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第193話

タイモちゃんが回復したので救護テントからみんなで出た。これからイベントを回ろう。うきうき!


「あら、もう大丈夫?ちょっとだけ見せてね」


マリーさんにそう言われタイモちゃんを見せたら一時的に下がっているだけかもしれないから次に発熱するようだったら今日はもう家に帰らせて大人しく寝かせるように言われた。


「アタシもいるかんな。わかってるべ。」


「そうですね、ミギィさんがいますから安心ですね」


マリーさんが納得している。信頼関係が厚い。


「モナちゃん」


「はい」


「あなたも無理はしないでね。もし少しでも無理をしたら・・・・・うふふふふふふふふふふふふふふふふふ・・・・・」


()が多い。なんか聞き取りにくいけどマリーさんが私が無理をして倒れた時にする処置とかぶつぶつ言ってる言ってる。コワイコワイ。あっアンドレもディオさんもドン引きしてる。だよね。すごい美人が急に恐い笑いをたずさえて、妄想という名の治療の脳内予行練習を口から駄々漏れにされたら驚くよねぇ。マリーさんのほうがあのマッドサイエンティストの見た目のゲイリーさんより衝撃的だよね。ハハハハ。ダイジョブ。ワタシ、タオレナイ!


「モモモモモ、モナは!俺が!守るっ!」


アンドレの気持ちは受け取ったありがとう。しかし足は小鹿のようにぷるぷるしてて説得力ないのが面白かった。












あわわわわわわ!あわわわわわわ!アンドレはこんなことじゃ助けてくれない!でも、だって、その!こんなことで恐いと言ってる私も不甲斐ない!ふがいないけれど!言わせて欲しい!!!ぎゅにぃっ・・・


でんじゃらすじーさん!!とおやじっち!!とフレディ・マーキュリー!!みたいな人が歩いてくる。怖いよう!!!!!うわぁぁぁぁぁ!!!!(心の叫び!!!)笑いそう!!で私が怖いよう!


「モナ?どうした?」


アンドレは不思議そうに見てくる。3人さっさとすれ違え~すれ違え~すれ違え~。


「あれ?プント?プントじゃないかお前!」


「え?」


「エッ」


プントさんの知り合いだった!?


「懐かしいな~俺だよ俺!」


フレディみたいな人がプントさんの肩をバシコバシコ叩きながら昔住んでいた場所と3人の名前を説明して、それを聞いたプントさんの目が見開いて、「あ!お前か!」となる。うんうん。テンプレ、テンプレ。こうやって色々な人が並ぶと改めてプントさんてイケオジ感あるよなぁ。良い老齢感。


「アンドレ様、ディオ様、少々申し訳ありませんがお時間を頂きたく」


「構わない。せっかく同郷の昔馴染みに出会えたのだ。ゆっくり話して欲しい」


「ありがとうございます」


ディオさんはこういうの慣れてるみたいでプントさんと3人の時間を取ってあげた。アンドレはむしろプントさんの昔話が気になるのかソワソワソワソワしている。ダメだよアンドレ。好奇心はしまっておきなさい。


ディオさんがそれを見かねてアンドレの手を握った。なるほど、少し落ち着いたみたい!さすがディオさんはアンドレのお兄さんだなぁ。アンドレ落ち着いたのは良いけどすっごくニコニコし始めた。


「お兄様」


「ん?」


「手をつなぐの、久方ぶりですね!」


ま、眩しい!・・ペカー!と笑顔が眩しい!お兄ちゃんと手つなぎ嬉しかったんだね!8歳可愛い!


「ふふふ、今日は特別だからね」


「はい!」


・・・・・・なんか羨ましくなってきたぞ。ミギィさん・・・はセイリューちゃんを抱えてるし。スズちゃんもフテゥーロちゃんも肩とか頭とかポヨンポヨン出来るだけで小さいから手をつなぐとか出来ないしというかふたりとも手が無いし、テンクウちゃんはお手!おかわり!的なことにしかならないし・・・・


「アンドレ」


「どうしたモ・・ナ・・・」


「こっちもぎゅっ。」


アンドレの空いてる方の手は私がもらい受けた!アンドレがなぜだかあわあわあわあわしている。なんだなんだ。嫌ならやめるけど。


「なんで手を離すんだ!モナも俺とつなごう!ほら、えっと、だってだな、そうだほら!迷子になったら困るだろう!?」


手を離したらなぜか怒られた。


「そうだね、お祭り人が多いからアンドレの手を握ってはぐれないようにするね!」


「それがいい!ね!お兄様!」


「ぷ、く、く、く、そうだね。迷子にならないようにしよう。」


ディオさん笑いこらえられてませんよ。出てる出てる。笑いが漏れてる。わかる。アンドレ可愛いよね。最初のひねくれ具合本当に一体なんだったんだ。


テンクウちゃん達もニコニコしながらこっちみてる。よくみたらチェルキョさんうずくまってるけど、あれって爆笑してるよね。おいこら、王族に爆笑て、不敬罪では??


「んでな、レフティが今ステージ直しに行ったべ」


「あー、そーなのかー。いやな~そのステージ俺たちが歌うんだよ~」


気がついたらミギィさんが男性陣に加わって話をしていた。ってこのオジサン達、あの“オヤジだらけの音楽家ショー”に出る人達!?フレディ似はわかるとしても、でんじゃらすじーさんとおやじっちはどうなのよ。顔は似てるけどでんじゃらす感はなくて普通のオジサンなのかな?なら安心。想像の粋を出ないなー。特におやじっち顔の人。


「なあなあなあさっきアイツのお兄さん見たぞ。帰ってきてたんだな。」


おやじっち顔の人がミギィさんに話しかけている。プントさんがピクリと反応した。


「アイツというと?」


「ほらレフティの!」


「レフティさんのお兄さんというとナエですか?確か王都で事業失敗して身をくらましたと聞いたことがあったのですが、やはり噂は噂。ちゃんとこちらに帰ってきてたのですね。」


プントさんの話にミギィさんが眉をしかめた。


「なんの話しだべ?」


「あのお兄さんなんかあったのか?」


「え?お知りでは・・・?」


プントさんのことをオジサン達とミギィさんが見つめる。プントさんが今言ったことはみんな初耳みたいで時間が止まったかのようにポカンとしている。


「知らん。今初めて知った。ナエがか?」


「あ、いえ、大したことでは」


「プントぉ!お前小さい頃からそういうとこだぞ!」


「そーだそーだ、引っ越しとか、恋愛関係とか、秘密にして俺ら寂しかったんだからな」


「いいからほら、大したことないなら喋っちまってくれ。」


フレディとおやじっちとでんじゃらすじーさんみたいに似てるオジサン達がプントさんに詰め寄った。プントさんは少し考えて、軽くため息を吐くと心を決めたようで喋り始めた。


「・・・これはあくまでも噂です。ナエさんには商才があったのかわかりませんがお店を大きくして名を馳せた時期があったようでたまに貴族の噂で“あの店飛ぶ鳥を落とす勢いだ”と言われる時期がありました。詳しくは知りませんが途中で事業が失敗したようで“あの店は無くなった”という噂が流れました。しかしそれから間を置かずに、“オーナーは身を隠したらしい”。その後も次々と色々な噂が急に立ちました。“身をくらましたのではなく、殺された。”とか“事業を奪った人達が次々に闇討ちに合っている”とか“死んだナエさんの祟りで不幸が訪れている”とか・・・・。ただ昔のナエさんを知っている人からすれば、運動能力が通常の男性よりも劣っているし、ギャンブルや裏ギルドなどに居るような人相の恐い人達からそそくさと逃げ回るような性質の人間です。そういうのに関わるようには思えません。だから身を隠した、までが真実でそれ以降は全て憶測から出た虚構だと、ただの噂に過ぎないと思って・・・いたのですが・・・あの?ミギィさん??」


「それ本当にアイツに対しての噂なんか?別人のことじゃなくて?悪いことなぁんもしてないのに、恐い顔の人前にするとヘコヘコと頭を下げるような、気の小さいやつ。それだけはプントも覚えてた通りあってるべ。」


ミギィさんの眉のシワは深くなっていった。そしてあのナエさんには何かあるようだということしか何も分からなかった。

次回は明後日更新予定ですん


└( ゜∀゜)┘

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