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第262話

ナメクジのミイラ、という名の謎の物体Xなそれは、とりあえず山川谷トリオに渡すことになった。今更だけどデッカイスルメイカみたいだなぁ。


「それはそうと・・・・その・・・この子達は?・・・飛ばしたって言ってなかったっけ?」


アンドレくんがなんとも言えない顔でキョロキョロしてこちらを見ている。わかってる。わかってるけど仕方ないことなのだよ。


「ほとんどはね。でもほら、5〜6回は襲撃が来るって話だし、仲間は多いに越したことはないから、女神様からもできる限り仲間を増やして行ってほしいって言われてるからさ〜」


「いやでも」


「まあまあ」


「蜘蛛隊とぷちゴーレムくんとミニゴーレムくん」


ぷちもミニも同じ意味合いだけど気にしない。ゴーレムを何度も何度もハイドロポンプしたら、長年の川の巨石のようにトゥルットゥルッに磨きあげられ、縮んで可愛らしくなりました。ゴーレムにしちゃ小さいってだけで私より全然大きいけど、ラピュタのロボット兵並になんだか愛着のある仕上がりに。


蜘蛛隊はあの強風の魔法に当てられても、意地でも生き残ったガッツのある5匹の蜘蛛達だ。ディズニーとかのアニメで見たことあるような、超のつくほどの風に対して、とにかくしがみついてしがみついて、耐え抜いたという、可愛い奴らだ。


え?ナメクジモンスター?・・・部屋が粘液で汚れるからちょっと・・・うん。ね?ハハッ。(遠い目)


そうそう、戦っている最中だったからちゃんと起動できるかまでは試していないのだけれど、今まで名称とそれの機能に関しての説明しかわからなかったスキルのいくつかが、ちゃんと使えるように変換されたようだった。


魔力がアップしたからだろうか。ううん、それ以上の成果な気がする。なにかキッカケがあっただろうか。どれがキッカケなんなのか色々あり過ぎてどれもコレも怪しすぎる。


こういうのは考えてもなかなか答えなんて見つからないから時間が溶けちゃうやつだ。今すぐ答えは手に入らないものは、一回端に寄せといて忘れよう。


「今更だけど、アンドレくん今日はお師匠さんの所に行かなかったの?」


「行ったには行ったけれど、今日は相手に出来ないからと帰された。師匠も忙しいんだ」


「そうだったんだね」


そう言えば新しいこの子達も一緒に横竪(オウジュ)さんに会いにいかなきゃ、かな?その前に蜘蛛隊とゴーレムズの首輪もつけなきゃ、ああでも、数があと3個しかない。


まだ昼過ぎなのでテイマー用の首輪を購入してから横竪(オウジュ)さんの元へ向かうことになった。


「それにしてもどうやってゴーレム達を引き連れてここまで帰ってきたんだい?だいぶ目立つから騎士団やらに止められなかった?」


「ふふふ、私のスキルのおかげなんだ。ゆかいに歩いたんだ」


「ゆかいに歩いた?それだけで止められなかったのか??」


ゆかいに!歩けば♪歌も・は・ず・む♪お日さま!キラキラ♪かぜもあおい♪バルデリ〜バルデラ〜バルデロ〜、バルデホホホホホホバルデリ〜いこう〜ゆ・か・い・な・た・び♪


って童謡のゆかいに歩けばをスキル”妄舞華“を使いながら歌って帰ってきたのさ!えっへん!


スキルが歌に乗っかって、近くにいる人も歌に乗せられてしまうスキル。悲しい歌なら悲しい気分が倍増するし、心の込め方にもよるけれど歌詞に合わせて、歌詞にある状況を聞いた人達が再現したり、巻き込まれたり、幻影が生まれたりする、『歌で始まる個人シアター』的なスキルがこの“妄舞華”というスキルの特性だ。


つまり今回は私がゆかいに歩けばを歌いながら歩いたことで「愉快な一団」としか周りに映らなかったことを意味する。


普通にゴーレムや蜘蛛隊達を引き連れて歩いたら、パニック起こること間違いなしだったと思う。このスキル、ちゃんと使えるようになってほんっっとーーーーに良かった。


「なるほど、目眩ましをしてきた、というわけだね」


「ディオさんは理解がほんとにスーパーマン」


「モナ、すーぱーまんってなんだ」


第二波も無事に終わって良かった良かった、そう思ってた。今後もこんな感じが続くって。





そしてとうとうこの日、私の勘違いしていたこの街の、この国の、テイマーの有り様の真実をこのあと聞くことになったのだ。私がどんな感情に襲われたか?こんなシンプルな人間だよ?簡単に想像できるでしょう?


「透明人間」とか「行方知れず」とか「消えた」のワードでなにかなかったっけとか色々考えたけど、結局「ゆかいに歩けば」になった。ジブリの「さんぽ」でも良かったかもしれない。楽しいは正義。



次回はちょっとだけ間があいて16日予定です。



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