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第212話

「いや、やっぱり本人がいるんだから渡した方がいいよね」


「むりむりむりむり、落とす!盗まれる!拐われる!」


子供に大金持たせようとしてる!?えっどうしたリーリーさん。


「・・・そうだよね。なんでこんなに渡しても大丈夫そうだと思ってしまうのかしらね。ミギィさんかレフティさんに渡そうと決心していたのに、目の前にしたら、なんだか渡しても落としたりせずにキチンと管理出来そうだなぁと思ってしまったのよね。モナちゃん、まだ小さいのに」


リーリーさんが混乱している。なんだろう。えええ。落ち着けもちつけもっちもち。落ち着け~。


「私より小さいよ!」


「僕よりは大きいけどね」


ちょっとひと悶着あったけど、ミギィさんかレフティさんが来たときに渡すという話に収まった。うん。掘り返して聞くんじゃなかった。後悔。後悔。また後悔。好奇心が身を破滅させる。


お金を2人が貰ったら、そのお金は2人にあげよう。私の生活費も日々かかっているし、日頃の感謝ってことで管理名目であげてしまおう。私自身欲しいものとかあんまりないからか使い道が思い付かないし、2人に使って貰えたら恩返しにもなるし、ね。


「またね~」


「また遊ぼーねー」


「ばいばぁい」


リーリーさん、ミリーちゃんとユリーくんとお別れをして食べ物屋台ゾーンに戻った。








「「うまっ」」


「本当だ美味しいねコレ」


アンドレと私が同じ声をあげてしまったけれど、みんなも同じ意見しかあげない。プントさんも老齢っぽいのに、私よりも食べるの早い。単なる串肉、されど串肉。噛むとフワッと柔らかく、口には肉汁がブワッと溢れてジューシー。肉汁で溺れるとはこの事か。ハンバーグみたいなお肉ではなく固形のかたまり肉なのに凄いな。料理人の腕の凄さがコレ1つでわかる。


「もう1つ下さい」


「お、俺もっ」


「私も!」


プントさんが率先して買いに行って、アンドレとディオさんが後ろから追加を要求してる。ヨコシャルさんも買いたいみたいだけど、その後ろでうろうろしてる。それに気づいたディオさんが更にもう1本!と声を出している。ディオさん優しい。


私とトウシャくんはそんなに食べれなくて、タイモちゃん達とそれを眺めて道の端に座って眺めていた。・・・・あれっそういうば1人足りないような。


「あれっそうだ、銀さんどこ行った?」


「ぎんさん?もにゃ、ぎんさん?って?」


「あ、ええと、チェルキョさんのあだ名。チェルキョさんって言ってアンドレ達と一緒にいた若い男の人いたでしょ?その人どこ行ったのかなって」


「あっほんとだー。あの男の人いないねー」


トウシャくんも気づいてなかったみたいだ。いつの間にやらいなくなっていたみたいだ。アイスショー見に行く時はいた気がしたんだけれどなぁ?あれ?


「キュンキュンきゅーん」


「モナちゃん、アイスショー見てた時はもういなかったのよ。」


タイモちゃんが教えてくれた。


「ヒツジさん、そういうばお外でお喋りしてなかったね。こんにちわ」


トウシャくんがタイモちゃんにペコリと軽く挨拶してる。なんだこのクマさん、可愛いがすぎる。ってそうじゃなかった。


「トウシャくん、あのね、タイモちゃん達は実はモンスターなの。モンスターが苦手な人がお祭りには多いから、私のおうちのなかではお喋りするけど、外では内緒、“しーーっ”てしてるんだ。だからね、トウシャくんもお外では子供だけの秘密にしないといけないんだよ。」


秘密!の指立てを口の前にやりながら、しーーって言ってみたらトウシャくんも口に指立てをした。


「秘密!ひみつなの!えへへ。うんっ!トウシャねひみつ守るの!しーーってする!」


ニコニコしていたけど、急に顔を曇らせたトウシャくん。・・・どうした?


「・・・あのね、もにゃ・・聞いてもいい?」


「なぁに?」


「モンスターと獣人ってなにが違うの?(とう)ちゃは獣人だけどアカシアくん達も獣人だっていうの。アカシアくん達もトウシャと同じモコモコなのに。あとねモンスターも動物も似てるの。なにが違ってなにがダメダメなのかね、トウシャわからないの。」


「そう、だよねー。私も見ただけじゃわかんないよ」


この世界のモンスターと動物と獣人の違いは“血”だという。曖昧な所もあるけれど、確かに違うのは生命の長さや食事だ。


「あのね、トウシャくん。」


「うん?」


「モンスターでも人間でも、いいこも悪い子もいる。何も考えないで過ごす子も、トウシャくんみたいに色々なことをなんでだろうって考える子もいる。それは大人も子供も同じだし、人間でもモンスターでも同じだよ。だからね、トウシャくんはモンスターでも獣人でも、今みたいに考えることを忘れないでね」


「どうして?」


「だってそういうトウシャくんが大好きだもん」


「あのね!トウシャももにゃ大好き!」


むぎゅーって座りながら抱き合った。クマ体温も私の子供体温も温かいから夏の風も相まって少し暑かった。


「ずるいぞモナ!」


アンドレが串を持ちながらこっちに文句を言っていた。


「俺もトウシャとぎゅうしてみたい!」


「んえ?」


トウシャくん、急にモテモテでアンドレのそのセリフにビックリしている。


「やーだー、トウシャくんはあげなーい」


「もにゃ!?」


「トウシャ、この肉あげるから、ぎゅーさせろ」


「おにーちゃ!?」


「お兄ちゃん!?そ、そうだな!俺はトウシャより年上だから、お兄ちゃんだよな!ふふん!お兄ちゃんだぞ!モナはお姉ちゃんと呼ばれたか?無いだろう。」


「別に悔しくなんかないよー。トウシャくんは私がぎゅーしてるもんねー」


「くっ!」


ふはっ。そんなに悔しそうにしなくても。アンドレがそんなにトウシャくんのこと気になってたとは知らなかったな。串肉を手にした大人達もその光景に食べるのも忘れて笑顔が絶えなかった。

(°Д°)自分で書いててチェルキョなんでいないんだっけ?ってすっかり忘れててチェルキョを書きそうになりました。ちゃうねん。チェルキョはディオさんに、アンドレについての王都でのことを調べにお使いに出してるねん。



リネア「次回はわたくしが少しだけ出ますわ!」


モナ「リネアさん!息切らせてどうしたの?大丈夫?」


ナカバ「私も出る予定やよ~」


モナ「食べ歩き再び?」


ナカバ・リネア「「残念ながら別々に出るから食べ歩きはない」わ」


モナ「なぁんだ~」


次回、「恋人というのは祭りで2人で過ごすのか!?」アンドレおののく。


明後日予定です。


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