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第308話

「モナちゃん!スズいくの!レッツラゴー!」


「落ち着いてぇ〜」


「イノシシが落ち着いてだなんてスズちゃんちゃらおかしい気がする!」


「そんなぁ〜」


ディオさんが王様お兄さんのアトム様に外出許可をもらうまでもなく、メイドさんにひと言言ってすぐに出れるように根回ししてくれたので、スズちゃんとイノシシのサイショウくんが王城の裏の森までダッシュで競争を始めた。


と言ってもスズちゃんは幽霊だから走るイノシシより早い。飛んでるからね。そりゃ早い。


グレムリン2匹は外に出れることが嬉しいけれど足は短いので、森に着くまでテュルさんに抱っこを要求していた。抱っこは断られて、雪の上や坂道の草原でたまに使って遊ぶソリに2匹共に乗せられて、ソリを引きづって運んでいた。


多分抱っこより気を使う気がする。石とか根っことかが地面にあると、ソリは跳ねて2匹が投げ出される可能性があるからだ。それはもう、バインバインに。


「「そとそとそーと!そとそとそーと!」」


2匹は即興の『そとの歌』を歌って上機嫌だ。なんだ、外の歌って。うーん。楽しそうだし突っ込むのはヤボだな。


他のみんなは元気だろうか。


「モナ」


「ん?」


「私はちょっと単独行動をしたい。」


「わかった。あまり長い時間この森に居ないと思うから早めに戻ってきてね。お城に入る時出てった数と同じ数のモンスターが居ないと成ると、変な輩にスパイだなんだの言われるらしいから。テュルさん抜きで帰れないから、忘れないで」


「わかった。しかし、モナも帰りまでにアイツの運用法見つけてくれ。昨夜、返事はもらったけれど、本気度が足りない。覚悟を決めてくれ」


「・・・うん、わかったよ。」


アンドレくんについて、私達は仲間にして利用するという方向に意見をまとめた。流石に朝、ああいう事があったから、昼までには決心つかなくて、夜にテュルさんに返答した次第。


テュルさんは私の顔を見てくすりと笑ってから、足早に去っていった。忍者みたいでかっこいい。やべー3尾のキツネ様かっこいい。


テュルさんを見送って、ポツンと残された。・・・しまった。


「モナ、ソリ!」


「引いて引いて!」


デスヨネ〜。サイショウくんとスズちゃんどこまで行ったの戻っておいで、特にサイショウくん。この2人のソリを引っ張ってほしい。あははは、なんとかなれ〜。


「遅い、もっともっと!」


「遅い、ギュンギュン!」


「ひええええ・・・」


森だから根っことかでソリ引くのめちゃくちゃ大変なんだぞ、こんにゃろう!ひぃい。


とか戦々恐々としつつ、えっちらおっちらやっていたら、2匹が急に静かになった。


えっ?ソリから落ちた??振り向いたらちゃんとソリに乗ってて、何故か真上を向いて静か。


「「モナ、来たよ」」


天啓でも受けたのかと勘違いしそうなほどのグレムリン2匹が呟いた先には見慣れたモンスターが約10匹。そう、蜘蛛隊だ。


「追加でようやく集まりそう、かな?」


パソコンもスマホもない、電話もない。あるのは手紙やスパイ活動みたいな諜報活動とか、新聞などのアナログ。情報を制するものがとはよく言ったもので、私はいくつかの仕事を蜘蛛隊にさせている。


ひとつ、ロッテリーの館に残る組み。モンスター達との連絡手段のため。


ひとつ、ロッテリーの街についての広範囲の情報収集。アンドレくんのお師匠様が帰ってきたら報告するように。


ひとつ、ロッテリーの街から王都キングヴァギアンまでの道のりの間の情報収集。


ひとつ、王都キングヴァギアンについての広範囲の情報収集。


ひとつ、王城内の情報収集。


ひとつ、全ての場所でモンスターの仲間を探す。


「どうだった?・・・うんうん、なるほど。・・・・それは要注意だね。」


王家の血筋のあの双子、想像以上に厄介だということがわかった。蜘蛛隊に感謝しつつ、前に向かって歩き続けた。またソリから落とされそうになってしまったりしている2匹。しかしとても楽しそうだ。


「モナちゃーん」


「モナー?」


スズちゃんとサイショウくんが戻ってきたみたいだ。


「みんな、集まって。作戦会議をしよう」


テュルさんとパンのさんにんにはあとで教えるとして、さてはて。グレムリン2匹は「ぼくの考えた最強の作戦!」的な感じで、一応案は出してくれるけれど、矛と盾のように矛盾だらけ。


うん、いつかきっと、できるかもね。


とりあえずは今日と明日の生存戦略である。

次回も明後日予定です


今季のアニメ感想をば、活動報告にアップップしたいなり。うーん、疲れてなければ、日曜日かなー。

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