第2話
おばちゃんたちに連れられるまま歩いてみたけど結局わからないですしお寿司。お寿司関係ない。語呂です、ゴロゴロ。森じゃなさそうなことは分かった。思ったより近くに街道があったし、小川が流れてる。町?街?ポイのも木々に隠れているけど、離れた所にあるのが伺えた。
つまりは自然が豊かな場所だ。とても素敵。空気が澄んでる。空気がうめぇ(ぷはぁ)オヤジくさいかな。だって歩いてるだけで気分がいいなんて最近無かったからちょっと幸せで浮かれてるんだもん。
視力いいな。眼鏡なくなったのに、視力増えた。とにもかくにもおばちゃんたちに付いていってはいるものの、まだかなぁ。どこを見れば何が分かるって?
「ほぉら、着いたよーぉ」
って結局どこやねーん!え?砦?頑丈そうな建物ですね。ままま、まさか警察とか!?それとも人身売買的な!?どこだか知らないけどどどどどどこですか!?
青ざめて固まってしまった。
「あんれ?アンタここも知らんとね?」
「ひゃのきょきょドコでしゅか」
震えてカミカミになってしまった。
「あんらぁ、とりあえず着いといでぇ。」
なんか門番のオジサンに中に入る許可をもらったらしいオバチャン達はまたもやズンズンと歩いていく。勝手知ったる我が家並みに歩くの早いんですけど、ちょ、ちょ、置いてかないでぇぇぇ
連れて行かれたのは1室のお・部・屋。何にもわからんまんまなんですけども!?とにもかくにも椅子に座らされ、もてなされてる?おばちゃんたちお菓子節操なく食べてますけどいいんですか
「ここは騎士の基地だぁ。ロッテリーの街の防衛拠点さ、しでで、んで街の人とか近くに住んどる人なら誰でも知っとる場所さね。ここを知らんっちゅーこっちゃ迷子だったら迷子も迷子で遠くから来たことになっで、どっかから拐われた可能性があっからな、ウチのおどなりのユーグリッドに拐われた子供の捜索願い出てねぇかって調べて貰おうって連れてきたんだっぺ」
おっと、騎士の基地。騎士の基地!?ん?ん?ん?体が縮んでそうなことといい夢?騎士って騎士だよね?棋士でも岸でも無いよね。あっ記者の聞き間違えかな。
「おい、ばーさん達今日の配達終わったから帰ったんじゃなかったのか」
部屋に入ってきたのは、何を隠そう2足歩行のクマだった。
「クマだーーーーーーー!!!!!」
反射的に叫んでしまった上に涙が溢れてきた。目の前にクマ!言葉しゃべったけどクマだよ!!!!ぎゃーーー!一番近いオバチャンの背中に隠れた。日本でクマに遭遇したこと無いけど至近距離でクマコワイイイイイイイイ!私の体がミニマムになってるからか怖いぃぃい
「あんれ、言ってなかったけえ?ユーグリッドだべ。騎士団副長さんよぉ?」
「お、おう、お嬢ちゃん怖がらせて済まねぇな。ってそのお嬢ちゃんの服ボロっボロじゃねぇか!なんだなんだばーさん、盗賊でもでたのか!?騎士派遣する案件かすぐ出動させるぞ!?」
ん?このクマさんオバチャン達と違って訛ってないな。聞き取りやすいがクマだし威圧感バリバリ。声も野太いし。派遣って言った時顔が余計怖すぎるんだが、ヒィッ。
「違うのよぉ、今ユーグリッドに怯えてるけんど、喋りもしっかりしとるしそういう事件とかじゃなさそうなんだわぁ。拐われたかは分からんっちゃけど」
「そんよぉ。だーがらぁ調べでほしぐってなぁ。今日の仕事終えで帰る途中で拾ったもんだから戻ってきたのよぉーお。ユーグリッドならどうにかなっぺ」
「なるほど。調べるにしても行方不明者とか少なくないからな。時間がそれなりにかかるぞ。名前はなんと言う?」
「そーいや、きぃとらんかったねぇ」
「名前なんて言うんかぁ?」
あっそっか言ってすらなかったっけ。名前聞かなくてもこの道中困ることが無かったから忘れてた。
「えっと・・・帝麻 萌那」
「テイマー?」
「ケモナー?」
「帝麻萌那!」
ボソボソ言ったのが悪かったのかと思ってもう一回ハッキリ言ってみた
「テイマ・モナ」
「そうそれ!」
聞き取れて何よりです。
「ティマモナー?」
「言いづらいのぅ」
「聞いたことない発音だなぁ」
えええ・・・さっきテイマーとか普通に言ってたじゃぁん。
「とくにテイマだかティマだかテーマだか言いづらいのぅ」
えええ・・・言えてるじゃぁん。ううーん。突っ込むのは野暮か??
「えっとー、じゃあ、モナって呼んでください」
妥協した。
「おおそれんことなら呼びやすいべ」
「モナちゃん、モナちゃん。ん。覚えたべ。」
「オバチャン達の名前は何ですか」
「ばーさん達も名前教えてねぇのか。俺はユーグリッドだヨロシクな」
「あ、はい」
嫌でも覚えてしまったよ。オバチャン達がやたらとユーグリッドユーグリッド言うからオバチャン達より先に覚えてしまったから自己紹介改めていらないです。ありがとうごめんなさい。そしてやっぱりまだ怖いでっす・・・。
「あんれ、すまんねぇ。アタシはミギィ」
「アタイはレフティさね。」
ミギィさんにレフティさん。モナはおばちゃんたちの名前を覚えた▼(パラパパッパパー)。ふふふ。脳内ゲームゴッコよ。とかやってたらブォンと耳鳴りみたいな音が鳴って、なんと、なんと、ゲーム画面みたいなものが現れちゃいました!?
▼帝麻萌那ステータス▼
▼年齢:5歳
▼性別:女
▼体力:5
▼魔力:2
▼知力:10
▼スキル:無し
▼その他:異世界人(退化)・ ・空腹(正常)・恐慌状態(低)
▼友好関係:ミギィ・レフティ・ユーグリッド
ん?
なんか大きく空白があるなぁ。目をこらせばうっすらと文字が書いてあるっぽい。が、ほぼ認識出来ない文字がそこにあった
“動物に好かれる者”
ほぼ消えてますけど・・意味あるのかなぁコレ
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作者が嬉しさに舞い上がって更新頻度が増えるかもしれませんよ
*オマケ*
・ユー(You)グリッド(多数の対象を格子状につなぎ合わせたもの)→→街の伝達網なキャラ・・かなぁ
・ミギィ→右
・レフティ→レフト・左
名前適当につけてます。ちなみに名前いっぱい出した割にはユーグリッドはミギィとレフティよりも断然出番少ない予定です(笑)語感で適当に着けたらグリッドの意味ってそうだったんだと後で知ったのでほぼ後付け。
一応クマ出てますが、あらすじに出ているクマは子熊の事なのでユーグリッドの事ではないです
ユーグリッド→Σ(゜Д゜)ぬぁんだってぇぇ(野太い声)