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第266話

昨日更新できなくてすみませんでした。


文字数少し多めにしてアップです。(当社比)


まだif世界のお話ですよ。

あれから数日が過ぎた。ミナモが亡くなってからかなり落ち込んだけれど、ミナモの墓を作ったり、みんなに気を使ってもらってしまったのが伺えて、少しでも元気になろうとした。つもりだった。日は過ぎてもやはり未だにモヤモヤするし、悲しみはぶり返す。


そんな時ヤマーくんに言われてディオさんの部屋に行った。ディオさんが呼んでいるらしい。


珍しくディオさんはソファに座っていた。仕事をする時も、移動する時も、ほぼほぼあの例の魔道具の車椅子に座っているので、ソファに腰をかけることもあるなんてと今更ながら思ってしまった。


「領主の仕事で疲れているからと、すぐに横になれるソファを最近すごく勧められてね。この部屋だけなら杖を使えばどうにかなるから」


「そうだったんですね」


自分が悲しみにくれている間もディオさんは仕事をしていたらしい。少し憎らしくなったけれど、最初に王城で出会ったディオさんより、少し頬が痩せて目にくまも表れたように見えた。こう見ているとアンドレくんにそっくりだ。


憎らしさなんてすぐに消え去り、体を労ってほしいと願ってしまう。自分の感情もうまいこと忙殺出来なくて、まだ悲しみにくれているというのに、目の前の相手にそう感じてしまうなんて、自分も大概だなとため息が漏れそうだ。


ディオさんから机を挟んで反対側のソファに腰掛けようとしたが、ディオさんに真横に座るように促された。一通の手紙を一緒に見たかったらしい。


「来てくれてありがとう。早速本題ですまないのだが、実は」


ディオさんが今回私を呼んだのは私を貴族街で開かれるパーティの相方として参加して欲しいという相談だった。この街にディオさんの足が治ったという噂が広まりすぎた為の沈静化を図るのが目的で、いつもはほとんどが代理の執事などに挨拶文を渡して出ないことのほうが多い・・・そういう噂話が好きな紳士淑女が集まるパーティらしく・・・・。手紙はその招待状だった。


ディオさんは私をどうしたいのだろう。パーティに連れて行くということは、その手の人達に“伴侶”と見られることもある。それをわかっていないはずもない。それともあのスキルでディオさんを立たせるパフォーマンスをしてほしいのだろうか。あまり大仰な形でやりたくない。


・・・いけないいけない、ネガティブになりすぎている。まだどういう意図なのかも聞いてないうちから、勝手に悪い事ばかり考えていたら、心だけがすり減っていく。心が死んだら私が私でなくなる。


以前、心を壊して休学した子を見た事がある。目は虚ろでどこ見ているのかもわからず、母親に連れられて病院から出てきた姿をたまたま見かけた。


学校にいた時のあの子には見えないくらいの状態だった。どうして壊れてしまったのかは詳しくは知らないけれど、周りからしたら壊れた時期にあった事は些細な人との衝突だったと聞いた。人間の脳とは不可解なものである。


気を引き締めろ、帝麻萌那(ていまもな)。もう充分な大人が何を怖がっている。


ううん、大人になってからのほうが臆病になった。だからいつもふざけたり、思考を斜めにスライドするのだ。臆病だからだ。だから今日も歌うし、好きなものを好きと自己主張するのだ。私の長所であり短所であり、強みであり弱みであり、私なのだ。私はこうでなくては。


「パーティとか人が多そうな所はあまり得意ではないんですが・・・」


「・・・ごめん、そうだよね。君といると心地よくて

、言えば付いてきてくれるような、そんな気がしてしまっていたんだ。・・・噂の沈静化を図るのも一応目的ではあるのだけれど、君が落ち込んでいる事はわかっていたから、気晴らしに・・・と。本当に申し訳ない。何をしてあげたらいいのか思いつくものも私にはあまりなくてね。」


彼は誠実だった。誠実過ぎた。


「ディオさんからは色々助けてもらっていますから、気を使っていただかなくても、とても助かっています」


「そうかい?」


じっと目を覗かれた。ディオさんが急に「あっ」と言うからなにかと思ったら髪にゴミがついているからジッとしてと言われ、言われるがままジッとしていたら、ふわりと包まれた。


「え?」


彼は私を抱きしめていた。


ゴミの話は嘘だったんだろう。隣に座らせたのももしかすると計算だったのかもしれない。


でも、もういい。


彼に抱きしめられたその腕も何もかもが温かくて、涙が出た。













ロッテリーの街の人達に聞いてみました


Q、神様っていうのはどんな存在だと思いますか?


「そりゃスゴイことが出来る存在だよなぁ」


「毎日見守ってくださってるよ」


「見えないんだけどいるんだろうって感じだね」




Q、ではこの街にいると言われている女神様のことはどう思いますか?


「昔は人間だったらしいねぇ」


「困ったことがあったら神殿に行けば女神様に会えるよ」


「どう思うも何も女神様だよ?足を向けて寝たらバチがあたるさ」




Q、この街は結構事件が多発した時期もありますが、女神様は助けてくれましたか?


「女神様が嫌いなのかい?」


「そりゃ神様なんてのは見守るだけでなかなか、ねえ?」


「おう!信じてたから救われたぞ!ほら、今元気だろ?」






Q、女神様に兄弟がいたらしいのですがなにか知っていますか?


「誰でも知っているよ、この国の建国神話とか昔話で伝わってるだろ?読んでないのかい?吟遊詩人も歌ってるだろ。」


「三姉妹だっけ?違う?ああ、5兄弟のあれか。三姉妹の方のも?え?全部同じ人達だったのかい?全然話違うよな?ああ、昔は本なんて物自体なかったから口づてだものな。」


「1番上の姉が闇を持つ者で、2番目が武芸を極めた人間で女神様、3番目が光を持つ者。1番上の兄が建国の王で、末の弟が・・・なんだっけ。3番目の妹の夫がアレだろう?先祖返りもたまにいるって言うけど、どうなんだろうね」






「って感じです。」


「リヴァイくん?」


「はい?」


首をコテンとかしげてる。かしげてるのはいい。良くわからないけれど、母性愛的なものが湧き上がってる気がする。しないでもない。しかし、そのフリップなんなんだ。


「ディオさん?」


「なんでしょう?」


「私なにか言いましたっけ」


頭を抱えた。ディオさんがにっこりわらっている。あの抱擁からさらに数日が経って、また呼ばれたと思ったらコレだ。意味わからん。ついでに横にはスズちゃんも現れているし、グローも、サイショウも、蜘蛛隊も来ている。残念ながらのゴーレムズは部屋に入らないので外から聞き耳を立てている。ゴーレムズの行動が可愛い。違うそうじゃない。そうじゃなくて、えっと。


「私、この街の領主ですが、今更ながら本当に神がいるんだと最近知ったばかりなので、今更ながら調査を。なんせ」


「なぜってディオ様ったら、女神様に不信感を抱いているんです」


「ちょっと」


「ああすみません。ディオ様がいいたかったですよね」


「こほん、では、」


「でですね、ディオ様に頼まれてこのリヴァイ、調査をしてきた!のが、これなんですよ」


「・・・・」


漫才だろうか。リヴァイくんがペラペラ喋っている。この家の主たる、ディオ様って呼んでるこの街の領主様に、言葉被せをしまくっている。


「モナさん」


「っはい!」


リヴァイくんがおくちチャックをした所でディオさんから呼ばれた。真っ直ぐな目でこちらを見ている。


「私は貴女がとても大事です」


!?・・・っておくちチャックしたばっかりのリヴァイくんの顔も真っ赤になってる。想定外なんだな、なるほど!?くっイケメンめ。


「女神様も貴女の事が大事だから、この世界に必要だから、連れて来られたのだと思います」


「はい・・・自信はありませんが・・・」


「しかし、必要の意味合いが違ったら?」


「それは・・・どういう?」


「私の予想では、この街が消えて無くなる・・・かもしれないんです」


第三波、第四波と普通、モンスターは侵攻してくることはないという。


これも、モナはゲーム感覚で、細かい理由も質問しなかった。第なん波まで続くのか、どれくらいの強さの奴らがくるのか、とかばかり聞いて、それ自体が異常事態だとは思ってもみなかった。


オリンピックとか地震や火山の噴火じゃないけれど、何年かに1度大きいのが来るぞーってやつだという認識でいたからだ。


なぜそう思っていた?


「女神様に誘導されてはいませんでしたか?」


え?


彼は誠実だった。誠実過ぎた。だから、私はまた絶望を味わった。

次回は26日予定です。


if世界のお話が終わったら、核心に入って、ほのぼのに戻りたい。戻ろう。戻るぞ。


ザッツ・ザ・ウェイ・アハアハ〜♪

 ノ

 ( ∵ )

 ( (7

 <⌒ヽ


ザッツ・ザ・ウェイ・アハアハ〜♪

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