれど、モナとユーグリッドが現れて小熊達が騒ぎ出したせいかネズミ達も様子を伺っているようだった。


「なるほどなるほど。ピンチってわけだね」


モナはすぐに思いついてひとつ歌を歌い出した。


「♪がっかりしてめそめそして どうしたんだい 太陽みたいに笑う きみはどこだい ウォウウォウ♪やりたいことやったもん勝ち 青春なら つらいときはいつだって そばにいるから〜〜♪」


小熊達の手から力がみなぎってくる。『パワー』とか言いながらもう一度バリアを張るとできているようだった


「夢はでかくなけりゃ つまらないだろう♪ 胸をたたいて 冒険しよう (hey, hey)」


ユーグリッドがぽかんとしながら見ている。小熊達はだんだん楽しくなってモナの歌に合わせてお尻をぷりぷり踊りだした。バリアはどんどん強大になっていく。


「そうさ100%勇気もうがんばるしかないさ この世界中の元気抱きしめながら」


「「「「「へいへい!」」」」」


「そうさ100%勇気もうやりきるしかないさ ぼくたちが持てる輝き永遠に忘れないでね〜〜〜♪」


気づけば近くにいたネズミは全てどこかにいっていた。




「「「「「!!!モニャーーーー!大好きぃーーーー!」」」」」




小熊達はまたモナに突進していった。



明日というか、今日またもう1話更新します。


テンクウ「わかってた。そうなるってわかってたよ」


ビャッコ「あほらし」

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