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第191話


“ぶどう早潰し対決”


最終的にワインになる為のブドウらしい。なのでこの早潰し対決は、名前の記入と参加費を払って、ブドウの潰した時間を測って、参加した人達の記録一覧の大きなボードに時間を記載したら去年このイベントで潰されて今年ワインになったビンを1本貰って帰れるらしい。早潰しなので前年の潰した物が自分の手に渡るわけではなく、潰されたぶどうは全部まとめて樽に入れられるので最終的には関係なくなるらしいのだが、前年もぶどう潰しに参加した人は「俺が育てたワインだ!」と誇らしくワインを持って帰るらしい。育てたのはワインの管理をした人のはずだけれどなんだかかわいい。


お祭りの最終日に全部の記録のうちの一番になった人が優勝者となり、優勝者はそのお祭りの最終日の結果発表の時にさらにワインが3本と商店街で使える大食い大会でも賞品になってる特別券銀銭貨1枚分が貰えるらしい。


でも最終日のその時に賞品受け取れないと後日貰うことは出来ないらしいので、絶対最終日に来れる人じゃないと優勝は狙わないでただ楽しむだけにした方がいいと言われた。ディオさんとチェルキョさんとプントさんが揃いも揃って「ワイン3本・・・」って呟いてるのが面白かった。プントさんもお酒の消費は激しいらしく、参加費がワイン半額ぐらいの値段で1本貰えて優勝すれば3本もついてくることに破格過ぎると優勝する人いいなぁ、と呟きが漏れに漏れていた。


「プントさんがこの街にいた時はこのイベント無かったの?」


「私がこの街にいた時はワインをあまり呑んでませんでした。お酒の美味しさがわかってからはあまり帰郷していませんでしたから。早くこのイベントを知っていれば・・・くっ・・・」


プントさん飲み過ぎは注意してね。


“トンカチゲーム大会”


ディオさんが気になってたやつ。これは元々イベントタイトルが“ドワーフハンマー大会”だったらしい。なにそれ、そっちのほうがカッコいい。しかし何を勘違いしたのか本物のドワーフがハンマー作成する大会だと思って押し寄せ、クレームが殺到。それは、うん、どっちにも得もなにもない、可哀想な話だなぁ。それ以来これはトンカチゲーム大会というイベントタイトルになったそう。ハンマーを使うけどどうせカナヅチもハンマーもトンカチも言い方が違うだけでほぼ同じものだからトンカチって付けたそう。ドワーフはそれ以来来てないらしい。


ゲーム内容は参加費を払ってハンマーを振り下ろして台座に打ち付けると、その台座に仕込まれたバネが浮き上がって跳ねて中の重りが飛び上がり力の強さがわかるというゲーム。ゲーム機の一番上にはゴングが取り付けてあるのでそのゴングを鳴らすことが出来たら賞品がもらえ、ボードに名前を記載出来る(このゲームは記載したくなければしなくてもいい。)


大会とは名打っているけれど大会っぽいことはしない。ゴングを鳴らしてしまえば勝ちなので。このゲーム自体年に一回しかしないから名前をそれにしておくとなんだかワクワクするという相乗効果的なものの火付け係的な役割として“大会”とつけているだけで“トンカチゲーム”という名だけでもいいのだそう。


ちなみにゴングを鳴らした賞品は毎年魔道具が1つ貰える。イベントの初回賞品がトンカチ型魔道具だったとか。他の時は、キログラムを好きに変化させることが出来るダンベル魔道具や、目覚ましの代わりにも出来る魔道具ゴング、一週間分の運動量を記録しておける腕輪の魔道具など色々。・・・レフティさんが毎年のように参加していたらしい。なるほど。レフティさんの部屋にあるものはこのイベントで集めた物がそこそこある、ということだ。


「たまに変な賞品があったべ。一番要らなかったのは、汗を吸うと冷えてくるシャツだったべ」


「ん?それは良さそうでは?」


「ですね?」


「キュンキュン?」


チェルキョさんとディオさんも首をかしげる。セイリューちゃんも一緒に首をかしげてキュンキュン言うのかわいい。でも私も普通に良さそうだと思うけどなぁ。ユニ●ロのエアリ●ムとかそういのみたいなシャツってことだよね?


「いや、体が凍るぐらいヒエッヒエになってヤバかった。」


ヒエッ


「砂漠とかの地域ではあのシャツ売れたらしいけんど、そのくらい冷えて無理やり着てたら体壊すかもって冷たさんなってこの辺りじゃほとんどがゴミとして捨てたか売ったって話だったよなぁ」


どんだけ~


“オヤジだらけの音楽活動家ショー”


つまりは夏の野外ライブ。イメージとしてはサザンオー●スターズとかBEG●Nとかそういう感じのノリのいい感じだったりしっとり歌ったりとオジサン達のそのときそのときのノリで歌う歌のショー。参加するのは全部で10組ぐらい。昼過ぎからやって歌い手を交代して繋いで夜までやり続けるらしい。すごいなぁ。そしてこのショーは3日目がもっとも盛り上がる。オジサン達の疲れがピークに達していて半ばヤケクソになっているからお酒の力を借りている人がいるらしくたまに荒れるから、変なことが起きやすく盛り上がるのだとか。それは・・・いいのか???


でも事件とかは起きないとか。イイオトナがこんな街で騒ぎ起こしたとなったらこの街にはもう住めなくなってしまうからだそう。うん、お酒で人生変わっちゃったらどうしようもないもんね。昼間とかは子供達も見に行くのが多いからいいけれど夜はあまり騒がしすぎて子供は近づかせないそうだ。そりゃお酒のんだりしてたらお酒くさそうだもんね。わかるわかる。


「とまぁ、こんなもんかな?」


「んだなぁ。」


「昔はテイマー用のイベントもあったんだけんど冒険者ギルド自体なくなってからはしなくなったからなぁ」


「そんなのあったんですか?」


アンドレが興味を示している。


「モンスターとテイマーが協力してやる障害物競走レースとか、どのモンスターが可愛いかって大会とか、大食い大会もモンスターとテイマーの協力する大会もあったし、色々あったよなぁ?」


「あれなんか面白かったべ?首輪の魔道具でモンスターとテイマーが5分だけ入れ替わってなぁ」


「あー、あったなぁ。入れ替わったまま(まと)当てするっていうゲーム開催してたんだけんど、モンスターとテイマーがお互いに信頼してないやつが多かったみたいで、テイマーの体にモンスターの魂が入った状態で走って逃げ出してしまってなぁ」


「「「えっ」」」


私、チェルキョさん、プントさんで同時に声が出た。


「人間の体に入ってても中身はモンスター。んでな、5分だけしか変われないから5分後には元の体に戻るんだ。んでな、逃げ出した人間の体のほうは森のなかで迷子になって、モンスターのほうはモンスターのほうで元の体に戻ってからも人間から逃げ出して、って。」


「逃げまくるなぁ」


「よっぽどそのテイマーが嫌いだったんですね」


「見てるこっちは面白かったけどな。カカカカカ!んだっけ、嫌われるよーなことを普段からしとるテイマーが悪い。」


私がもし、テイマーだったら・・・・・いや、私はテイマーにはならない。だって・・・・。だって・・・?


「そういえばタイモちゃん、具合はどう?」


みんなでお喋りしている間にだいぶ体の温度が冷えてきたようで、熱かったのが通常に戻ったようだ。アンドレ達の前では喋らないようにしているので私の手を出したらタイモちゃんの顔が手にくっ付けてきてくれた。タイモちゃん可愛い。スリスリと触れる顔が熱くなくて本当に良かった~。ん?

明日も更新予定です



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