第175話
「嫌だ」
「拒否権はないべ」
「俺も拒否したいなぁ~なーんて」
「「お前は言える立場か!」」
おおっユーグリッドさんとミギィさん、息・ぴったんこカンカン!
そんなこんなで私達はともだち食堂の隣のちょっと古めかしい平屋一戸建て、つまりはユーグリッドさんのお宅の前に来ていた。なぜってナエさんは屋根のあるところで寝たいとご所望だったので、ミギィさんの出した条件がこれなのだ。
「ユーグリッドくぅん、君からも言ってくれよ~俺が泊るべき場所はミギィの家だって」
「んじゃあ、野宿でもし。」
「そうだそうだ。野宿しろ。俺の家に泊めるなんて嫌だ。大体俺とはそんなに面識なかっただろうが。何で俺。なんで今日。俺だって都合が」
「明日は騎士団の見回り担当だべ?明日は早いからはよ寝なきゃいかんだろ?だっから早く帰ってくるってみぃんなが知っとったから暇なのは知ってるベ。コイツをここに一晩泊めてぐれるんなら、今度うちの店で一回だけどんだけ食ってもいいっていうユーグリッドタダメシデーをやってやってもええべ」
「なに!?どんだけ食ってもいい日!?太っ腹だな、いや、でも、うーん」
「いいのいいの、俺だって君みたいな熊さんよりも小さくて可愛い女の子のいるおうちに行きたいから断ってくれていいよ」
「あ!?・・・ちっ、分かったよ。ちゃんと奢ってもらうからな。今晩だけだからな!」
「ええっ受けちゃうんですか。俺はちょっと・・・」
抜き足差し足と逃げ出そうとしたがそこは捕り物が得意な騎士団副長のユーグリッドさん。ばっと首根っこ捕まえた。早い。
「小さい女のコと一緒に居させちゃいけない気配がプンプンするからお前はこっち来い」
わかる。なんかこう、ダメな空気感あるんだよね、ナエさん。
「あああ〜〜」
ズルズル引っ張られている。首絞まりそう。キュッ。
「明日はどうすりゃいいんだ。さっきばあさんが言ってた通り朝早くに見回りだぞ?」
「放り出しちゃっていいよ」
「ええ〜酷いよミギィ〜〜」
オー、辛辣ぅ。でもまあ、苦もなくどうにかしそうなイメージが。マダオっぽいからかな。
「んじゃ、よっしくな」
「はいはい。ったく、仕事が増えたぜ」
「ミギィぃ〜モナちゃぁ〜ん置いてかないでぇ〜」
ナエさんに猫なで声を出されたけれどユーグリッドさんに軽く挨拶だけして帰った。
「あの人どこで見たんだっけなぁ」
スズちゃんはずっと悩んでいた。スズちゃんは魔力を取り戻して記憶を少し取り戻しはしたけれど記憶の2割から3割程度しかまだ思い出せていないらしい。夢の中では私もそのくらいは思い出しているはずらしいのだが、起きると忘れてしまうのでそのあたりを私が起きてる時に補足説明して思いだすキッカケづくりも兼ねて精霊として具現化に至った。しかしまだ多くても3割程度。消えてる記憶の中にナエさんの記憶が本当にあったのかわからない。
なにか別の人やものと勘違いしている時も無くはない。
「ごめんねモナちゃん。スズ役立たず。」
「そんなことないよ!思い出したらすぐに教えてね」
「うん!もちろん!」
「あ?ナエが来とるのか」
「んだべ。なまり言葉ももう消えて都会ん喋り板に付いとったわ。似合わなかったべ」
「あいつなにしに来たべ?」
ディナーの準備をしながらミギィさんがレフティさんに説明していた。私はテンクウちゃんに求められたのでブラッシングをしている。テンクウちゃんのあとにはビャッコくん、タイモちゃんにツキノさんが並んでブラッシング待ちをしている。
フテゥーロちゃんとスズちゃんは体の大きさに合ったブラシがないので断念。普通のブラシサイズだとゴリゴリしてしまって痛くなってしまう悲しい現実。明日のお祭りで小さいブラシ売ってたら買おう。うん。
「そっれがな、なーんかまーた迷子になっちまってたらしぐってぇ、ケンティーキーだと思ってたべ」
「・・・・それはウソだべ?」
「いんや?」
「いやいやいやいや、流石にケンティーキーとロッテリーは間違えねぇべ!?昔住んでた所なら懐かしく思うのを越えて、その隣の街かと思うかね普通」
「そういや、考えてみりゃそうだなぁ。あのプントでも長く離れてても懐かしい場所なんだーって言って第8王子のアンドレ様と話してたもんなぁ」
ほえー。
「昔っから変な話とかに首突っ込むタイプだったけんど、まさかまたなんかやらかした訳じゃねぇよねぇ・・・」
「ミギィさんレフティさん、あのね!スズね!」
「ん?スズちゃん?なんか感じたべ?」
「話聞かせてくれろ」
その言葉を皮切りにスズちゃんを筆頭にナエさんから感じた変な感じ、違和感、ネズミの臭い、をみんな話始めた。そしてその話はディナー中も続いた。
また更新遅い時間になってしまった。明日も更新予定です。
●近況報告●
本日ミトラスフィアというゲームがサービス終了しました。私は「たちばな」って名前で登録してたのですが人生のなかで一番長く遊んだゲームがミトラスフィアでした。こんなに1本のゲームをちまちまやってたこと今までなかった。私ゲーム自体あんまり得意じゃないんですよね。2048とかパズルゲームとかばっかり勢。
そんな私が横スクロールゲームにどっぷり。・・・とはいっても最近は全くインしてなかったんですが、やっぱり無くなると寂しいものですね。全然インしてなかったから最後の方のストーリー見ないで終わってしまった。もうどうしようもないけど、しょうがないよね。
オフラインゲームでの配信があるかもしれないので正座して待とうと思います。ありがとう!ミトラ!楽しかったミトラ!私にはとっても大大大好きな空間でした!
今日仕事だったから最後の最後は一緒に迎えられなかったけど、ミトラのみんなありがとう!ミトラのスタッフありがとう!またどこかで会いましょう!!
20230630