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第172話

それは家にもともだち食堂にも程近くなってきたな、と思った矢先の道半ばでの事だった。


「ミギィ~~!久しぶりだなぁ~~!!」


ちょっと離れた所からワッと駆け寄ってきたのはミギィさんとレフティさんよりも幾分かお年を召したように見える男性だった。しかしなんというか一言で言うならば、もっさりしている。


「なんでこんなところにいるんだ!?」


「こんなところ・・・?まぁーた道迷ってるんじゃないのか?」


男の人の言葉の返しにしては変な返し方だなーと思っていると


「あっはっは!何言ってるんだ!ここはケンティーキーの街だろー!」


「ここはロッテリーだべ」


「あれっ」


なるほど。迷子のオジサン確定である。ミギィさんと知り合いらしいその男性とミギィさんとの会話を聞こうと思っていたら、みんなに引き留められ、むしろ下がらされた。


「みんなどうしたの??テンクウちゃんまで私の服引っ張ってまであの人と引き離したかったの?」


「モナちゃん、あの人すっっごい鼻の曲がるくらい変なニオイするよ!気づいてないの?」


「モナママ、あのね、あの人の後ろ変なモヤ見えるの」


「スズあの人どっかで見たことある。近寄ったらダメ!わかった!?」


「俺様知ってるぜ、あのニオイ」


「「「ビャッコ!!教えて!」」」


テンクウちゃん、フテゥーロちゃん、スズちゃんの3(あつ)がビャッコくんに降り注いだ。勢いが強かったのかビャッコくんも少しタジッとしたけれど、すぐに持ち直してこう言った。


「ネズミのニオイだ」


「「「「・・・・それって・・」」」」


話しに出てたうちにこっそり隠れてたあのゴールデンハムスターのこと?その子と知り合い?


「違うよ、ビャッコ。家にあったニオイと全然違ったよ」


テンクウちゃんが否定した。私にはわからないニオイがみんなには区別出来るの凄い。さすが動物の鼻と言うべきか、さすがモンスターと言うべきか。人間はそこん所、役に立たないよね。


「あん?ああ、ネズミっつっても品の良さそうなネズミの方じゃなくてな、人間でも嫌がる方のヤツいるだろ?灰色の。」


「あ、ふつーのネズミ!?ぼく、わたし話には聞いたことあるけどネズミも色んな色あるの?灰色嫌われてるの?モナママ、なんで?」


「私の世界にも普通のネズミは嫌われものが多かった、というか、病原菌扱いだったけれど、この世界でもネズミってその・・・その扱いで構わないの?」


「そうだぜ。お前の世界の(ことわり)なんざ、知っちゃいねーが、俺様の知ってる限りネズミはこの世界では病気の温床だ。むしろモナが教えてくれたゴキとかいう虫は俺様あんまり見たことないぜ。ネズミが一番おっかない。アリと蚊がネズミの時点で怖ぇえ生き物だ。」


「アリと蚊?」


「アリは木でも岩でも穴を開けて食い破ってくる破壊ヤローだし、蚊はハチと違って一回刺しただけで致死させちまう殺戮ヤローだにゃ。モナはにゃにもしらねぇんだなー」


「モナママはいっぱい色んなこと知ってるよ!今は忘れちゃってるだけだよ!ね!」


「私の居た日本でもネズミもアリも蚊も一応危険視されガチではあったけど、そこまで危険生物じゃない気がする。白アリは家を食べるけど、海外の蚊と比べて日本の蚊は無害に近かったからなぁ」


「忘れてるんじゃなくて、単に危機感の差がモナちゃんの住んでいた所とこの世界とじゃ温度差があったってことだね」


「ほら!モナママだって知ってたよ!ぷんすこ!」


「で、そのネズミがどうしたの?スズもモナと同じでネズミより、ゴキの方が怖いと思っていたくらいネズミはあんまり見たことない。教えてほしい。」


「何を話してるべ?」


「「「「「おわぁっ!?」」」」」


話し込んでいたら急に声をかけられてびっくりしてしまった。ってあれ?


「ミギィさん?さっきの人は?」


「まーだそこにおるよ。モナちゃんのこと紹介しろって言われちまってね、断るつもりだったんだけど、モナちゃんに聞いたふりでもして、と、思っていたらなにやら話し込んでたべ?気になってな。」


「私、挨拶するくらいならいいよ。でもあの人一体だれなの?」


というかむしろ気になるのはこちらの方です。ネズミのニオイがプンプンして、黒いモヤが見えてしまう謎の男。気になりすぎる。


「アイツはアタシの元・ダンナでレフティのお兄さんだよ」


「「「「「!?!?!?」」」」」


な、なんだってーーーーー!?!?!


あんなにモッサイ人が!?このミギィさんの!?もと!?ダンナ!?ホワッッツ!?!?一言言うならば、ヤダーーーー!!である。もっさりしすぎてミギィさんには似合わないよ!!!





明日も更新・・・するかも。しないかも?するかも。どっちや。

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