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第259話

「っで?話があるんでしょう?」


自室に割り振られた部屋にアンドレくんを引きずり込んだ。他の部屋でも良かったけれど、鍵はここの執事さん達が管理しているので無闇やたらにドアを捻っても、基本的には開いてすらいないのだ。というか鍵のかかってない部屋があっても私は全てを把握していないので探し当てるのが面倒くさいっていうのもある。うんうん。自室が1番手っ取り早い。


アンドレくんは最初は顔も耳も真っ赤っ赤だったのに、私の言葉を聞いて、ん?ってなって、ああって呟いた。・・・・へんな反応。喋りづらいかなと気を効かせたつもりだったのに??そういうことじゃなかったのか。


「早朝にまた女神様から請け負った仕事をするんだろう。コレ、やるよ。」


ちゃりっと手元に突き出されたのは、ネックレスだった。女性でも男性でもオーケーなユニセックスタイプのシンプルな飾りが付いたネックレスだ。


「これは?」


「昔に師匠からもらったものだ。お守りなんだが、モナに持っていてもらいたい。」










――――――――――――――面白いですよね。このネックレスのお守り、私が5歳でアンドレ8歳と出会ったこの時間だと、私がアンドレにプレゼントしたあのお守りなんですよ?







「大事なものでしょ?」


「ああ、大事だ。モナも大事だ。」


ドキ・・・


「お兄様が大事にしている人だから、俺にとっても大事な人なんだ。怪我とか無いように持っていってくれ」


あ、うん。えっと。何を期待したんだ私。危ない危ない。


アンドレくんの真剣な目がとても惹かれた。


「ありがとう」


弟の成長を見守るってこういうのを見るってことなのかな!?なるほど!(ちがう)



ニコッと微笑みかけると、またアンドレが真っ赤になった。じっと見てたら、うつむかれた。


「風邪でも引いた?大丈夫?」


おでこに手を当ててみてあげたけど、やっぱり少し熱っぽいような・・・?


「お、お、俺はぁ!師匠に会いに外にいってシマウがっ!居ない間はお兄様を頼むっっ」


フスッフスッと鼻息荒い。


「わかった。アンドレくんも体調悪いならすぐに言ってね。お姉さんが看病してあげよう」


「っっ〜!いらん!」


「なるほど!お兄様のほうがいいか!」


「そうだが!そうじゃなくてだな!?」


アンドレくんはこのあとグチャグチャ言っていたけど、半分以上意味不明だったので聞き流した。メイドも執事もディオさんもいいのに私はダメとか聞かなかったことにする。本当にアンドレくんが体調崩したら喜々として駆け寄ってあげよう!そうしよう!












翌日、早朝。まぶたが重い。つまり、ねっむい。今回はミナモが案内役になってくれた。早朝だからかなり人は少ないみたい。しかし大きな公園にはちらほらとお年寄りがいる。公園だもんねぇ。こればっかりは、規制線でも張らないと無理だよね。


ミナモがずんずんと先に進んでいくと、キャンプでもできそうなくらいの平地が広がるスペースがある場所に着いた。木とかもその辺りには一本も植生されていないので、バトミントンとかキャッチボールとか、休日の親子がやりそうなものを20組以上の親子がのびのびとできるぐらいの広さだ。


さすが、この辺りで1番広い公園なだけある。


そういう場所っぽいので早朝のお年寄りはこの辺りには居ない。


ミナモはピタリと止まった。するとまだ出てきていなかったスズちゃんが現れた。


「今日はスズ、イケル!」


「それはよかった。」


「グローがグロッキー。スズ知ってる」


ギャグか?とはいえ、事実。野犬だったグローはこの広い場所に近づくにつれて顔色が悪くなっていった。


いやしかし、スズちゃんもミナモもサイショウも穏やかにしている。

 

現れたモンスターは今回は前回のようなグローみたいな犬系ではなく、いわゆる、ゴーレムと呼ばれる石の人形達と、巨大な蜘蛛達と、ナメクジのようなモンスター達だった。うわぁ。


これは、グローじゃなくても嫌な顔になるよ。まだ、パプワくんのイトウくんやタンノくん見てるほうが安寧を得られる感じなぐらい、ゴーレムも蜘蛛もナメクジも、なんだかぬっとりとドロドロしたものがニオってきそうだった。うわぁ。


もう一回言っとく、うわぁ。ある意味強敵だった。


明日も更新予定です

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