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第253話

if世界ツー13



「スズ・・・スズちゃん?」


「ま、まさか、忘れちゃったの!?スズだよ!しょーがっくせぇ?って時に助けてもらったスズだよ」


ショウガ臭え?違う違う。きっと小学生だ。つまりこのスズメはあの時のスズメ?まじか?なぜに?


「魔力ってのが上がってね、喋れるようになったのー!」


ピヨピヨと喋るスズちゃんは大変可愛らしかった。一応守護霊らしい。しかし力が弱すぎてあまり守護霊としては役に立たないらしい。守護霊の意味って・・・?


「ボスに言われたからなったの。エッヘン。スズ!エラい!」


私が小学生の頃からずっと私の肩にいたので、私のことをよく知っているらしく、テイマーとして頑張るように異世界に来た私を肩から応援し続けてくれていたらしい。ピィピィとしか言えなかったから応援も届かなかったとしょんぽりしているスズちゃんは可愛かった。


ボス・・・金魚のボス。懐かしいな。あのふてぶてしい目。餌を取りこぼすまいとパクツク口。まるで鯉かと思うような巨体。ボスは天国に行ってしまったらしくもう二度と会えないらしい。懐かしいけれど、会いたいかと言われたら、金魚にしてはイカツイので、別にいいかな。ちょっと怖いし。嫌いじゃないんだけど、うん。ボスだもん。ボス。


「居てくれてありがとうね、スズちゃん」


「うん!そーだ、すぐ消えちゃったりするけど居るからね。レーはヨワヨワなの。」


霊ね。


「わかった。」


「あとあのね、あの首輪スズはしないしできないの。させようとしないでね。」


守護霊とはいえ、結局は霊である。触れない。存在は見えるけど、まあ薄い。言われなくても首輪はする予定はなかった。


「ゆーがたも手伝うから今は見えなくなるね!」


わかったと言う前にさっさと消えた。スズちゃんは自由なスズメだった。









朝からロッテリーの街にあるマックドゥの森に向かう事になったのだけれど、アンドレくんが付いて来ようとして時間を食われた。


ディオさんは私の事情を察してくれてアンドレくんを説得してくれた。アンドレくんも察して欲しいと思ってしまったのは私の驕りだろうか。


朝の訪問を済まし、現状について、これから来るモンスター達についての対策を教えてもらった。おおよそはこの世界に来る前にほとんど教えてもらっていたものばかりで改めて確認という意味でしかなかった。


横竪(オウジュ)さんには私が使えるスキルや魔法を詳しく話した。問題なく今回は成し遂げられるとお墨付きをもらった。


不安な顔が出ていたらしく、ホッとした瞬間に笑われた。


テイマーとして必要とされたのにまだテイミングをそんなに出来ていないので、今回はほとんど自分のチカラ押しで成さなければならないから緊張もする。


モンスターの出現場所はこの街の貴族街の手前。夕方と言っていたが、日本時間に当てはめると、3時とか4時ぐらい。それまではまた領主の館に戻った。


アンドレくんが私の顔を見るなりブスくれたけれど、私の事を心配してくれてのソレなので、ありがたくその心は受け取っておく。


そして時間が来た。


タイサイさんが案内役として途中まで一緒に行動し、そこに残ったのは、私とウサギのミナモと小さいイノシシのサイショウだけ。


森の温度が急激に下がる。


『邪魔だ』

『消えろ』

『消せ』


こだまが鳴り響くようなとても小さな声が辺りを包んだ。聞こえるような聞こえないような。ハッキリとしなさすぎて、それこそがむしろ恐怖を掻き立てた。耳鳴りが辺りから聞こえるとでも言ったほうが良いだろうか。


恐ろしいとは、日常ではない。恐ろしいとは、非日常であり、そうそう起きる感情ではない。私達に向けられた感情が針を刺すようにチクチクと痛いのだ。


ミナモはまた体をブルブルと震えさせる。サイショウはやる気があるように見える。スズちゃん?何故か出てこない。そのうち出てくるだろう。自由なスズメは自由で良いと思う。


イケル。横竪(オウジュ)さんが太鼓判を押してくれたのだからイケル。ゲームで言うなら“ガンガン行こうぜ!”の感じでいけばすぐに終わるだろう。


しかしまずはその相手が私の前に出てこなければ何も出来ない。相手が私に向かってくるようにまずは私から仕掛けないと始まらなかったのはいただけなかったが仕方がない。


「石当て、石当て、石当てぇーー!」


それが互いの戦闘の合図になったのは言うまでもない。








久しぶりに更新のくせしてまたもや短くてすみません。


忙しすぎて今日ようやく睡眠を大量に取れて脳が働きました。


次回は28日予定です。

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