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第158話

男性は言った。相手は成人女性だ。


『私と結婚してくれますか?』


『も・・・!もちろんです!』


女性はそれを受けた。眼鏡をかけたおしとやかそうな女性だ。


『良かった。私はこんな身体ですし、かなりご迷惑かけると思いますが』


男性は車椅子に座っていた。


『そんなこと・・!・・・言わないで下さい。私は、貴方と出会えて、貴方と共にこの世界で暮らせて幸せなんですから。』


車椅子の男性の隣に女性はしゃがんだ。両手をぎゅっと握りしめて2人は見つめあった。


『“祝福”も貴女に与えられないのに・・・』


『もーっ!何回もいいって言ったじゃないですか!むしろ私から結婚して欲しいって懇願したかったぐらいなんですよ!?言ってもらえて今、もんのすごーーーーーー・・・っく!天に登りそうなほど?舞い上がりそうなほど?とにかく!嬉しいです!!フンスッ』


『ふはっ・・!モナはそういうところが可愛らしいですね』


『もうっ!もうっ!もー!』


『顔が真っ赤で可愛いですよ?』


『うにゅううう・・・』


彼の足元に両手を握りながら顔を(うず)めた。彼に真っ赤な顔を見られないように。しかし顔の熱さは手にじわりと伝わった。


『苛めすぎましたかね?』


『そんなところも大好きです。』


そんな返事を返してくれた彼女に彼は彼女の頭をさらさらとなでつけた。


『帰りたく、なりませんか?』


『帰りたくない、訳じゃありません。でもアンドレ様もディオさん貴方もいるし、私が王家に雇われた特別派遣員(とくべつはけんいん)のテイマーとして、この国を守ると誓ったあの日から、この国に骨を埋める覚悟をしてきました。だから、私は・・・。』


2人とも静かになった。それも長くは続かなかった。彼女はガバッと立ち上がったからだ。


『うじうじするのは嫌いです!ディオさん!いつものアレやるので、私にダンスを教えて下さい!』


『ダンスですか?なぜ?』


『なぜって、あれ?王族との婚約はパーティーでダンス踊るのが通例って聞きました。ディオさんの姉君の王女様から“ディオールウェリスと踊ることが出来なくて残念ね”って言われて悔しかったので、アッと言わせたいんです!ねっ!言わせましょう!』


『ふふっ、モナはいつも面白いことを提案してきますね。そうですね、あの人はいつも私達を見下して来たのでひと泡吹かせてあげてもいいかもしれませんね。』


『でしょう!?』


『ではやってもらってもいいですか?』


『はい!“オモチャのチャチャチャ”発動!』


彼女は魔法を彼にかけると、彼は車椅子から降り、立ち上がった。


『モナのテイマーの能力はテイマーの粋を越えていますね。』


2人はダンスを練習する様子だった。肩を組み、先ほどまで足が一切動かせなかった彼はもういなかった。それは全て彼女の力のお陰だった。


『へへへ、すっごく多い魔力と女神様に感謝です』















今のは・・・・なんの記憶?


え・・・・・・・・・・え・・・・・?私。


私(大人)とディオさん結婚する約束、これ、え?記憶?私の妄想?あ、ただの妄想から派生した夢か!


そうだそうだ!夢か!


「モナ?スズのこと見える?スズここにいるのに寝てるけどここでも寝れるって知らなかったな。モナ~起きて~」


夢だけど!?夢じゃなかった!?アッここ私の深層心理の奥底とか言う所じゃん!!スズちゃんじゃん!?


「どうしよう!?」


「気絶したこと?」


「気絶してたっけ!?違う!そうだけど、そうじゃない!?え!?どういうこと!?」


「スズのがもっとワケワカメさんだよ??????」


ハテナが飛び交って話が進まなかった。







明日も更新します。毎度遅くなってすみません



*一部修正しました*

◆「特派員」→「特別派遣員」に書き込みを変更しました。


使い方間違ってるよ~とか言われそうだな~と思いまして。普通に派遣員の特別版として特派員って使いたかっただけなのですが、軽く調べたら新聞記者の意味合いが浸透し過ぎているっていう。言葉って難しい。


┐('~`;)┌

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