第202話
「何をやるの?」
「8歳になったら神殿で受ける“祝福”のことだよ。やるかやるまいか、散々悩んで帰る日になってしまったからね、王都に帰ってからやろうと言う話に落ち着いていたんだよ。」
ディオさんが説明してくれた。そういえばサルの時にアンドレが誰かに聞かれてたな。祝福がどうのって。
「祝福って、なに?」
「「「「「シュクフク~?」」」」」
「成長行事と言ってその年齢にならないと受けられない行事であり、“神様にここまで生きることができました。これからもよろしくお願いします”と挨拶するんだ。固定職業も決まる時がある。俺は、とっくに受けられたんだけれど体調が思わしくなかったから延期してたんだ」
トウシャくんと小熊ちゃんず達がこてんこてんっと首をかしげて頭の重みで転がりそうになっているこもいる。可愛い過ぎか。
「祝福を受けると加護や魔法適正がわかったり、逆に危険なやってはならないことなどもわかるようになる。魔法を使って命が代償に削られる、なんてものもこの世にあるらしいからね。」
なんと!?魔法って便利なだけだと思っていたらそんな命が無くなるようなのあるの!?
「父ちゃ、コワイおはなし?」
「違うよ」
違わないと思うんだ、ヨコシャルさん!
「お兄様お兄様!祝福を受けるときはお兄様にやって欲しいです。今日ならできますよね!?王都に帰ったらプントな気がします」
「そうだね、今日なら私がやってあげれそうだ。そうしようか」
・・・???またわからないこと喋りだして目が点なモナちゃんですよ。
「神殿だから、祝福ってやってくれる“司祭様”みたいなのが普通いるんじゃ・・・??」
「心の扉を開けるなら、家族や友人が一番良いとされているんだ」
「ぽるてでくおー?を開ける?」
「ポテポテ?」
「でってゆー?」
「くおー?」
「あけるぞー」
「おー?」
私もワケわかんないけど、小熊ちゃん達見てるとまだ私は理解してるほうだよな~。と、癒されてしまう。なんだろう。この精神崩壊の可愛さの破壊力。
「神官様達でも開けられるけれどそれは自分で開けなきゃ行けないもので、それを手助けをしてくれるだけなんだ。開いた所に神様の力の一部を入れることによって祝福は意味を成すんだよ」
「・・・・」
全然わからんぬ。
アンドレがやると言うのならそれを見させてもらえればわかるのかもかも??
「きゅん?」
うーん?と唸ってたらセイリューちゃんが胸の辺りにムギュッとしてきた。スズちゃん・・・が嫉妬の目ですねそれ。スズちゃんもこっちおいで~。スズちゃんの頭もナデナデしてあげた。いつになくニコニコしている気がする。そういえばスズちゃんが具現化してから頭撫でたの初めてでは?スズちゃん私のために色々してくれてるみたいだし、もっと労ろう。そうしよう。
「ディオ様、あちらで話をつけて来ました」
「お疲れ様、プント」
プントさん帰ってきた。おはろ~。
「モナはそういえばなんで神殿に行こうと思ったんだ?」
アンドレに話して無かったっけ。
「なんかね、変な夢見てるらしいんだけど、全く覚えてなくてね呪いの類いじゃないかって。だから神殿に行って浄化だかなんだかをかけてもらおうって」
「も、モナ・・・呪われてたのか!?」
「じゃないかって憶測だよ。憶測。想像。確定じゃないよ~」
「な、なんだ、違うのか。驚かせるな!心臓が止まるかと思ったぞ!」
「アンドレってば驚きすぎだよ~」
プントさんがディオさんに説明しているのを小耳に挟むと、冒険者さん達はまたお祭りに戻って行ったらしい。私が倒れたりなんかしなければ・・・もう起きてしまったことは仕方ない。タラレバなんて忘れよう。不死鳥の話は出てなかったみたいだから忘れよう。うんうん。
「モナ」
「ん?」
「モナの祝福は俺がしても良いか?」
えええ~!?上目遣い子供王子って・・・ショタ好きの胸が高鳴りそうな・・・私はショタ好きじゃないよ?アンドレの将来が若干心配になってきた。可愛さか毎日更新してるよね。
「モナ、聞いてるか?」
「えっあ!うん!」
祝福って8歳になったらって話だったから今約束しても叶わない気がするけど、とりあえずどうしよっかなって濁すべきだよね?
「いいのか!ありがとう!」
いや、今のうん!はそういう意味のうん!ではないよ!?
「この後楽しみだ!」
「えっ」
「えっ?」
「「「「「もにゃ祝福うけるの?おめでと~~」」」」」
「アンドレ!?」
私が目が点で驚き、戻ってきたチェルキョさんがそれを聞いてすっとんきょうな声を出し、小熊ーズがお祝いし、ディオさんがおののいた。
あんれ~~??祝福?え?アンドレ~~?私、祝福、この後、神殿にいったらすぐに受けるって言ってないよ。言ってないよ(大事なことは二回繰り返す)
次回は明日