第299話
モナと真っ白い神様の回。
―――――――とまあ、そんな感じで気分はどんよりしながら王城の門が閉まる前に王城入りをその日のうちに果たせました。
『そうですか』
―――――――この辺りの補足はないんでしょうか?
『あると思いますか?』
―――――――そうですか、デスヨネ。残念。
『私は修慧ではないのでね。』
―――――――そりゃそうだ。あ、また変化した。今度は大人に戻った。体が安定しないなぁ。
『もう少しですよ、大丈夫』
―――――――・・・・
『どうしました?』
―――――――「ボクと契約して魔法少女になってよ」っていう、恐怖の魔法少女なアニメがありましてね
『ふむ?』
―――――――そのお話でもそうなんですけど。 やっぱり私達人間ってわがまま なんですよね。
人間として生まれたからには人間として死にたい そう思ってしまうんですから。
マドカちゃんはすべての力を使って 少女達の心をすくえたけれど、マドカちゃんに相対するほむらちゃんのような「死んでほしくない」と言ってもらえる強い力を持つ人は
私の周りにはいなかった。
最初に神殺しを決めた日から王都に向かうまでの4ヶ月。私は別段、常に神を殺す為だけに生きてきたわけではありませんでした。
人間って本当に変な生き物で、疲れないようにという自制があるんだか知らないけれど、怒りも悲しみも全て、継続し続けるのはとても疲れて大変なのです。
私は神殺しはしなくてもいいのではと思う時も無くはなかったんです。
『しかし、決意は堅かった?』
――――――――体はテイマモナとして生きると言われても、ヒトとして別の生物にさせられるのなら、もうそれは、私ではないんです。
『衝動では、やらないのですね』
――――――――テイマーの能力の1つかはわからなかったのですが、仲間が増えていくと同時に相手の力量が肌でわかるようになったのです。
やっても無駄だとわかっているなら、力を溜めるしかないでしょう。力を溜める方法は、神様が教えてくれましたから。
『テイマーは仲間を集めていけば力が増える。皮肉なものだね』
――――――――・・・・・・・・・・・ごめんなさい。
『・・・・・どうしました?』
――――――――私が“最初の行動”を起こさなければ、この世界はただ時代の流れに乗っただけだった。私が“最後の行動”を起こさなければ、アナタが苦労することはなかった。だから、ごめんなさい。
『テイマモナ。アナタは謝らなくていいのです。私が1番の元凶的なものであり、あのヒトであり、私であり、生まれるキッカケに過ぎない。それに、元の時代の流れは“破滅”だったと知っています。流れが変わったからこそ、それはやはり、奇跡であり、水辺の波紋であるんですから。アナタはもしかするともしかするかもしれない。”最初“で”最後“のアレにあって欲しい。そうですね、言うなれば、ある意味テイマモナは私の生みの親みたいなものでもありますよね』
――――――――いやいやいやいや、全然違いますよね!?フテゥーロちゃんじゃあるまいし!
『おや、そちらは本当の親子関係になれたのですか?』
――――――――どうでしょう?
『ふふ、久しぶりにあの子とも会話したいですね。魔力量は大分戻りましたか?』
――――――――今の魔力量はステータスオープン!えっと、5000未満ですね。・・・・まだ全量にはなってないとか、どういうこと。本当に話さないと戻らないみたいですね。
『それだけアナタの力はこの世界ではある意味異質だったんですよ?』
――――――――そうですか。さて、どこまで話しましたかね。そうそう、王都に戻って来てからでしたか。私と一緒に王都に来た仲間は、3尾のキツネのテュルフィング、グレムリン2匹、イノシシのサイショウ、スズ、ヤギのパンさんにんでした。
――――――――王都に到着したその初日からみんなには心配をかけてしまいました。誰かの体に異変が起こることは無かったけれど、私が落ち込むとモンスター達にはバレバレの筒抜けで。
――――――――まずは1日目の夜にヤギのパンのさんにんが声をかけてくれました。それは魔法のようだった。いえね、魔法のある世界だということはわかってはいたんです。使ってもいたし。でもほとんど攻撃のためのもので。それとは全く違うもの。魔法のようで魔法でないもの。
――――――――言の葉を紡ぐ。
喋るとは違い
語るのとは近く
歌うよりも耳に残し
紡いだ言の葉は
年月も時空も越える
と・・・・。
更新遅くなってすみません。
次回は15日予定です。