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第324話

目の前に現れた夫婦はどちらも美形だ。太陽神と水神って言われたら私は信じそう、そんなご夫婦だ。見た目のイメージとしてはワイルド系イケオジとアニメ映画の人魚、もしくは動物に例えるならば、黒いライオン& キラキラした小魚。


魚に寄りがちなのは彼女が着ているドレスがマーメイドドレスと呼ばれる形の水色を着ているからそっちに引っ張られていると思われる。ふふっ。


ドキンの隣は バイキンマン か食パンマンかと思っていたけれど ホラーマンも捨てがたいよね。愛称がドキンって名前なかなかないよね。キティはどことなく聞くけれど。


というか、今更だけれど、王家のご家族みんなの愛称がことごとく日本のアニメキャラと酷似している不思議。いやいやいや、単に私が聞いたことあるなっていうだけで、詳しくは知らない名前もあったけれど、なんかこう、ここまで色々な名前があったら、もう、無にしかならないよね。うん。名前が似ているだけだ。ははっ。よし、忘れよう。話がそれにそれまくる。


「お兄様 こちらの方はもしや」


見た目通りというか、期待をさらに超えて言ったというか、こちらを見つめながら発する声はとてつもなく可愛い声だ。えっさっきお兄様ってディオさんに駆け寄った時より可愛いんだが?どういうこと。


ドキン様の声は、そう、鈴が鳴るような・・・・・すずちゃんではなく 、リンリンとなる丸っこいキーホルダーの鈴ではなく、ええと、何かで見たことある。


そうだ!鈴は鈴でもガムランボールだ!!ドラゴンボールじゃないよ。ガムランだよ。ガムラン。


どうぶつの森でおなじみのとたけけの、ケケ音楽のケケガムランの音を覚えている人はいるだろうか。そういう曲っぽい音が鈴から鳴るというのがガムランボール(鈴)だ。


このドキン様は存在感がガムランボール。ん?意味がわからない?私も言ってて意味わからないよ。


「まあ!まあ!とっても素敵だわ!歳の差は私たちもだけれど、お兄様とモナ様もとても素敵だわ!」


「ん?」


「え?」


「お?」


「んん???」


「どうしたの。皆様 。モナ様とわたくしがお友達になるのはいけないかしら」


お友達は別に構わないよ。それと、ドキン様とお相手の旦那様が年が離れてそうだなっていうのは見てすぐにわかる。しかしわからない。


確か、私はドキン様と同い年ではないよ??ん?私の事を見つめるその可愛さは私と友達になれると踏んでのその可愛い顔と声をしてみせたのかな?え?余計に可愛いんだが。


「ドキン。モナは私と近い歳ですよ」


ディオさんが正しい情報をお伝えした。ほらね。夢見る少女じゃいられないんだよ。現実を知ったらキラキラうふふオーラがきっとなくなる。・・・おや?


「いやいや まさか。・・・お兄様。そうお兄様!もしや外聞を気にしておられるのですわね!ご安心なさいませ。お兄様を笑ったりなどいたしません わ!わかっております。分かっておりますとも。愛ゆえに!」


いやいやいや、わかってくれてなかった。Oh No。なんだろう。めっちゃポジティブガール。


「・・・・」


「・・・」


「・・・・」


みんなどう返答して良いのか困ってるよ!!ですよね!


「あの」


「はいモナ様」


「28です」


「え?」


27 だったけど ここの土地にいて 28になったモナですよ


「同い年とディオさんは仰っしゃってくださいましたが ディオさんより1つ年上です」


「ふええええええ!?!?」


ドキン 姫は困惑した。困惑させてごめんね。ってそんなに困惑することもないと思うのだけれど。


「髪は少し ガサついていますが」


日本で茶髪に染めたからだね 。あとこの世界のシャンプー は現代と違って 方法が ホホバオイルとかローヤルゼリーとか配合されたりとかしてないからね。


「お肌は すべすべ、つるつる。くちびるだってプルプル。ええ、ええ、それに このドレスは若い子の間で流行っているものですが似合いすぎですわ?どうなっていらっしゃいますの?」


「そうでしょう !デザイナーたちがモナに似合うものを着るのが真理と言っていたからね」


ドヤァじゃないんだよ!ディオさんっっ!


「さすがですわ!!」


じゃないんだよォ! ドキン様ァ!


ってつまりあれか。これはもしや日本人は数歳若く見られがちっていう現象か。今更ながら思い出したよ。そういう事面と向かって言ってきたの今回が初めての経験だからなかなかそこにだどりつかなかったよ。


ドキン様は結局私と仲良くなりたくて来てくれたらしく、本日の2次会のお茶会にご招待してくれた。まじかね。コレもいい経験だから是非参加させてもらおう。


「あら、あちらから呼ばれてしまいましたわ。お話、少しだけですが出来て嬉しかったですわ。お茶会の知らせは侍女から伝えさせますので、またその時にお喋りさせて頂きたく存じますわ。ごめん遊ばせ。」


ドキン様にお付きの人が耳打ちしてきたかと思うと、ドキンちゃんご夫婦はすぐにこの場から離れた。隣国から来たということはこの場では外交のお仕事をしに来ているということに他ならない。可愛いものが見れて少し楽しかった。


と、ドキン様達がはけるのを待っていたかと言うようにして、また別のカップルが挨拶に来た。おおう。このカップルがいなくなったら、今度は御夫婦。ううん。そっか。なるほど。


とか話していたら立食用の食事がいつの間にやら並んでいたらしく、たまに挨拶そっちのけで食事に向かう貴族もチラホラ。そうだよね。昼過ぎだからお腹すいたよね。騒いでいた貴族の子供達も食事に夢中なのが多いようだ。


私も食べたいなー。何故か途切れない、人、人、人。やたらと心配ですわって心配してくれる人とか、遠回しに婚約者降りろって言ってくる人には驚くよね。


・・・ってまた第1宰相様が、壇上に立っちゃったよ!眠くなる前に表彰式するって?そうですね。眠くなる前にという配慮は良いことです!


騎士団が上げた功績から始まって、貴族の中でも収益が上がっている場所を讃えたり、一般人だけど国の為に大きく貢献すると貴族籍をもらえたりと、結構な方々が王様からお褒め頂いていた。


あれ?王様の立つ壇上の下の方になんかこう、見覚えのあるものが・・・・。そんな事を考えていたら、せっかくのパーティーを台無しにする報告が大きな声でホールに響き渡った。


「皆様!非常事態でございます。こちらに、特殊個体の巨大なオークが進行しております。騎士団の指示に従い、静かに避難を始めるよう願います!」


なんかめちゃくちゃでっかいオークらしく、叫んだ男は顔面蒼白で足がブルブルと震え今にも腰が砕け落ちそうだった。


オークかー。特殊個体ってどんなのだろう。騎士団さん達は素早く動き始めた。ディオさんと私と車椅子を押してるリヴァイくんはお年寄りや子供の多い方へと誘導されてついていくしかなかった。


「スズちゃん、お願い。みんなを部屋から呼んできて。」


ディオさんがコッソリ言うには、このあと騎士団と王家直属の魔法部隊がオークを退治する予定らしいけれど、ザックリした見立てだと、私は仲間と合わせてかなりの戦力になるはずだと言われた。


伊達にロッテリーの館でみんなで修行してないよ。最近あまりしてなかったけれど。


あと騎士団や魔法部隊が特殊個体オークをすぐに倒したら出番はないけれど、無いなら無いで私的には問題はない。


避難場所に着くとそこから丁度外が見えた。どんなオークかな。


「あれは、オークエンペラーだ」


「いいや、形が少し違うだろう」


「エンペラーの特殊個体ということでしょうか」


「しかし、少し似ているとかそういうレベルのものではなく、エンペラーっぽく見えるけれど、全く全然違う何かだと認識している」


謎の会話が聞こえてくる。王様の壇上の下の方にいた蜘蛛隊のロホがシュパッと飛んでスズちゃんの定位置を乗っ取った。


なになに?え?エンペラーの上の個体?絵本とか古代の教科書に載るくらい大昔に観測されて以来、見かけたことがなかった、それは、エンペラーの上の?


今日私は死ぬのかと思った。


ていうか、コスモオークってなんぞ!?







次回は15日予定です

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