第203話
「大丈夫だよ」
困っていた私にゲイリーさんが教えてくれた。というかまだいたんだ。ゲイリーさん。
「リーリーの息子の時もこういう時があったよ。子供ってのは早く成長したいものなのさぁ。だけれどね8歳を越えないと神殿で祝福を受けようとしても、祝福ごっこで終わってしまうんだよ。残念だけれどね。」
はっはっは、と、笑いながら話してくれたそれは聞けば聞くほど不思議だった。誕生日ではなく大雑把に誕生月であればまだ7歳でも8歳のくくりとして祝福は受けられる。祝福は1度きり。魔力が安定するのはみんな同じだけれど、加護は貰えたり貰えなかったりする。職業は天性の才能を加味したものだけれど、無視して別の職業に就いても全く問題ない。などなど。
私異世界に来てこんなに異世界を異世界だと思ったのは今日が初めてかもしれない(心の壁・・・)異世界わけわからん。
「5歳だからまたわからないよね!」
「うん!そうなの!」
乗っかった。
私の祝福ごっこは結局することになったらしい。私に
なぜか決定権がない不思議。なぜだ。アンドレめ。ディオさんもなぜか生暖かい目を向けてくるし、なんぞ。あれか、子供可愛がりか!くっ・・・5歳だから仕方ないかー。(あきらめ)
私は気絶から立ち直ってまあまあそこそこ元気になったとゲイリーさんからお墨付きもらったので、アイスショーに向かった。
「もにゃ、楽しみだねぇ~」
「あの、付いてきてしまって良かったのでしょうか」
ゲイリーさんと小熊ーズとはテントでお別れしたのだけれど、ヨコシャルさんとトウシャくんが付いてきた。ポテポテと歩いているトウシャくん可愛い。セイリューちゃんも自分で歩きたくなったのかトウシャくんと並んで歩いている。セイリューちゃんに歩きの効果音付けるなら是非ともぷきゅぷきゅぷきゅぷきゅでお願いします。
「このスズメかわいいな」
「この子はずいぶん大人しいですね」
アイスショーに向かいながらアンドレの肩にスズちゃん。ディオさんの胸に抱き抱えられてツキノさん。しっくりきすぎて嫉妬してしまいそうになる。変な顔してたらタイモちゃんがもふもふを押し付けて来てくれた。
このもふもふ度合いは本当にもう。本当にもう。アイスショー行かなくても良いんじゃないかな。
「モナちゃん?置いてくぞ?」
チェルキョさんが冷めたというか呆れたというか、戸惑っているというか。うん!声かけてくれてありがとう!アイスショー楽しみだなぁ!
「なんであんなにムキになったんだよ。疑われただろ!」
「お前もチラッと考えただろ、あの子絶対将来有望のテイマーになれるって」
「思わなくもないけど、別にあんなに口論みたいにならなくとも誘えただろ。相手はまだあんなに小さい子供なんだから」
「あっ」
「どした」
「思い出したんだよどっかでみたことあるなって言ってたろ」
「あー、うん?あの子どこかで見たか?」
「わからん」
「どこの誰なの?」
「それは詳しくは知らない。そういうのじゃなくって!ほら!先日のさ!子供が拐われたって追いかけたのあっただろ」
「そんなのあったか?って!あれか!?えっ?でもあんな子供だったか?もう少し大きくなかったか?」
「ん?あれって、火の鳥のやつのことか?マックドゥの森散策したけど結局見当たらなかったから、そういう幻影魔法とか錯乱系の集団催眠とかじゃって話にまとまってなかったか」
「いや、絶対あの子だって!」
「あの子の周りにいたモンスター、見たことないのばっかりだったな」
「ウサギもか?あれ食料だったんじゃ?」
「あのウサギは火山ウサギの亜種で宝石ウサギってちまたで呼ばれてるやつのはずだ。涙やフンが宝石としてまれに精製されるらしい。機嫌がいいとだすんだったかな。毛色は白だったから白系の宝石が出るはずだ」
「なっ!?そのモンスターだけで生活していけるのでは!?」
「・・・譲ってもらえるか交渉したい」
「いやいやいやいや、俺たち冒険者だぞ!?目を覚ませみんな!女の子1人を囲んで怖がらせた挙げ句、彼女のモンスターを恐喝しようと考えたらダメだぞ!?」
「ははは!ジョーダンジョーダン」
「それにしてもあの子、鳥に拐われていたわけではなさそうだったな。」
「あっうまそうな串肉~」
「もうその話はやめようぜ。それより次の仕事どうするかが問題だ。領主様から受けた依頼も終わったから次の仕事まで無職だぜ。俺たち。」
「あっちの行列出来てる“メンスープ”うまそうだぞ!」
「すみません、あなた達にお聞きしたいのですが」
「「「「「はい?」」」」」
「冒険者としての仕事をお探しなのでしたら、俺の話を聞いてもらえないでしょうか?」
「個人的な依頼か?あんまり受けないようにしているんだが」
「あ、いえ。個人的なものではないです。ただこのロッテリーの街の復興を願っている方から、冒険者など動ける人を雇ってほしいと言われていまして。先ほど、当分お仕事が無いと溢されたのを聞いてしまいまして。おはなし、少しだけでも聞いて頂くことは出来ないでしょうか?」
「・・・復興?特に被害にあった感じはしないけど何を復興する気なんだ?」
「前のようにモンスターとの共存出来る街に戻せたら、と。」
「どうする?」
「聞くくらいいいんじゃない?」
「俺は嫌な予感がするから反対だ」
「お前の勘当たったことないじゃん」
「どうせ暇だしなー。もぐもぐ」
「わかった。聞くだけ聞かせてくれ。俺はこのパーティー森林の首飾りのリーダーをやっている、マジーニイヒートだ。」
「ありがとうございます。私の名前は、ナエです。」
ナエはニヤリと笑った。
明日も更新予定です
月刊少女野崎くん15巻特装版キター!ああ、サイコーです。アニメまたやらないかな。カオス過ぎて大好きっっ!
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