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第36話

8月もよろしくおねがいします。



アンドレは遊んだあと帰っていった。草笛以外にもあと2つ遊びを教えた。今まで座学での勉学、外交関係での外遊、とかばっかりで友達自体作る気が無かったらしい。兄弟が多いのも考えものだ。


話相手が兄弟または大人だけでも生きていけた。まあ、子供なんだから間違っちゃいない。でもだからといってそれで自身の世界を狭いままにしていいわけはない。


“他の考えを持つ異物”は牙も持つけれど、時に自身を助ける強い槍となり矛となり盾にも変わりうる。遊びの中から学べることもある。


アンドレはとっても疲れたみたいだけれど、とっても笑顔だった。遊んだだけだけど良いことをしたのかもしれない。


考え事をしていたら、ミギィさんが目の前のドアをノックした。


「はいるべー?」


「どーぞぉ~」


「失礼します」


騎士の団長さんと初対面だ。


「よっ!レフティさん、ミギィさん、久しぶり。それと、お嬢ちゃんがモナちゃんだね?はじめまして。」


「今日の弁当届けたで。」


「はじめまして。」


「お、ユーグリッドも、おるでねぇか」


私の言葉がかき消えそうなくらい自由である。さすがおばちゃん。


「ま、ま。座って座って。」


ポーションについて私と同じ意見を持つ人。この砦の騎士団長さんは物腰やわらかそうな人だった。BLE●CHの京楽さんに似てる。いや、結構違う。髪もストレートでコケた金髪だから似てるのは顔つきだけだけども。こういうイケオジぽいの、好きだなぁ。


「獣人ってユーグリッドさんだけなんだね」


「まーな。」


「ハハハ。この街、昔と違ってそういう類いの人達みんな引っ越してしまったからね。しょうがないんだよ」


街に人が少なくなってるとかそういえば言ってた気がする。色んな種族見てみたいなぁ。残念無念また来年。残念な時の常套句ですが何か?


「窓にいるの君のワンちゃんかな?あれは、随分前に見たことあるな。確か。まあ、いいか。」


部屋は1階の為、部屋から見えるすぐ窓の外にテンクウちゃんが張り付いてた。来るときかけっこしてきたから少し満足げだ。


「テンクウちゃんー、お話終わったら帰るから、大人しく待っててね~~」


「ワンッ」


窓から離れてくれた。イイコめ!あとでワシワシしてあげなくては。


「さて。改めまして、僕の名はカメーリャ。このロッテリーの街の砦の騎士団長をしているよ。よろしくねモナちゃん。」


帝麻萌那(ていまもな)です。よろしくお願いします」


カメーリャ、カメ、亀仙●?カメーリャ、かめ、亀有?こ●亀?野暮だな。考えるのはよそう。京楽さんってことでいいや。←


「さて。早速で悪いんだが本題だ。拐われてきた君の調査なんだけれど、残念ながら今のところ手掛かりが無い。そこでもうちょっと情報が欲しくてね。」


改めてユーグリッドさんにも話した事をもう一度確認。追加で何を聞くかといえば、私が前にいた場所をもっと詳しくということだ。カメーリャさんには悪いけどこの世界にその場所は無い。ハズだ。だってステータスには異世界って出てたし。


言える限りのことをとにかく話した。


「ビルっていう建物がいっぱいある。人も建物も多いが首都や王都ではない。ほとんどの人が農家ではなく、販売もしくは事務形態の仕事をしている。って書けたか?」


「書けましたよ。」


今回はユーグリッドさんが書記代わりらしい。騎士さんこと、クリストファーさんはこの場にいないから必然的だ。


「うーん?なにか目印的な特徴のひとつでもあれば楽なんだけど。特産品とかってわからないかな」


「うーん?」


引っ越したばかりだったからなぁ。


「お肉とお芋・・・あとは、忘れちゃった」


「ヒントにすらならないか」


果物もあったと思うけどいまいちあやふやだ。苺かメロンが特産品の1個に入ってたと思うけど、でもまぁ、言ったところで異世界だからなー。


「ごめんなさい」


「ああ、いや、こちらこそすまないね。こちらももう少し頑張ってみるから、気を落とさないでね」


カメーリャさんには悪いけど本当に5歳という低年齢層で良かったと思ってしまう。ある程度覚えていなくてもまだ小さいからね。で済んでしまうが、大人ならそうはいかない。


誤魔化せば誤魔化すほど怪しまれる。私は嘘はあまり上手くないから、最初から本当の事を話さないとダメだろう。


ただ本当の事を喋ったところで信用されるのかはまた別の話だろうけど。


「気落ちはしていません。だって、隣にはミギィさんとレフティさんがいつも居てくれるから。」


「「モナちゃんっ」」


今まで沈黙していた2人はぎゅっと抱き締めてくれた。あったかい。


「聞きたいことは大体聞けた、かな。ユーグリッド。済まないのだけれど、レフティさんとミギィさんに今後について話したいんだ。モナちゃんと一緒にワンちゃんと外で待っていてくれないか」






モナ達の声が聞こえなくなるのを待って、話を再開した。


「さて、レフティさん、ミギィさん。今後についてとは言ったが大体は、まあ、この数日と変わらない。残ってもらったのはそれのことじゃあない。」


モナがテンクウと会えたようだ。3人のいる部屋の方に手を振っている。


「あの犬のこと。」


「テンクウか?」


「あの、僕もだいぶ前の記憶なので定かではないですすが、あれって確かモンスターじゃありませんでしたか?」


ゴールデン(黄金)ブレット(弾丸)ドッグ()だで。」


「知ってて?!」


「街に野良として住んどったけど、別段変なこたぁながったし、イイワンコだったで。なあ?」


「ああ。怪我してたけど助けたんに。モナちゃんに懐いててなぁ。もうウヂのワンコとして家にあげとるで。」


「お宅のワンちゃんになったんですか。え?モンスターですよ?」


「首輪もこの後買いにいくべよ。」


「あの、お二方。僕、一応騎士団長なんですよ。わかってて言ってます?モンスターは捕らえるなり討伐なりすることが街を守る人間としての義務。なんですけどねぇ。」


「テンクウを捕らえたりしだらアタシらは今後、砦関係の一切に関わりを経つと言わせてもらうからな。」


「ついでに言うと、ウヂの常連達にもあること無いこと言いまくってもイイがもなぁ。カメーリャが小さい頃からよーく知ってるアタイ達の言うことならみぃんな信じるで?」


「モンスターだよ!?」


「あったま固いと嫌われるで。」


「あーもう!本当に、本当に!?おとなしいワンちゃんなんですね!?」


「「間違いないで。」」


「あ、懐いてるってもしかして」


「ん?」


「モナちゃんってテイマーの素質を持っている子供の可能性がありますか?」


「あるかも知んねぇけど、まだ5歳だで。なんとも言えん。」


「だべ。8歳になって、で教会行って調べんとテイマーの素質があるのかわからんべ。」


「もし、有ったらどうします?」


「有ったとしても、ウヂらはモナちゃんを守るだけだで。」


部屋での話し合いはほぼ平行線のまま終わった。









ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ



そこには髪が白い人と、人間の子供サイズの白い塊のようなものがあった。


「あれぇおかしいな。んー」


「まだ?」


「ごめんね。映りが・・。まだ接続出来てないみたいだよ。」


「モナ、無事?」


「そうだね、まだ、4日目・・・あ、5日目か。まだそのくらいだから、元気だと思うよ。大人に戻って元の世界に戻れる力を取り戻していたらいいのだけれど。」


「早く見たい。早く。早く。モナ!テイマモナ!」


「ふう。見れなかったぶんは後で巻き戻して見ようね。」


「・・・まだ?」


「もう1日ぐらいかかるかもねぇ・・・」


「えーーーー」



ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ・・・・・・・・・・・・・・




モナが言ってるBLEA●Hの京楽さんに似てるのは顔だけです。そんなに似てない。喋り方が柔らかーなオジサンです。


カメーリャさんの名前。意味、椿。


椿三十郎って観たこと無いんだけどポスター画像だけでもカッコいいって分かる。すごいなぁ。黒澤明監督の方ね。


色んな意味を込めまして、な、カメーリャさんです。




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