第246話
ifツー6話(とうとう短くしだした)
ドキッと緊張が走ると、また胸に抱き抱えてたウサギのミナモがフスフスフスフスハスハスハスハスと鼻息荒くなって、さらにさらにまたバイブレーションし始めた。ちょ。
「その子床に下ろしても構いませんよ。」
「ふぇい!?あ!えっと!ありがとうございます」
唐突に声をかけてくれた者だから変な声が出た。ウサギのミナモは下ろしたらまた大人しくなった。ううん、なんなんだ。爆弾抱えているみたいで怖くなる。
カカロット様は小さなディオさんみたいに感じてしまうほど物腰柔らかな印象だ。アンドレくんのほうが粗暴で粗野に見えてしまう。・・・・アンドレくんの顔は目の下にクマもあるし、少し痩せ気味だから余計に良いイメージにならないのもある。
いやいやいやいや、見た目で判断しちゃあいけない。こんなにお兄さんや弟さんに愛情を注いでいるのを目の当たりにしたら、優しい人だとわかるもの。
もしや?きっとここ、つまり城の空気が合わないんだろう!・・・1週間しかいない私がめんどくさいなぁとか思ってるぐらいだから、実家なこの2人にとってはコレが日常・・え・・・地獄に片足突っ込んでるよね。
・・・・私この2人に尊敬の念を抱くわぁ・・・。
げふん。絶対大人な私より大人だよ2人とも。
「なにかくだらないことを考えていそうな気がする」
「兄上?なにか言いました?」
くだらなくないんだけどなぁ。話が進まないから、考え事はここまでにしておこう。
「ごめんごめん。ええと、先ほど言っていた事を改めてお聞きしたいのですが構いませんか?」
「?」
仕草がまだあどけない感じだなぁカカロット少年様。
「私のことは、このアンドレくんと、ディオ様と、私をこの世界に連れてきた神様の関係者しか知らないと、思っていたのですが・・・まさか、そうではなかったのでしょうか?」
『そちらが例の神に選ばれた異世界の方ですか?』とカカロット少年様は言った。あの山川谷トリオくん達にも口止めしている。ただの口止めではない。フクロウのタイサイさんの魔法でディオさんとあの3人には特殊な魔法で私に知らせが即時届くようになっている。つまりその4人から漏れた可能性は1ミリ足りともあり得ない。
「この王城に広がってしまっているのなら、私は」
「違います!」
「俺だ」
アンドレくんが犯人でしたか。ですよね。ディオさんが1人だけ信頼のおける人物に協力を仰ぎたいからと、タイサイさんにも私にも相談してそこだけは了承していたから。
「申し訳ありません!私が兄上に詳しい話を所望したのです。」
「モナさん、済まない。タイサイ様の魔法は後でちゃんと2人共受けさせてもらう。ここだけは、カカロットだけは仲間に入れさせてくれ。本当に大事で重要な協力者が欲しいなら、俺じゃなく、カカロットのほうが色々な情報が得やすいんだ。ディオお兄様よりも俺よりも、絶対に。」
「・・・・どういうことですか?」
アンドレくんは聞く所によると18歳。ディオさんは26歳。2人共いい大人だ。その2人より、目の前の可愛らしい顔の12〜13歳ぐらいの少年のほうが情報が得やすい?意味がわからない。
「ディオお兄様はここが生まれた家とはいえ、王室から籍を抜いた身。籍を抜いただけでいい顔をされない者が多くなるのが王城だ。・・・それと、俺はそんなお兄様と懇切仲良くし、そして、“厄災が纏わり付く命”と言われ忌み嫌われている俺は、この王城に基本的に居場所などない。」
えっ
「この末の弟、カルカーローンウッドは幼少のみぎりより俺達2人とはほとんど関わっていない事となっている。だからこそ、この王城では俺やお兄様よりも権力も持ち合わせている。」
「困らせて申し訳ありません、モナ様。私は、私は、お役に立ちたいのです」
「・・・・・・なぜ?」
「モナ様が兄上とディオお兄様を助けると、魔力夢で見たからです」
まりょくゆめ?なんぞそれ。
「いわゆる、未来視、です。数年前にモンスターから譲渡、されてしまいまして。兄上だけには話してある、事実にございます。」
うぅん!?情報過多過ぎてアタマぱーんなりそうですわ!?
明日も続き更新予定です