ブックマーク600人超えありがとう記念SS・2
アカシアくん達のとある日のお話。
「ぷにぷにぷにぷに、ぷにゃははは〜」
「ぱにぱにぱにぱに、ぷにょへへへ〜」
「もにもにもにもに、むむむむも〜〜」
「モキュモキュモキュモキュ、にゅゆゆゆゆ〜」
「なにしてるんだい?」
小熊の子供たちが歌っていた。4人並んでお手々を繋いで1列になって楽しそうだ。
「アカシア」
「あいっ、あのね、モナおねーちゃんのマネしてたの。いいそーだなーって」
1番リーダーシップがうまそうな子に話を聞いてみる。アカシアは男の子だ。
それに続いて小熊の女の子も喋りだす。
「そうなの!それでね、そしたらね、面白くなったからみんなで歌ったの!えへへ〜」
「レンゲ」
ボケっとした小熊の男の子も続いて話す。
「えっとね、楽しいからねお母さんとお父さんにもおしえるの、だけどね、どこにいるんだろ〜?」
「マヌカ」
最後の子は自信満々に言い切るが。
「うんっだからね、おっきくうたえばみーんなが聞いてくれるからそれでもいいかなーってなってね、みんなで大きな声でうたったの!えっへん!」
「ヒャッカ」
そこは獣人の熊ではなく、動物の熊の為の施設のテントの中だった。
「みんな?ここは子供だけで来ていい場所だったかなーー?」
「「「「あっ!!ごめんなさーーーい」」」」
4人はお手々を繋いだままトテトテトテトテと熊の為のテントから出ていった・・・。いや、出て行ってなかった。テントの外からギリギリ入らないようにしてこちらを見ている。
「・・・」
じっ・・・
「・・・」
じぃっ・・・
「・・・」
じぃぃぃぃいぃ・・・
「・・・っっ」
うるうるうるうる・・・
「・・・・む、むり・・・ぐはっ・・・君たち・・・そこに居たら駄目だよ」
「「「「ぅあぃ・・・」」」」
ショボショボと帰っていこうとしている。
「ああ、そうじゃなくて・・・ごめんごめん、入ってきて良いよ。」
「ほんと!?」
「ナデナデしていい!?」
「むぎゅーは!?」
「ありあとー!!」
4人の笑顔に唯一話していた男はグハッと倒れた。
「こらこら倒れるな。倒れるな。」
熊の世話をしている人は可愛いものが好ましかったようだ。
4人はヨシ!と丸々とした小さな手をムギュッとしてフンス!とやったぜ!入れだぜ!と鼻をピスピスさせて興奮している。
「どうしてここに来たのかな?」
「あんねあんね、アカシアくんが言ったの。トウシャくんはトクベツだからね、ちがうところのトクベツも知ってたらヒャッカもおべんきょうになるかもしんないっておもったの!」
「うん??」
「マヌカはね、ふわふわなのにね、大きなお外の熊さんたちはゴワゴワってきいたからね、ココロもゴワゴワってしてるのかなっておもったの。そんなのヤダからね、ギュッてしてあげたらゴワゴワってなくなるとおもったの!」
「うん??」
「レンゲ、いいか?オレからはなれるなよ?デカーイのは大人しくてもコワイってきくからな。なにかあったらオレをタテにしてにげるんだぞ!」
「わかった!ピスピス」
「いやいやいやいや??」
結局何しに来たんだこの子達は??
ワチャワチャとして30分ぐらいしたら飽きたのか4人は帰っていった。
「たのしかったね」
「トウシャなにしてるかなぁ」
「モナおねーちゃんまたあいたーい」
「うん、またみんなでおどろうね!」
「今日のことはトウシャにもモナおねーちゃんにもヒミツだぞ」
「「「あーい!」」」
「でもアカシアくん、これでつよくなれたのかなぁ」
「強そうなおおきなものの近くにいるとつよくなれるって聞いたんだ!たしかだぞ!」
「マヌカももっと強くおっきくなるぅー」
「ずるーい!レンゲのほうが早くおっきくなってモナおねーちゃんのことひとりじめするんだもん」
「じゃあトウシャはヒャッカと遊ぶー!」
「ダメだダメだ!トウシャもモナおねーちゃんもみんなのものだぞ!マヌカもレンゲもヒャッカもひとりじめのことばっかり考えるなんてずるすぎるぞ!オレもひとりじめしたいのにーー!」
どこから聞いたのか「大きく強くなりたい」→→「大きな人やモノとずっといたら強く大きくなれる」という話を鵜呑みにした子供たちが、すぐに思いつくのが、動物の熊達のことがすぐに思いついた。動物の熊のは獣人のクマの5倍近く大きいので、子供たちがすぐに思いつくのも無理はなかった。
「すぐにおっきくなるかなぁ」
「あしたきゅうにオトナになってたりして!」
「たのしみー!」
「ねーー!」
そんなにすぐに大きくなれるわけはないのだがこの時の4人は自分達のオトナの姿を想像してウキウキしながら帰ったのだった。
次回は本編に戻ります。
明後日の予定です。
暑くなったり寒くなったりとか女の子デーとかで、疲れてすぐに眠くなる今日この頃。もうやだ。冬眠したい。冬眠。冬眠。冬眠。