第241話
またif世界のお話ですなう。
〈ざっくり説明〉
if世界→モナの異世界転移後すぐの過去であり、本編の10年後の世界。
〈ざっくり説明その2〉
モナは過去の記憶を取り戻さないと死ぬよ、と真っ白い神様に言われて過去の、if世界を思い出してる最中です。
私は王城に住まわせてもらうことになって数日が過ぎて、あのディオさんの弟子くん達3人とも仲良くなっていっていた。
今のこの体になってから、このif世界を思い出して今更思うことは、どの世界でも出会うべき人とは出会うということ。ディオさんとアンドレには出会うべくして出会った。んだと思う。
それにしてもアンドレは今(8歳)でもif(18歳)でもお兄様スキーだったなぁ・・・。ディオさんとは王城の森で本当の初対面を交わしたけれど、アンドレと本当の初対面は王城の中だった。子供では無かったけれど、初めて会ったアンドレは、地方巡業から戻ってきた所で、少し疲れた顔をしていた。いや、今考えると、あの疲れた顔には見覚えがある。
ミギィさんの食事療法を受ける前の“痩せ細り全体的な血行が悪くそして目の下にクマが出来ている”状態のアンドレだった。もしや、if世界ではアンドレは高級食材ばかりを食べさせるという専属コックのままだったのかもしれない。
「只今戻りました」
「おかえり」
アンドレは、いや、その時の通常の私の10歳ほど歳下の子、アンドレくんは、ディオさんとあついハグと握手を交わした。弟が帰って来ると楽しみにしていたディオさんにお呼ばれしてディオさんの部屋でアンドレを待っていたけれど、微笑ましい兄弟愛は眼福です。うーん、こういうの見ちゃうとウラヤマけしからん。
「お兄様、お体の方は安定しているとお聞きしましたが・・・」
「足の方はもう動かないと言われた。」
「そ、・・・でしたか。」
ぐっと堪えるような顔をしたアンドレくんは、すぐに立ち直り、私の方を向いた。
「初めまして。お兄様からお話は聞いております。アンドーレリユースと申します。」
「初めまして、王子様からのご挨拶、感謝痛み入ります。モナ・テイマと言います。お好きにお呼びください。」
ディオさんとは砕けた感じに出会ってしまったけれど、この数日に勉強したのでそれなりの礼法は入れたつもりだ。良く出来た私!と、思っていたら、2人に変な顔をされた。あれ?
「お兄様、お伝えしていなかったんですか?」
「すまない、そうだったね。礼法も教わっていたから、普通にそれをやってくれただけだよ。ごめんね、モナ。アンドレは、モナが異世界から来たということを唯一話している子だ。私が居ない時などアンドレに相談してくれるといい。」
「あ、なるほど。わかりました。」
切り替えの早さにさらに驚かれたけど、社会人やってたら切り替えの大事さってほんと重要な時あるからね。あっははは。
「本当は女性で信用の置ける人がいたらモナにつけたかったのだけれど、この王城では私の味方は今はもうほとんど居ない。私もアンドレも異性で申し訳ないが」
「いえいえいえいえ、かなーり助かってます!」
覚えることは色々あれど、野宿or王城、なら、王城ですよ奥さん!キャンプならね、まだいいの。でも、着の身着のまま、火もナイフも水も着替えも食べ物も何も無し。心づもりもない、そんな状態ではターザンもビックリだよ?
・・・・あとさっきから気になってたんだけど、肩にカラス。と、黒猫。ん?アンドレくんは魔女かな?
「モナ、昨日話したけれど、私はこの足の治療のためにここに来て領主の仕事を置いてきてしまった。さすがにそろそろあちらに帰らねばならない。そして食客として招いてしまった以上、モナにはこちらに付いてきて貰わねばならない。」
「はい。旅は初めてですが、頑張ります!」
というか日本国内も旅はそんなにしたことないというか、深夜バスにも乗ったことないから、不安過ぎる。旅と言ったら新幹線か飛行機。
この世界どっちもないだろう。
漫画とか映画とか加味して、ここの世界観の想像からして、ロード・オブ・ザ・リングとかのイメージに近い気がするような、ハイジとかぐらいの車や鉄道はギリギリあるような、うーーん、外に行ってみないとわからないけど、王都の端のウマヅラの所に行った限りだと文明はそこそこって感じ。もっと横竪さんと話したかったなぁ。まだこの裏の森で寝てるらしい。
起きたら起きたで自身の守り神をやってる土地に飛んでしまうらしいから、起きてほしいような起きてほしくないような。
「それなんだけどね、私は急ぎ帰らねばならない。アンドレと共にゆっくりきて欲しい」
「「え」」
えーーーーー!?
アンドレが“お兄様そんな話聞いてません”からの2人にしてくれと頼まれたので私は割り振られた部屋に戻った。部屋に入ろうとしたら私に挨拶をして通り過ぎようとした子を止めた。
「ディオ様、今はアンドレ様と二人きりで喋りたいからって今は会えないよ〜」
「えっそうなんですか!」
3人のうちのひとり、ヤマーくん。山川谷トリオと私は心の中で呼んでいた。だってヤマーくん、リヴァイくん、シャタニくん、だから。ちなみにシャタニくんは15歳であとのふたりは13歳らしい。初頃の年頃だね。青春時代。かわよかわよ。ってなんかおばさんだな私。
「急用?」
「できたかもしれないんです!」
「出来たって・・・あ、あれが!?」
「そうなんです!魔獣のやつです!」
えっすごい、君たちドラえもんになるつもりかい!?
ざっくり説明その2の状態になんでなっているかというと、アンドレとディオのせいというか、モナのせいというか。真っ白い神様は悪くないです。あっオウジュさんが呼ばなきゃそもそもそんなことにはならなかったから・・・でもそうなると話にすらならないんですよね。
アンドレ1人のせいにしておこう。
アンドレ「おいこら作者!!」
テンクウ「アンドレ強くなったねぇ(親目線)」
アンドレ「えっ(犬に親目線という困惑)」