第19話
お兄様(第6王子)のターンを挟んでモナに戻ります。
まだまだ食い倒れは続く。
「私はお付き合いしているチャルチャロス様と結婚したいのです~~~お父様のばかぁ~~~」
領主の娘が部屋を勢いよく飛び出した。
「すまないな、そんなに好いていた間柄だったとは知らなくてな。」
恋人がいたのは知っていたのに話を出したのですか。こういうのを狸親父というんでしたね。ため息が出そうです。
「いいえ、私こそもっと配慮するべきでした。」
ブラコン、シスコン、だと世間に笑い者にされている私と結婚となるとツラいかも知れない。断ってくれて正解です。2度も婚期を逃しているから3度目を逃してしまっても痛くも痒くもない。
「とても提案しにくかったので娘との話が上手く行けばと思いましたが、もしよろしければ、私の息子になる、というのはいかがでしょうか」
困りました・・・・早く館で待っている弟の顔が見たい。
「じゃがバター美味しかったー」
「値段が安すぎます。チップを渡してしまいました。もっと渡しても良かった気がします。」
「落ち着いて、ただのじゃがバターやよ?過剰評価は店主さんの負担にしかならんよぅ」
「じゃがいもホクホクだったね。皮はパリッと焼けてるのに中はホクホク。バターも塩気と溶けたそれが合わさって・・」
「モナちゃん、リネアさんの足がじゃがバターの店に戻りそうになってるからもう食リポはやめてくれると有り難いわぁ・・・」
「あ、はい」
リネアさんの腰にナカバさんが引っ付いてた。ご、ごめん。プロレスみたいなことさせてごめん。目の前をぶち柄の猫が通りすぎて一軒の露店舗の橫をすり抜けていった。
「あっ見てリネアさん、あれ、お土産にどうかな」
よーし止まった!猫を目で追いかけたらいいお店見つけた。
「綺麗ですね」
「グミの量り売りやねぇ。」
3人でグミの量り売りを買った後一旦話し合いになった。
「もう1件軽いの食べる?一応行こうと思ってた店はあるよぉ。それとも次のお肉系行こうか〜?」
「わたくしはまだまだ食べたり無いのでなんでも来いですわ」
「1回お肉の店挟んでも良いんじゃない?」
「お嬢ちゃん達うちのスープはいかがだい?」
露店じゃなくって店舗の持ち帰りのところからお兄さんが声をかけてきた。骨とスネ亭ってお店。ええ、名前もうちょっとどうにかならなかったの。これだと骨川ス●夫だよ。お兄さんは別にスネ●感は全く無い。
「私このお店は初めて見るよぉ?」
「まあね、ちょうど本日オープンしたばかりだ!どーだ!1杯食べてってくれよー」
「どんなスープ?」
「野菜と肉の入ったスープだ。コレコレ」
見せてくれたのは白いスープだった。ってそうか豚骨スープみたいなものだなこれ。パイタンとかそういう、白いスープ。パイタンスープっていうと白いスープスープって意味になるんだっけ?そしてパイタンは鳥肉だっけ?まぁなんでもいいか。
「とてもいい匂いがしますわ」
「ください!」
「この量なら1人1杯いけそうやね」
・・・ん、これオイシッ!あぁお肉がホロリ・・・ちょっと塩気が強い気がするけど、美味しぃ。
「店長さん、サイコーです。」
「だろぉ?」
「美味しいけど、ちょっとしょっぱいなぁ」
「もっと中身の量があるといいのに。」
リネアさんはどの料理でも量が足りなそうだけど、言いたいことはわかる。具が少ないからスープのみになるのが早い。
「あー、いや、単価が高くなりすぎるから難しくてな。」
「麺でも入れればいいのに」
「「「メン?」」」
「パスタとかうどんみたいなのとかいれると腹持ちがいいし、しょっぱいスープが絡んで美味しいよ?」
「あ~パスタかぁ。でもパスタソースほど絡まねえぞ。食べづらいだろぉ」
あ、そっかラーメンみたいに麺をすする文化がないのか。
「ところでうどんってなんですの?」
「小麦粉で作った麺だよ」
「パスタの別名かぁ。」
おっとナカバさん!違う違う!そうじゃ、そうじゃなぁい〜♪バラエティー番組でよく見る歌だけど、こういう時歌いたくなるよね。って、そうじゃなくって!
「全然違う食べ物だよ。麺は白いもん。」
「気になりますわ。」
「パスタの粉あるけど作れるか!?」
たしかパスタは小麦粉でもデュラムなんちゃら粉とかの粉だったはず。粘りが無くてもちもちしないんじゃなかったっけ?小麦粉も配合とか色々だよね。
「パンの粉はないの?パンの粉なら出来るはずだよ。作ったこと無いからよく知らないけど。」
ボソボソしたりして粉が無駄になる前に粉が違うと思うことなど思い思いに店主さんに話した。うどんって別に麺状じゃなくてもうどんに似たものだったはず。
「んー?話聞く限り、もしかすると、病気の時に食べる小麦粉団子のことか?」
「たぶんそれ!」
お団子をスープに入れてクタクタに煮込むらしい。流石スープ屋さん!
「あー、あれなら味が染みる、けど、めーちゃくちゃやわらかいぞ?」
よっぽど柔らかいのだろう。うどんは腰があるのと無いのと好み分かれるよね。お兄さんは腰強い方が好みってことかな?かなかな?とどのつまり水多いんじゃないかな。かなかな。んー、だったら。
「そこはこう、店主さんがこねこねしてパンチすれば強くなってうどんが出来上がるよ!」
「ハッハッハ。愉快なお嬢ちゃんだな。パンチしてそいつが出来るならパンチしてパンも出来るだろうなぁ~ハーッハッハッハ!」
そりゃね、パンチではうどんもパンも出来ませんよ?出来たらスバラですよ。言葉のアヤってやつじゃないですか。それにパンチでパンが出来るなら、昇龍拳でピザも作れそうだよね。昇龍拳!昇龍拳!昇龍拳!昇龍ぅぅ拳!コンボコンボコンボコンボォ!
ふう。
出来たらラーメンの方が食べたいけど、かん水って名称聞いたことあっても、かん水ってなんぞや?な私は調べるツールもないし、ラーメンのことは黙ってることにした。
「ま、いい話聞けたんで色々試してみるよ。生活かかってるからまけてはあげられないけど、人生相談くらいならのるぞー?ハーッハッハッハ」
初対面に人生相談する人はなかなかいませんよお兄さん。
お読み頂きありがとうございます!もしよろしければブックマークや☆を押していただけると嬉しいです。
作者が嬉しさに舞い上がって更新頻度が増えるかもしれませんよ
違うそうじゃないはラッツ&スターの鈴木雅之さんの歌だった。知らないって色々損だなぁ。
チャルチャロスって名前の付け方。
なんか適当な名前・・・チャ、チャ、チャラそうな。
↑こんな感じ
●モナ達がココまでに買った&食べた物●
●エビせん
●じゃがバター
●グミ
●パイタン的なスープ
次はお肉。