第252話
if世界ツー12
if世界、モナの”過去“であり、ロッテリーの街の10年後の話。
モナが死ぬまでの話。
うーんうーんうーん・・・・・ああ・・・
「眠れない・・・」
領主の館で割り振られた私の部屋のベッドで寝ているけれど、体は疲れているのに眠れない。
「ステータスオープン」
アンドレくんと一緒に旅していた時に発見したコレはゲームのような画面が目の前に出てくるものだった。”ステータスオープン“と思うだけで出てくるそれを口にした。口で発した方が自分の声が耳に残るので、ゲームの時のボタンを押した感覚になる。大した事ではないけれど、魔法とかの詠唱って結局自分の中のスイッチ切り替え的な意味合いが大きいんだろうなとこの世界に来てからよく思うようになった。
「これなんだろう」
4ョ苦:テ#@魔ぁ**−;
よん・・??し・・?んー・・・し、よ、にが?それとも、し、よ、く?
私はアンドレくんとの旅の間に通知音がなるまで、このステータス画面の存在を知らなかったから最初からこうなっていたのかわからない。最初からこうだったのかもしれないし、いつの間にかそうなったのかもしれない。しかし、私が開いてみた時には既にコレだったのだ。
「て、まぁ?・・・・まさか、テイマー?職業テイマー?」
なんでバグ?
――――――――――この時の私は色々と話をしたから聞いた気になっていた。横竪さんは「モナの中ではテイマーになれる素質が1番強い」と言っていただけで、“他の私がなれる職業”については「素質が弱いから」と今後の成長をおもんばかり過ぎて・・・・実は、話していなかった。
――――――――――聞いていれば、と、悔いても過去は変えられない。特にこの”過去“が“ここの未来”という複雑な状況になってしまっては尚更だ。そしてもし聞いていたならば私がやっている気になっている“テイマー”も虚栄だと気づいたかもしれない。虚しさが募る。
私のその時のステータスはこうだ。
帝麻萌那ステータス▼
▼年齢:27歳
▼性別:女
▼体力:15
▼魔力:180
▼知力:10
運:幸運3・悪運10・天運50
▼魔法1:土魔法・水魔法・火魔法・風魔法
◆障壁・石当て・掘り返し
◆飲料・攻撃(ピストル・大砲)
◆かがり火・烈火・火炎放射
◆微風・強風・神風・罰虚
▼魔法2:空間的範囲結界遊戯・創造魔法(作成・編集・コピー・削除)・生命魔法(回収・付与・危険察知・排除)・凧上げ寒太郎(風魔法複合・手紙魔法)・天の頂(火魔法複合)・桃色吐息・カレンダー・通信機(無線)
▼スキル:蜘蛛糸の踊舞歌・音娘千神・大童・笑転童子・愛似移動友・唱✕称・暴若歩陣・動物音楽団・死鈴眼次劣
▼その他:言葉遊び(ファンタスティック)・歌遊び(妄舞華)・土遊び(泥の城)・水遊び(水風船・スライムウォーター)・火遊び(花火)・風遊び(空中ブランコ・回転木馬)・
▼4ョ苦:テ#@魔ぁ**−;・異世界人・女神横竪の助力人
▼友人:ディオールウェリス(人間・26)・アンドーレリユース(人間・18)
こんなかんじである。ちなみにほとんどは魔力が足りているはずなのに何故か発動出来ないものばかり。特にスキル。使えるものが3割、使い方は明記されているのに何故か使えないものが6割、使い方もわからない意味不明なのに名前だけ明記されてるものが1割。
「戦う時に使えたらいいんだけど」
練習で使えないのに本番で使えるはずはない、と、わかっていてもすがりたくなってしまう。横竪さんが神になる前の兄弟のうちの長女が残した呪いのような凶暴化モンスター達をどうにかするのだ。
急だけれど、この世界に来る前に聞いていたことだ。この世界に来てもう2週間が過ぎた。第1波と先ほど言っていたから、2波、3波があるかもしれないということもわかる。
神に成れたのは“変わった男”が横竪さんの体を復活させたからであって、横竪さんの他の兄弟達を横竪さんが神の仲間として蘇らせようとしたけれど、”変わった男“と同じことは出来なかった。
何をしても誰一人として一切復活することは出来なかった。そして土地神として暮らすうちに、兄弟の魂に近いものの在り処がわかった時、もう一度兄弟を神として復活させる行為は無駄だと悟ったそうだ。
つまりその“変わった男”も神だったのだろう。
「もっと仲間が欲しい」
バグっているが、テイマーとして活動し始めた。なぜバグ状態なのかわからないけれど、もっとチカラをつければバグではなくなるかもしれない。
うん。がんばろう!
モナは寝息を立てている。その近くで2匹のモンスターも寝ているように見える格好でいた。ミナモと、イノシシのサイキョウから預けられたサイショウだ。
寝ているように見える。しかし苦しんでいた。2匹にはテイマーが使う首輪をモナに付けてもらっていた。そしてその2匹が先ほど一緒に横竪に会いに行ったならばきっと横竪の顔は歪んだに違いない。
神の勧めたテイマーという職業が神が人間だった時からどのくらい変わってしまっていたかを知らなかったから。
モナはテイマーを漫画やアニメやゲームの世界を基準にして考えていた。10年前のこの世界ならそれでもまだ間違いではなかったのだが、時間は恐ろしい。その時々によって常識とは変わるものなのだから。価値も常識も何もかも、人とは恐ろしい。
それによってモンスターがさらに凶暴化する原因となっていただなんてと、モナはあとで知ることになる。
―――――――――――――――テンクウちゃんともこの後出会っていた。
「スズね、喋れるようになったの!スズはね、スズだよ!」
朝から騒がしかった。
仕事とか忙しくなってきているので、不定期更新なうなう。
お気づきだろうか、友人欄はあるのに、仲間欄はないんだ。