第247話
if世界パートツー7話
「で、でも、今、普通にこの部屋に入りましたよね?」
外の護衛に普通に声かけて入っていたのに、接触がないと本人たちが思った所で見られてるじゃん??
「あの護衛の方は密会専用なんですよ」
!?可愛い顔してなんてこと言ってるんですかカカロットくんちゃん様!?(混乱)
「ちゃんと多めにお給料は渡してあるし、アナタがディオお兄様にもかけた魔法があの護衛の方にも私との繋がりでかけてあります。」
「な、なるほど。」
チラッとさっきの手紙を見やる。つまり、あれは。
「本当は、私もお兄様に直接会ってお別れを言いたかったのですが、兄上に手紙のやり取りを頼む以外になにもできなかったので、このようになっております。」
「こないだ会えたのは三日前だったか?」
「はい。まあお兄様自身があちらの街の領主なので周りの目がなくともなかなかお会いできないのですけれどね」
同じ王城にいて、同じ親の兄弟が、周りのせいで・・・ってやっぱりココ地獄では?アンドレくんがあの熱い抱擁中にディオさんとカカロット様の手紙をトレードしてたとか、スゴイ。全然気づかなかったよ。
「モナさん、今あのフクロウ呼べるか?」
「こっちから呼び出したこと無いと言うか、呼べるのかも知らない。」
「そうか。無理ならまあ、明日会いに行くなりすればいいか。」
「いつも就寝前には私の部屋のベランダに現れます。あとは気まぐれです。今晩来たらお二人の話をして明日お二人に魔法をかけるように言いますがそれでいいですか?」
「はい」
「頼む。」
「私は今まで人目を気にして暗躍するように悪意からは息を殺しつつ、そして自分の身を守るが為だけに人脈を広げてきました。その力を、モナ様に使い、そのモナ様が兄上とお兄様の命を助ける希望になってくれるのなら、今までの私のここでの暮らしが正しかったと思えます。」
カカロット様は伏し目がちにそう語った。まだ10代なのに中身は私より生きてるんじゃないかと思ってしまう。大事な兄弟が亡くなる未来視。それが見れるこの世界でのそれが“魔力夢”。こういう話を聞くとカカロット様が段々ループものの主人公みたいに見えてきた。
そう。カカロット様がもし嘘をつくとしても、この嘘で、カカロット様に得となるものが見えない。だから真実としか考えられない。なんせ、もし、“夢で見たモナ”が悪人だった場合も無くはないだろう。なのにカカロット様の1番の弱みである情報を抱え込んでいることを明かしてしまっている。
魔力夢で何を見たのか知らないけれど、それだけこの少年は私に信頼を寄せてくれているということだ。カカロット様、いえ、カルカーローンウッド様が信頼を向けてくれているのだ。大人の私が信頼を向けられて無視するなんて大人としてあってはならないことだ。信頼には信頼で答えようじゃないか。
「カカロット様。お二人は私が死なせません。」
「っ・・・よろしくお願いいたします」
カカロット様可愛かったなぁ。成長期のはずだけれど線が細くて可愛かった。少年。うん。
カカロット様とはすぐに別れてアンドレ様の部屋にやってきた。部屋に入れてもらう。外に護衛は居なかった。そういえばディオさんの部屋の外にも護衛いなかった。
私は気軽に入れるから気にしていなかったけど、つまり、2人共周りからぞんざいに扱われていたということだったんだね。人が配置されていないだけで嫌がらせだと誰が思うか、わからんわい。
部屋に入れてもらったらアンドレくんのモンスターが部屋でくつろいでいた。カラスとクロネコ。アンドレくんも主に黒っぽいから、黒、くろ、クロでやっぱり魔女では?なんてね。
移動のためにまた抱きかかえていたウサギのミナモを部屋に下ろした。ミナモはカラスとクロネコが部屋にいることに即座に気づいたけれど、クロネコのほうが素早かったのでミナモは後退りすらも出来ないままその場でミナモを起点に円を描くようにグルグルぐるぐる・・・クロネコさんにまとわりつかれてしまった。
「さて、話したかったことだが、モナさん、本当にテイマーとして活動するんでいいんだな?」
「ええ。その為にミナモも捕まえたし」
「テイマーはかなりツライ道になるぞ」
歴史について教えてくれた人も言っていた。テイマーはもうほとんど絶滅したような職業だと言っていた。そりゃツライ道になるだろうよ。
「わかっています」
――――わかっていなかった。アンドレは違う意味で言っていた。
「苦労も絶えない。身を切られる思いをした人が多いと聞いているはずだ。」
テイマーは仲間のモンスターの食事のお世話とか、寝泊まりするところとか専用の場所がほとんどない。昔は多かったらしいが今はほとんどないのだ。精神的苦労は目に見えてる。そのくらいの覚悟が出来ずにミナモはテイムしていない。
――――わかっていなかった。身を切られる思いをした人は精神的にもだが、肉体的にもという意味だった。それは苦労もするはずだ。アンドレはちゃんと忠告してくれていた。
「覚悟の上です」
――――もっときちんと話を深く聞くべきだった。しかし私はまた一歩、自分で進んでいったのだ。
「・・・・・・全てわかっているのなら・・・・もう何も言うまい。」
「睨んでいたのは、それらが心配だったからですか?」
「そうだ。それと。」
「それと?」
「お兄様がモナさんといると、自然な笑顔を出すから、その・・・・お二人は、ど、同衾を、し、したのかと、んんっ・・・」
「ん?」
「も、もう一度言わせる気か!?」
「どうきんってなんですか?どう・・銅像づくりみたいなものですか??」
「えっ同衾だぞ?聞いたこと無いのか?」
現代日本にドーキンなんて言葉あったっけかな???だれか、スマホ下さい。調べますから。スマホじゃなくてもいい。辞書。せめて辞書を下さい。わからんプリーズ。
「ベッドで・・・共に夜を過ごすことです」
アンドレくんが耳まで真っ赤に、本当に紅葉並みに真っ赤にして、言ってくれた。
「えええええええええええええええええ!?!?!?!?はぁぁぁぁぁぁぁあ!?!!???!?んええええええ????」
私達ってそう見えるの!?
叫んだらアンドレくんもその声に驚いていた。
知らない人からの心無い噂とかと違って、ディオさんの弟から、そう見えたの!?
まーじ、かーーーー!?油汚れに〜ジョイっ!キュキュットぉぉ!?(現実逃避)
頭がまっしろになった。
カラス、クロネコ、ウサギのミナモもモナの叫びにビビった様子だっとさ。
明日も続き更新予定です。
忙しいって何してたか?私は引っ越ししてないけど引っ越し作業と同じことしてたので忙しかった。落ち着いた。
今月は更新がんばるる。