第232話
遅くなりました〜。
ネコ、猫、ねこ、の回です。久しぶりなので各ねこに対して説明いれてあります。
スズちゃんがここに来ない時点で気づくべきだった。来ないんじゃない。来れないんだ。フテゥーロちゃんのことを招待していたくらいスズちゃんは、トウシャくんのカミナリの魔力帯から魔力をいっぱい摂取して力が強くなっていたはず。
なにか私の体に異変が起きている・・・・?
「ままー、みてーネコちゃん」
「ほんとねー」
人混みの足元を早足で駆け抜けていくネコが5体いた。人混みの足元が危ないと察知するとすぐさま近くの木々へ飛び移って先程までいた人混みを見下ろしつつお喋りに興じていた。
「今年、すんごい多いっすねー、人!人!人ぉ!」
そう言ったのは縞模様のネコ、不死鳥猫のカラスキだった。
「おやびん!劇見に行かなくって良かったんですかー?おやびんの話も見れるんでしょう?」
ぶち柄が可愛いこのメンバー唯一のメスネコ、コエキは疑問を投げかけた。
「あ、れ、は!俺様じゃなくて、先代の、ビャッコ様なんにゃ!」
真っ白い毛並みが美しい俺様口調のネコ、ビャッコはフシャーと息巻いた。
「おなじじゃ?」
「ちがわい!」
「・・・・Boss、照れてる。昔話、また、聞きたい。」
つぶやくように喋ったのは毛量が極端に少なくスリムなネコ、悪夢猫のタタラだった。
「昔話はまたしてやってもいい、しかーし!あの劇のは俺様じゃあにゃいから話すことはにゃにもにゃいにゃ」
「にゃっふー!あにきぃの昔話また聞けるんですか!めちゃくちゃ嬉しいです、いつですか?今はさすがに駄目ですよね。あ!せっかくあにきぃの昔話聞けるのなら、あにきぃの為に座り心地のいい場所の確保とかしといたほうがいいですよね?話長く聞きたいんで、あにきぃのためにオレ頑張りますよ!」
そうつらつらとテンション上がって喋ったのは茶色のネコでお喋りで世話やきな、液体猫のアメフリだった。
「お、おう。そこまでしにゃくてもいいからにゃ・・・」
適当に話すつもりが大舞台を用意されそうな勢いだったのでビャッコは若干引き気味だった。
「それより、変な気配は見つかったか?」
「やっぱり途中まで追跡しては立ち消え、また見つけても途中までしか追えずを繰り返しています。」
「やっぱりか、変すぎるし、なにかニオうんだよな」
「屁のニオイっすか?」
カラスキがわざと口に肉球を当てて器用におならのような音をプウッと出してみせた。いつもなら怒ってドツキまわすビャッコだが、今日は違った。
「だったらよかったんにゃけどな。」
真剣そのもので、みんなも不安が伝染する。眉間のシワがそれぞれに刻まれた。
「トロキとトカキとスバルの合流は遅れているな。なにか無いといいが」
ビャッコ、カラスキ、コエキ、タタラ、アメフリの5匹は今まで感じたことのない、変な気配が祭り中に漂っていたため、楽しみにしていたはずのお祭り中、ずっと警備をしていたのだった。
「すまないな、コエキ。」
コエキはフェスティバルキャット、つまり、祭を愛する猫でビャッコ達よりも人一倍、いや、猫一倍、祭りを楽しみにしていたネコだった。
「いいんですよ、おやびん!お祭りを楽しめないよりも、お祭りにパニックが起きたほうが私はツラいんで、このままお祭りが無事に終わることが私の本望ですにゃーーー!」
ニコッとみんなに笑顔を向けた。
「ダンナァ」
すると木々のうねり、ひずみがぐにゃぐにゃと動くように見えた先から来るネコがいた。長毛猫種で蜘蛛猫のトロキだった。
「この変な原因わかりましたヨォ。原因わかりついでに、タヌキの集落に急いだほうがいい。まだみたいだが間に合うかわからないナァ。一応トカキが行ってくれていますナァ、あと少なくとも力のあるやつが2匹は行かないと危ないと思うナァ」
「なんだ!?どうした!?」
「古代ネズミ達の反乱が水面下で起こっていたようで、煽動したのはあのサル騒ぎから逃げ仰せたボスザル達だとわかりましたナァ」
「なんだって!?」
「この祭り内にも山のように潜んでいるようです。」
「まて、古代ネズミぐらい俺達には探すことも容易なはずだ。なぜわからなかったにゃ」
「白のダンナァ、俺ぁ、ネズミを追っかけて知ったんじゃねぇんです。トカキがたまたま気づいて近づいた人間が勝手に喋りだしたんですナァ。」
「あ?トカキが近づいた?俺達の知り合いってことか?」
「サルの時にモナちゃん同じく、サルに立ち向かって言っていた人間、えぇと、冒険者ってやつをやってたって言ってたあの人間達ですナァ。」
「あっ!そいつら、オレちの不死鳥変身を追っかけて来た奴らだ!」
「「えっカラスキお前追いかけられたの!?」」
「オレちほら、カッコイイからモナちゃんを攫った鳥だと思われたんだ〜。スッゲーだろ」
「そいつらで間違いないか?」
「そーですナァ。あと、知らない男が1人、その冒険者達とは別行動してました。冒険者と違って魔力をあまり感じなかったので、普通のその辺にいた猫達に尾行させていますナァ。」
「よくやった。スバルはどうした?」
「実はテンクウに会ってそちらに協力しているはずだナァ。」
「はぁ!?なんでテンクウ?あいつ鼻が利くから俺様達の力借りなくても結構色々こなせるやつだろーが」
ビャッコがそう言っているのを横目にタタラとアメフリはコソコソ話を繰り広げていた。
「あにきぃ、なんだかんだ言ってテンクウ信用してますよね」
「・・・親友。仕方ない」
「聞こえてんぞぉ!タタラ!アメフリ!お前らはタヌキんとこ行って来い」
「「はい!」」
怒りに任せて任務を言ったわけではなく、ちょうど頼もうとしていた2匹が喋っていただけで他意はない。タタラは人間に強い”悪夢キャット“。アメフリは”液体キャット“人間の足止めには欠かせない存在だ。
「ったく。任せたぞ!」
「・・・了解」
「にゃっふー!いってきまぁーす!」
2匹は颯爽と去っていった。
次回は明後日予定です
10月ですね!ハロウィンハロウィン!新アニメ新アニメ!
今月アニメとかアニメとか遊びに誘われてたり同窓会?的なのもあって忙しすぎて死んでしまうかもしれない。更新遅くなったら察していただければ。あばばばば。
ヾ(*´∇`*)ノ