第293話
「今日は王都にこれから2ヶ月ほど滞在するのでご挨拶に伺った次第。お話したい事柄もありましたが、後日またお伺いした際にお話をさせていただこうかと」
切り替え巧みにディオさんが“先方の都合が悪かったようなので1度帰ろうかムーヴ”を発動。
「なにいってるの、今からやるよ。個人面談。だって君達ひとりひとりふかーい悩み事を抱えてるってこと、見ただけでわかったさ。だからほら!冗談も半分に薬を手に持たせたんじゃないかー!ハハッ気もほぐれただろ?何ボケっと変な顔してるの。そうだな、男の2人から面談しようか。んっと、まずは1番若いイノシシみたいな性格の子ね!」
ディオさんのそれはスルーされてしまった。そして指を指されたのはアンドレくんだった。
「いの、イノシシ??」
困惑してる。そりゃそうだ。私も良くわからないもん。
「猪突もーしん!こう、前しか見えてないぞーっていう若さしか今のところなさそうだよね!」
アンドレくんはムッとしたけれど、それで火がついたのか、馬ヅラこと修慧の言われるがままに個人面談に付いていった。言葉で言われたのなら言葉で負かせてやるという気概が見れた。ような気がする。
「あとで生真面目過ぎるお兄さん呼ぶから待っててね!」
いきなりそんな事になったのでその部屋に私とディオさんで取り残された。改めて思う。あのウマヅラにはテンションなど諸々がついていけない。波長が合わないとでも言うのか。まあそんな感じ?
「申し訳ない。ここに寄らずに城に向かえば良かった。私ひとりでここに来れば」
「そんな事言わないで。ディオさん。アイツはあんなやつだしどうでもいいようなやつだけど、核心をつく物言いとか色々と相談したくなってしまう、そういうやつなんです。かくいう私も実はディオさんについて来ただけじゃなくて、アイツに聞きたいことがあったのも事実なんです。」
「そうか、モナもか」
「はい。だからディオさんが全部悪いとか思わないでください」
「わかった・・・・つかぬことを聞くけれど、修慧への相談事を聞いても?」
「あっ、えっと・・・その・・・ディオさんの相談は?」
「・・・うん、聞くのは野暮ですね」
ディオさんにしては珍しく速攻で手のひらをグンルリと返した。大体ここで話せるのならこの王都に戻るまでの4ヶ月で話せていたはず。だからお互いにどうしようも出来ない、答えはきっと出せないと、感じてしまっている。
何がそれを感じさせるのか。本能か、はたまた、単なる勘か。しかし確実にお互いに。解決したら話せばいいと思っている。そうして無言の時間が多少過ぎたが、慣れない空間なのでどうにもそわそわしがちになってしまうもので。
「ディオ、さん?」
「はい、どうしましたか?」
「こないだのレストランデート、今までで1番楽しかったです」
「本当ですか!」
パアッと笑顔花咲くディオさんかわいい。
ディオさんとレストラン貸し切りデートをあれから5回した。前回が5回目だ。最初は楽しみだった割に、天気も悪くなるし“一般的な貴族の女性はこういうのが好きだよ”という感じの“なんとなくデートってこうだよね”感が満載の盛り上がりにかけた、映画の予告編しか見れなかったような、、とてももったいない日になってしまった。
それが私達に火を付けた。前回のような轍を踏まないぞ!と。
そして繰り返されるレストランデート。
「だけれども、モナの歌が無かった。まだまだ改善の余地はあると思わずにはいられない」
ん?私の歌?
「ディオさん?私の歌ってなんです?そりゃ歌は人一倍好きだと自負してますけれど。」
「気付いていないのか?モナは、嬉しかったり悲しかったりすると必ず鼻歌を奏でているでしょう」
なんですと!?む、無意識化のクセがまさかの鼻歌!?
「ああ大好きだ。君が幸せそうにしているのがわかるからね。」
突然の告白にイッケメェン・・・。あれ?今日もデートにここに来たんだっけ????
次回は29日予定です
以下、余談というか雑談
私は常々紅茶が好きです。コーヒーも好きですがコーヒーはマックスコーヒーみたいに、甘めミルク入りもしくは練乳もしくは濃いめミルクが入ってないと飲みたくないというストップをかけてしまいます。
コーヒーにこだわった個人のお店でストレートで飲めたことも1度あるのですが、そこのお店のそこのコーヒーでしか無理そうなのでコーヒーはいつも甘めミルク入り的なやつです。飲みたくなるとずっと飲んでますがでも一時的なものです。
しかし、紅茶は毎日、ほぼ毎日飲んでます。麦茶代わりぐらいの感じでカパカパと。ただ一般的な紅茶の濃さではありません。結構薄め。でもいい茶葉だと薄くしてもしっかりと味も匂いも感じるので私にとったら水。むしろ聖水。ウメェウメェ、これがないと死んでしまう。変なヤクではありません。
だって私の血と肉になっているんですから。紅茶?何がいいの?コーヒーのほうが良くない?って言われたことがあるんですけど、コーヒーは紅茶見たく薄くすると味の深みがカッ消えて香りはあっても旨味はない。
紅茶は薄くしても全部感じる!と、私は思うんですよね。私の舌がおかしくなければ、の話ですが。
お、そんなに言うなら少し興味あるな?
というそこの皆さん!「猫と紳士のティールーム」というモリコロスさんの漫画を読んでほしい!んで、気になったら是非、紅茶の専門店にでも駆け込んでほしい!!(いきなり宣伝)
今ハマってる漫画です。
いや、紅茶は昔から飲んでて銀座の有名な茶葉のお店にも、ルピシアにも良く行きますよ?漫画にハマったのは最近です。漫画→紅茶ではなく、紅茶好きだったから気になって読んだら、知らんことも多いし(というか歴史に興味一切無かった。美味しければ良し)読んでて、「もっと紅茶のこと調べようかな・・・トゥンク」ってなった。
たぎりますね!え?たぎりますね!!
みんな読んでほしいな。タキさんが可愛くて可愛くて可愛くて(趣旨が変わってる)キームンくんがいいキャラなんですよ。
読みながらでも読んだあとでも、紅茶ホッとひと息してほしい。みんな読んで紅茶好きになったらいいのにな〜
以上、漫画の推し活動でした!