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第290話

結局またこの時間になってしまいました。


(╹▽╹)ははは

羽をこれでもかと広げて口をこれでもかと大きく開いて威嚇のポーズ。が終わったかと思えば、カスタネットをガチガチガチと鳴らすかのようにクチバシをガツガツと叩き鳴らした。


食ってやるぞ!って意味だろうか?


ミョルニルさんとは出会ってそんなに経っていないがこんなにも好戦的なミョルニルさんは初めてで戸惑う。


対戦相手は黒い熊だ。グリズリーみたいな?と言っても熊に詳しくないからなあ、スマホがあったら検索したい。「熊 種類」でね。


私がパッと思い浮かべられる熊といえば、さっきのグリズリーでしょ、続いてパンダ、ホッキョクグマ、アライグマ、アナグマ?


アライグマって熊とは別だっけ?アナグマも違う気がしてきた。もうわからん。


とか考えている最中も私の取り合い。“私の為に争わないで”と、一回くらい人生で言ってみたい。しかし、目の前は人間ではなく、動物型モンスター。この合間にも“(けん)と魔法の異世界ファンタジー”with怪獣大戦争が勃発中である。*拳は間違いではありません。だって怪獣は剣は持てないからね(キラッ)


「グルォォオァァアアアア!!」


熊が大きく叫ぶとドカンと1発ミョルニルさんに黒い稲妻がガッツリ頭に落ちてきた。ミョルニルさんの体も真っ黒になり、プスプスと焼け焦げるような匂いが辺りに広がる。ミョルニルさん!


「おうおうおう。」


あっ生きてた。良かった。黒焦げのミョルニルさんがこちらに顔を向けて言い放った。


「いつまで後ろにいる。さっさとキツネと下がれ」


「はい!」


デスヨネ。ミョルニルさんの背中は安心感があったというのもあったし、近くで怪獣大戦争繰り広げられたらついつい見ちゃうよね。あ、相撲とかK1とかプロレスとか観戦するときってこういう気分なのかもしれない。見たこと無いけど。


3尾のキツネのテュルフィングさんのもとに下がった。


「テュルさん、あの熊とどっちが勝つと思う?」


「力だけなら、熊が勝つでしょう。」


「でも?」


「フッ、そうですね、そう続きますが。でも・・・・」


「あのハシビロコウは小賢しいので力を出させずに勝つでしょう」


「なるほど」


つまらりあれだな。要約するとミョルニルさんはテュルさんが認める強いやつってことだ。








腕時計とか懐中時計を持ってきてなかったので、体感10分ぐらい経っただろうか。熊公(くまこう)はバテバテだ。テュルさんが戦いについて解説してくれていたが、ミョルニルさんは「火、光、雷」に耐性がある種族らしい。


黒い熊は「雷」属性らしく、最初から相性最悪なのだそうだ。


そろそろ館に帰りたい。って、あっ、タヌキの御一行が準備を終えて追いかけて来たようだ。


「なんと」


キジンさんがグダグダに疲れ切ってしまっている黒い熊を見てかなり驚いていた。


「そろそろ決着が着きそうだよ」


テュルさんがそう告げた。するとそれを皮切りになのか、単なる偶然なのか、告げた直後にキィキィと動物の鳴き声が一気に響き渡った。これは、猿?の声??


とかクエスチョンマークを頭上に飛ばしていたら、猿ではなくゴリラがどこからともなくズドンと降って湧いた。何事!?と思っていると、ヨレヨレの黒い熊を小脇に抱えて、跳躍してまたもや消えてしまった。


この間、わずか3秒ほど。


全員があっけにとられた。戦っていたミョルニルさんも、今来たばかりのキジンさんも、3尾のキツネのテュルさんも口が閉まらなかった。


私はむしろ唐突過ぎて固まった。


熊もデカイのにそれを小脇に抱えるとか本当にドンキーコングかキングコングか。


それは奇妙な夜の出来事のだった。


次回は明後日の予定です

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