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第33話

テンクウ「ブックマークがいっぱい!ありがとう!えっとぉ、89件!?すごいね!」


セイリュー「きゅーーーんっっ!」


テンクウ「セイリューも興奮してる!」


セイリュー「きゅーん!キュンキュン!キュンキュン!」


テンクウ「そうだね!目指せブクマ100件!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



一旦退場しといてすぐ登場。その名はアンドレ。


ハァイ〉( ・∀・)ノヘーベ●ハウス

夜も深まり(フクロウ)がさえずる。そこはアンドレこと第8王子が現在療養として使用している館であった。その1角にリネアの寝室があった。ぐっすりと眠っているように見えた彼女の元へ、忍び寄る者がいた。


「まだまだ気配が消しきれていませんわ」


「貴様、起きていたのか!」


臨戦態勢を整えつつ忍び込んだものは後ずさった。


「・・・一応寝ていたのですけれど、あまりにも近づいて来るので起きてしまいましたわ」


そんな忍び込んだ者をしり目にリネア自身は上半身を起こしたもののベッドからは抜け出す気配がない。


「暗殺依頼が来ているのよ。あなたには死んでもらうわ」


「もう起きてしまったし、あなたを見つけてしまったので暗殺とは言えない気もしますが、まあやって見せて下さいませ?ふぁぁ」


リネアのあくびが出たと同時に忍び込んだ者は空中を舞った。そして刺しやすい腹、致死の胸、即死の首、を狙った。しかし。全ての攻撃が何故か無かったことになっていた。


「は?」


「槍ぐらいどうにか出来るメイドですわ。」


「ん?」


「没落させられた公爵家の小さかった生き残り令嬢が今まで暗殺をされなかったとでもお思いで?」


「な?!」


「毒を食らい虫を食らい土を食らう人生を味わったことがおありで?わたくしはもう公爵令嬢ではなく、致死を生き延びた、いちメイドですわ。」


「え?」


「戦闘訓練だってしていましてよ。」


「・・・・それはもうメイドではないのでは?」


「そういう情報を前もって集めるのは基本中の基本。貴女、暗殺者としては初心者かしら?」


「ぐっ・・・そうだ。暗殺者としては初依頼だ。だがどうだと言うんだ。追いつめられているのはお前の方だぞ。武器も持たないお前が・・・。ん?さっきどうやって攻撃を無効化させたんだ?」


「まあまあ、ようやく気づいたのですね。では、ごきげんよう。お眠りなさい。」


あっという間に暗殺者の彼女は床に倒れ気絶していたのだった。


ガッチョンガッチョンと気絶した暗殺者が持っていた武器を抜き取りは落とし、そして抜き取りはその場に落とした。雑な扱いをしてもカケたりする様子もない。


「初心者にしてはいい武器を持っていますわね。全部貰ってしまいましょう。この館に牢屋みたいなものはありましたかしら。えーと、お姫様だっこでいいかしら?」


リネアは、せっかくあてがわれた自室の部屋が汚れるのが嫌だったのと、簡単に首謀者を吐きそうだったので暗殺者は生かされることとなった。


「王子の方は・・・プントさんの結界魔法で全く心配なさそうですね。」


プントがかけた結界魔法は強力な物でアンドレの部屋に置いてある魔道具と合わせて使用している為、中にいる人間が解除しない限り、何者も通れない強固な要塞となっている。


「わたくしも王子を守れるくらい強いハズ・・・なのですけど、お披露目する場がありませんわね。プントさんにもまだお知らせしていませんし。」


お姫様だっこされている女暗殺者がうぅと唸っている。


「もしメイドを止めることになったら、次は暗殺者になるっていうのも良いですわね。襲われた事は多いけれど、まだなったことがありませんもの。」


大人1人を抱えているようには見えないくらい軽やかに廊下を歩き出した。クゥとお腹が鳴った。


「彼女をどこかに閉じ込めたら、プントさんに報告して、夜食を食べてから寝ましょう」


睡眠欲より食欲だった。










「姉上っっ!」


アンドレは夢見が悪く飛び起きた。


「お坊っちゃま大丈夫ですか?」


「あ、ああ。」


声が微かに震えていた。


「今、は、朝か?」


「いいえ、夜中の・・そろそろ2時頃になります。」


「そうか」


「お水でもお持ちしましょうか?」


「頼む」


プントはコップに水差しから水を注ぎつつ会話を続けた。


「姉君もしくはお姉様とお呼びしているのはよくお見かけしましたが、姉上とお呼びしている方もいらっしゃったのですね。」


「ん?あね、うえ?そんな呼び方をしている人など・・・・いないぞ?」


「でも現に今、そう仰って飛び起きましたよ?」


「おかしいな。そうだ。俺は・・・そう言った。うん、言った。」


「どなたのことですか?」


「夢の中で見た人の事を、何故かそう呼んでいた。えぇと、確か、眼鏡をかけた、20代後半から30代ぐらいの女性・・・・だったと思う。といっても、童顔ぽそうだったから本当のところ年齢不詳といってもよさそうな。」


「夢の、人、ですか。」


「あぁ、その人を・・・・姉上と呼んでいた。」


2人とも“不可解だ”というような顔つきになった。今まで見てきた第8王子ことアンドーレリユースは、現実的な事を正しいと思い、非現実的な事を馬鹿にする、とまではいかないにしろあまり信じるタチではなかったからだ。


そのアンドレが“夢”といいつつも、今見てきた“現実”を喋るように話していた。アンドレ自身もそのおかしな衝動に、いぶかしむことしか出来ない。


「その人はな、とってもいい人そうだったのに、その人は。・・・・・・その人は。・・そう。とても冷たくなっていた・・・・。」


「つまり、死んでいた。と?その姉上様が。」


「そうなる、かな。」


今にも泣き出しそうにクシャリと顔を歪ませている。


「モナとケンカしたからなのかな。その女性はモナに似ていたんだ。」


「・・・・」


「それにしても、なぜ俺の部屋に居るんだ?」


「ちょっとお坊っちゃまの様子を伺いに。実はリネアが襲われたようで」


「な!?大丈夫なのか!?」


「返り討ちにしたと、私の部屋に伝えに来ました。」


「は?」


「音は普通に通すので、詳しい話を聞くために一時的に解除しました。今はまた発動させましたので安心してお眠り下さい。」


「いや、だから、リネアは?無事なのか??」


「はい。無傷です。夜食を作りに行きました」


「えええええ・・・・」


「私もビックリし過ぎてむしろ今とても冷静です。」


「そうか。」


「はい。」


「・・・・」


「・・・・」


「明日もまたともだち食堂に行きたいと思っていたのだが」


「こちらの処理は私が滞りなく済ませますので、お坊っちゃまは好きなようになさってください。むしろ館から出た方がいいかもしれませんね。ネズミが捕まえられるかもしれませんし、色々な可能性を潰す事も出来ましょう。」


「そうか。ではリネアを伴って朝から行っても大丈夫だな。」


「かしこまりました。そのように取り計らいます。」


「さて、また寝るか。」


そしてその後、悪夢の事など忘れてしまうのだった。


お読み頂きありがとうございます!もしよろしければブックマークや☆やいいね!を押していただけると嬉しいです。


不定期更新が多い作者なのでブクマしておくと便利ですよ。


四日目終了です~~~。次回から怒涛の5日目。5日目はモナに予定が色々あるので、みっちりした日になることうけあいです。ふふふ


リネアとアンドレ、それぞれの夜もある意味濃かった。モナが寝てたので明日また更新予定です。モナが出ない回がある時は次がすぐに更新されるという不思議なシステム。


というわけでまた明日!

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