第245話
if世界パートツー、5話。
何話まで続くかは作者にもわかっていない(え?)
王城の廊下を歩きながら、アンドレくんは先に立ち寄りたい場所が近いからと一緒にそちらに向かった。アンドレくんの部屋は知っていたから、先にアンドレくんの部屋に行ってていいと言われたけれど、人の部屋でどの程度待つことになるのかわからないので・・・というか、この王城のメイドさんたちのあらぬ噂話のマトにこの「あの女、アンドーレリユース様のお部屋に勝手に入って行ったわ!」が加わるのはちょっと避けたい。そこからの余波ってヤバそうじゃん?うわさってコワイカラサァ・・・。
そんなわけで“構わないのであれば”と言ってみたら、大した用事ではないからと、同行を許可された次第で、私達は今、1つの部屋の前に着いたのである。
豪華な扉。ディオさんの部屋とアンドレくんの部屋の王城のドアもキレイな細工が施してあったけれどここもキレイな細工が施してある。というか、うん。きっとあれだな。うん、だって、全部を見てないから絶対とは言い切れないけれど、他の部屋のドアは質素。つまり?
「少しだけ下がっていてくれるか。弟の部屋だ。」
はい、ビンゴー♪ディオさんから聞いてたけど、ご兄弟多いって言ってたもんね。これだから王族は。庶民は人が多いと“大所帯”って一言で済んでしまうけど、王族の人が多いは“大所帯”じゃ済まない。
城の中はそこだけで特殊な異国になっている。本当に国が別になるって意味じゃないよ。人間関係とかさ、やっぱり1週間しかここに居ない私でも片鱗は感じる。外の世界と城の内側は別世界である。
大奥しかり、韓流時代劇しかり、ちなみにチャ●グムが私は好きです。再放送の録画をお母さんが休日に流していたから一緒に見たらハマって見た事があった。
まあつまり何が言いたいかって言うと、権力のお膝元って怖いよねって話。とかなんとか考えているうちに、アンドレくんは護衛の人に話をして、護衛の人が中の人に声をかけて、返事がもらえたようなのでドアを開けて案内され・・・あっ待って待って、おいて行かないで!と、アンドレくんの元へ駆け寄ろうとしたら、アンドレくんに弾丸が飛んできた。
比喩です。弾丸のような少年がアンドレくんにドカンと1発突進した。あのイノシシさんを思い出してしまった私は悪くない。悪くないぞ。
「兄上!お兄様は、出立されたのですね」
突撃してアンドレくんに抱きついた少年は少し声がは震えているようにも聞こえる声で顔もあげずに聞いていた。
「ああ、その件だ。部屋に入れてもらってもいいか?」
「はい。メイドを呼んでお茶を入れさせます」
「ああいや、この後そちらのモナさんと話があってすぐに部屋に戻る予定なんだ。」
おっと私が引き合いに出されましたよ。んんんん。目の前のその弟くんに睨まれましたけどぉアンドレくん、ちょっとお姉さんどうしたらいいのかわからないなぁ〜?ん〜?
「モナさん、ほらそこに立ち止まってないで入ってくれ」
アンドレくんに促されたけど、弟くんに聞かなくてもあの顔見れば、部屋に知らん人入れるの勝手に許可したらだめだと思うよ。アンドレくん。
私は入っていいみたいだけど、さっきのドアの前で立っててくれた護衛の男性はさらに別室に下がってもらっていた。基準がわからん。
入り口を閉めて護衛の足音を遠ざかったかを確認して、しんと静まり返ったところでようやく2人は喋りだした。
「まずはカカロット。お前に渡すように預かっていた手紙だ。」
アンドレくんの懐の内側の胸ポケットから取り出したるわ、伝家の宝刀、じゃなくって、手紙が4通出てきた。
「ディオお兄様とあの3人からですね。ありがとうございます。後で読ませて頂きます」
ディオさんの分には切なそうに、3人の分にはにこやかに手紙に書いてある宛名を見て目を細めた少年は・・・カカロットというらしい。カカロット様。見た感じ12歳か13歳ぐらいかな?可愛いい顔してカカロット。
カカロットはほら、私からするとさ、もうドラゴン●ールの悟空しかないんだよね。カカロットォォォォォって叫ぶベ●ータのお陰です。陰の実力者ですかそうですか。目の前のカカロットォォォは、全然カカロットォォォじゃない顔っていうか。純然たる貴族のお坊っちゃん以外の何者でもないというか。
私のカカロットォォォ像と一致しないので、ディオさんといい、アンドレくんといい、私の脳内をバグらせようとしているに違いない。ムリ?知ってる!名前だもの。わざとじゃないのは、分かってる。
くっそ、「世界でいっとー不思議な奇跡!」じゃないんだよ?「この世はデッカイ宝島!」いいね、行きたいよ宝島。じゃなくて。「そうさ〜今こそアドベンチャーァー」・・・・うん!考えるの止めよう!!
「そちらが例の神に選ばれた異世界の方ですか?」
おっとぉ??
明日も続き、予定です。