第227話
モナ、回想、なう。
「そこの人、危なーーーーい」
突然空から声が響いた。森の中で危険なことと言えば土砂災害に山火事に遭難とまあ色々あるから、警戒してみれば、何故か人が降ってくるという暴挙。どうしてこうなった感満載ですよね。ハイ。わかりみが深い。
まあね、ギリギリ、“人が降ってくる”を通常運転として、許容範囲を拡げたとしよう。しかしだ、ワトスンくん。私は一切わからないのだよ。その人と一緒に鉄骨隆々なすんごい重そうでむっちりがっちりした車椅子、車椅子だよ?その車椅子と、男性が共に降ってきた事が全く理解出来なかった。
筋肉ムキムキなら筋骨隆々と言いたいところだけど、車椅子ががっちりむっちりむっちりがっちりしているからね、鉄骨隆々で正解なのだよ、ワトスンくん。
「とか考えてたら、あ、コレは詰んだ」
「変形!3番」
え?なんぞ?
降ってきた男性がそう叫ぶと、車椅子が超絶変形したんだ。ナニイッテンノ?いやいや、本当なんだって。スーパーロボット大戦もビックリな車椅子変形。車椅子から普通の木の椅子の足元の脚みたいなのが4本生えました。ニョッキリ。NHKのニャッキ!じゃないよ?ニョッキリ!生えてきたんだよ。意味がわからないね。しょうがないよね。
でもそれが生えて、地面にそれが突き刺さると安定したからかその車椅子は今度は、イモ掘りロボットのゴンスケの腕のような部品がニョキニョキ生えて、男性の落下をすんでの所で回避させた。もとい、空中キャッチした。すごい。
「上手くいった。はー、凄かった〜。あ、お怪我はありませんか!?」
「は、はい。・・・何も。健康です」
動揺を隠せてない勢です。はい〜。
まぁザックリ言うと、この10年後のディオさんは元・妻に腰をさされて足が動かなくなった元気な発明好き人間だった。
足が動かなくなったあと、自分の時間が増えて、近くにあったもの、車椅子を改造して遊んでいたらしい。
でもだからって車椅子がガッコンガッコン、ジャキジャキーーン、ドゥルルルルルなどなど、音を発するなんて聞いたことも見たこともなかった。長生きはするもんだなぁ。
「君、1人?どうしてここにいるんだい?迷子?」
いい大人がいい大人に「迷子?」と本気で聞いてる。本気で聞いてる。笑うしかない。迷子じゃありませんよ。
「ここは王城の森の中だ。私はいつも散歩がてらに来ていたりするけれど、君みたいな人がウロウロしているのは見たことない。」
o-u-jyo。ってははは、ないないない。つまりはお城。
「ほら、あそこ」
「あったぁー。そしてこれはあれだな。立派なお城の背後に現る女性=不審者ってわけですね!?」
「まぁ、そういう事になるね。」
しまったなぁ。というか私は不可抗力だとおもうの。女神様に連れられて来たのがここだっただけで、別に城に忍び込もうとかそういう考えは一切ないですのことよ?
そんな会話の最中、私は王城に連れて行かれる事になりました。ただディオさんは車椅子なので私を連行とまでは出来ないので、私は進んで付いていくような形になったわけですよ。
「それにしてもすごいですね、それ。重くないですか?」
「重いよ。魔法機構を内蔵してるからね、どうしても重くなってしまうんだ。ホラ、私体が不自由だろう?だから色々機能を追加していたらこうなってしまってね」
横竪さんに色々聞いたけれど、魔法機構は始めての言葉でしたよ。
私とディオさんは森を抜けながら自己紹介も済ませ、魔法機構のことや、森のこと、王城のことを教えてもらった。しかしあれだな。人間が降ってビックリしたりして色々と我慢してたけど、これだけは言わせて欲しい。
顔がドストライクで私の好みです。ヒプノ●スマイクの寂雷先生ぽいような雰囲気なんだよね。うー、好きな顔です。あばばばば。
私さ、10年後の世界も、今のこの5歳のこの姿で現れた世界も、ブレない。私ブレない。好きなものは好きだからしょうがない!よね。
後ろからフクロウのタイサイさんが戻ってきていたのにも気づかないくらいに、好きな雰囲気な人がいることでテンション上がっていたんだよね。
フクロウのタイサイさんには迷惑かけたなぁ。
続きは、明後日予定です