表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私はテイマーではありません~ナゼか周りにもふもふがいっぱいな件~  作者: 沖宮途良
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

350/470

第331話

『少しは聞き及んでいたと思うけれど、主にあのアンドレに聞いて知ったこと、で、相違はないか?』


ーーーーーーーーーーー蜘蛛隊の子達からも少々。


『それなら概ね間違ったことは言っていないはず。そう、この時、会議の場は凍りつくような事態が起きていた。それは・・・・』










「なん、だ・・・!?どういうことだ!?なんとか言ってみせろ」


王族のうちの今日のパーティーに参加していた男は全て同じ部屋に集まっていた。同性でこの場にいないのは、車椅子の為に避難させられたディオだけだ。そしてその場には騎士団長と国を担う貴族が集まっていた。


女性は別室に待機しているためむさ苦しい男性のみ。そのむさ苦しい男性の集団、総勢約30名ほどがひとつの部屋に集い、全員が窓際のソレに釘付けになってしまっていた。


窓際のソレとは一見ただの鳥だった。たった1羽の鳥、そう、とても真っ白でとてもキレイなフクロウがそこにいた。そのフクロウは人の言葉を口にした。そして誰もが驚愕する言葉を吐いた。


「もう一度言おう。()()()は王家転覆を目論んでいる。(とら)えよ」


真っ白なフクロウの目線の先にはただ1人しかいなかった。黒髪の青年。第8王子にして、王位継承権第3位という、破格な称号を前の王様が与えた者、名を、アンドーレリユース。


声を上げたのはアンドレではなく、彼の一番上の兄であり、この国の現国王、アットリーム。その人だった。


「何を血迷ったことを。アンドレが王家転覆だと?その鳥はモンスターだ。人を混乱に導き人と人を争わせようと画策しているずる賢いモンスターだ。それこそそこのモンスターを(とら)えよ!!」


しかし誰ひとりとして真っ白なフクロウを捕まえようと動くものは現れなかった。皆とっくに困惑していた。そしてアンドレのことを良く知らない人間や、アンドレのことを上辺だけでしか見れない人間にとっては格好の餌食でしかなかった。


〈この者に押し付ければ全てどうにかなるだろう。〉


そう思わせる、何かがアンドレには昔からあった。そしてそれを知っている殆どの者がコソコソと画策した。アンドレには後ろ盾がほとんどなかった。前の国王が、生みの妃が、守ってくれていても見えない所で、聞こえない所で、幾度となく不測の事態が起こっていた。


だけれど、アンドレは一番上の兄が自分の味方になってくれるとは思ってもみなかった。アンドレにとって兄弟として仲の良いのは第6王子のディオールウェリス以外にはいないと思ってしまったからだ。


「いいえ、アトム王。この鳥の言うとこには聞捨てならない。その鳥の言うことがもし正しかったらどうするおつもりですか」


「どうとは」


「それは」


白いフクロウはすぐさま飛び去ろうとしていた。そこにカラスが飛来した。フクロウは突然の奇襲に驚いた。


飛び立とうとし、失敗するところを助けた者がいた。第4王子にして、双子の片割れ、アムシャアロ。彼はにこにことしながら発言した。


「アトム兄上、これは由々しき事態です。つまるところ現れたオークエンペラーらしきソイツをこの王城の裏手に引き寄せたのが、アンドレかもしれないということではないですか。それをお守りになるのですか?疑わしきは(とら)えて吐かせるべきでは?それともアトム兄上も実は共犯であったのてすか?」


通常なら単なる貴族ならば、不敬罪極まりない。しかし誰もそれを言えなかった。同じ兄弟同士の話し合いでしかなかったのだから。







アンドレは、この白いフクロウの発言により、犯人にされそうになる。


そんな騒ぎが別の場所で起きているとは知らずコスモオークの場に到着している 騎士団の者たちや 魔法使いたちは王子たちは何をしているんだと憤っていた。


まさかおじけづいて 戦いに赴かない 王家なのかと疑ってしまっているものが何人も 何人もいたのは仕方のないことだった。


結果論から言うと実は、双子が女神横竪(オウジュ)と、白いフクロウのタイインと繋がっていた。


そして王女のドキンに良い見世物があれば持ってきてほしいとパーティーの余興に頼んでいた。


ドキンは持ってきた余興のオークが、双子の手によって進化させられているとは思いもしなかったので、ドキンはそのオークが自身が連れてきたオークと同一のモンスターだとは知らないし気付きもしない。


ドキンは気づかなかったけれど、旦那はそのオークだと気付いた。なぜなら見世物用のオークには左腕の一部に熱印が付けられておりその熱印には通し番号が小さくついていたからだ。


コスモオークにはその通し番号がついていて旦那さんはそれをキチンと見ていた。ドキンはそういう数字などには弱いので気にしてすらいなかった。だから気づかなかった。








だけれど、そんなこと、誰も知る由もなく、アンドレは突然王家転覆を目論見、モンスターを引き入れた極悪人に仕立て上げられた。


唯一の味方をした現国王のアトムを前にしても、皆の目が、そうであって欲しいと一致してしまっていたからだ。その現象は今に始まったことではなかったけれど、そういう場でこそ、加速した。



ギリギリ更新で申し訳ない。


次回は15日予定です




アンドレくんは不運というか悲運と言うか、そういうのを持つ青年なのです。とだけ言っておく。


ちなみにどこかに書いたと思うのですが生みの親の妃さんは第1王妃から第4王妃までの4人おります。4人のオカン。この場にもいないけど。というか前王様もいないけど。


アトム兄上とアンドレの年の差自体が親子ぐらい離れているので、兄弟のような親子のような他人のような、不思議な関係ですが、アンドレのことをアトム兄上はちゃんと弟だと思っています。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ