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第333話

1日ずれました。すみませんぬ。

私がうつ伏せだったので体の向きを変えてくれたのはさんにんだった。


「み、んな?無事、だったの?」


仰向けになったので立っているみんなの顔が見えた。疲労困憊気味ではあるけれど、パンのさんにんはさっきの衝撃波にやられてはいなかったようだ。


いや、正確には衝撃波にやられて倒れたのは同じだけれど、回復が早かったのだろう。彼らも鼻血の跡が残っている。しかし、クプファーもアイゼンもズィルパーもピンピンしていた。さっきのうなり声は起きて立ち上がっていた声だっただけだったようだ。


「ほか。他のみんなは?無事なの?」


パンのさんにんは私の目の前に見えるけれど、他のみんなの声はしない。私はまだ体がうまく動かせないので詳しく状況把握するには聞くしかなかった。


「私も少しは動ける」


「テュルさん!」


「モナ、コレなら見えるよね」


ズィルパーが私の体を少し起こしてくれて簡単に状況が見えた。死んでいるものは居なかった。少し苦しみに悶えているようだけれど、それは私とておなじだから気にしないことにした。


クプファーとアイゼンが私の近くにみんなを集めてくれた。みんなも鼻血の跡が有った。蜘蛛隊の2匹はグレムリンのふわふわの毛の中に逃げ込んでいたようで、小さい体の割にはまだ軽症のようだった。


生きているだけで御の字だ。テュルさんは立っていたけれど、少しふらついた。


「ふう、クプファー達はスゴいな。私はやはりまだ少し体の調子が戻っていないようだ」


「無理しないで。俺達、実は進化したから無事だったんだ。」


「そうそう、進化のおかげ」


「モナのおかげ」


「心の臓が2個になったもんな」


「えっ」


猫が長生きすると命がいくつも増えて、最大9つの命を持つ、なんてことをなにかしらの物語の中で聞いたことはあったけれど、この世界ではモンスターにとっては、ままあることらしい。


そうでなくても、サテュロスにバフォメットは悪魔だし、牧神って名前の通り神に近いものになるわけで。命が増えるのは予想できたことだったようだ。しらんがな。


テュルさんはパンのさんにんのように命は2つにはなっていないけれど、シッポが増えていっているおかげでそのシッポで頭をガードしたらしい。とっさの機転というやつだ。


ほとんどはみんな疲労困憊してしまっていたけれど、唯一パンのさんにんの生き生きしている顔を見れたおかげかさっきとは打って変わって、心が落ち着いている。


「それじゃあ、倒してきますね」


「ーーえっ?」


「ほら、あっちにまだあのデッカいオークがしぶとく生きてますからね。もうすぐ立ち上がって俺達を害するから、その前に倒してきますね。」


パンのさんにんに今回戦ってもらっていたのは進化後の体の手馴しみたいなものだった。少ししたらテュルさんとサイショウくんと蜘蛛隊の追加がたくさん来て私と共にコスモオークを倒そうという流れだったはずだ。


なんせこの王都に来てからパンのさんにんはヤマーくんリヴァイくんシャタニくんの3人にパンのさんにんがひとりずつついて、パンのさんにんは下働きの手伝いを覚えていたから戦闘訓練はほとんどしていない。


でも今の状況で動けるのは、考えに反してパンのさんにんしかいない。


「「「行ってきます」」」


私はまた地面に寝かされた。さっきよりは体が楽になっていたらか、力を込めれば自分自身で体を起こすことが出来る。


行かないでと言う選択肢はなかった。元々倒すべき相手だからだ。


なぜか焦燥感が私を襲う。


でも本当にアレは起き上がるのだろうか?もう起き上がらないのでは?


なぜか鼓動が早鐘を鳴らす。


そうだ今更行かないでと言ってもいいだろうか。


どうしてか言い訳じみた事を考えたくなって仕方がない。


そろそろアンドレ君達が来るのでは?と思った。さっき避難所に送り返した騎士団達が戻ってきそうだとも思う。


心がざわめく。


パンのさんにんだけでデカいコスモオークを囲んだ。合せ技でもするのかさんにんとも両手をかざしている。よくわからない言語で詠唱のようなものを言っているのが聞こえる。パンの種族の言葉なのだろうか。今まで一緒にいたのに初めて聞いた。


「「「魔の黄昏(トワイライト)大三角(トライアングル)ゾーン」」」


コスモオークの上に巨大な黄金に輝く三角形の魔法陣が広がっていた


次回は21日予定です。




追記●編集済案件


「サキュバス」と「サテュロス」を書き間違えていました。正しくは「サテュロス」です。


サキュバスだと本当にただただエロい方になってしまう。しかもサテュロスは半獣人なのですがサキュバスだとコウモリ系な上に女性だから、名前にてるけど全然違う者になってしまう。性別すらも飛び越えてしまう失態・・・ぬぉぉ・・・間違えないようにします。私が作ったモンスターではなく、そういうモンスターがウィキペディアさんに存在していたので物語に使っています。まあ少しだけ似てる要素があるにはあるので、間違えたことは笑って許してください。次は間違え無いようにします。


●サテュロス●


モンスターのひとつの種族。角が大きな半獣人。音楽が好き。ドンチャン騒ぎが好き。お酒好き。女好き。真夏の夜の夢に出てくる妖精パックもこのモンスターの種族らしい。


●この「ナゼもふ」に出てくるサキュロスについて●


本来サキュロスはH好きで性欲がとっても強いという設定らしいのですが、んなことこの小説に組み込んじゃったら18禁待ったなし!になってしまうので、ここに出てくるサキュロスは「単なる女性好き!」に変更しています。


むしろ紳士側。エスコートしちゃう側。です。サキュロスについて読んでいて、脳内変換したら、「音楽とドンチャン騒ぎが好きな女好き」≒「イギリスロック的な男性」のイメージに個人的に思っています。


そういう場面を一切書いていないのですが・・・いやぁ書いちゃうと右に左に話がそれて行ってしまったので削除しました。それに書いちゃうと他のふたりのパンの牧神とバフォメットの良いところとかも書かなくちゃだし、そんなこと言ったら更新速度最近遅いのに、話が先に進まない・・・(切実)進まない。


長いのはわかっちゃいるんです。今後も端折れる所はバツバツと切って斬って切りまくって・・・でも私のこの物語は「セリフ主体」なので「状況説明のみ」にしない限りなかなか短くならないんですよね。悩ましい限りです。


おっと話がそれました。


まあサキュロスについてはそういう変更があると思ってください。バフォメットについても18禁にならない設定で考えてます。悪魔ってやつぁなんでこう性欲ばっかりなんや。まあいいけど。面白いから嫌いじゃないけど、このストーリーには残念ながら性欲までは要らない。





長くなってしまいましたが、ではまた次回。

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