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第156話

まさかのプントの回

坊っちゃまがおかしい。いえ、悪い意味ではございません。これも成長しているがゆえ、なのでしょう。私プントは涙が出そうです。もう年ですね。


私は現在第8王子アンドーレリユース様の御付きの執事をさせて頂いています。以前はアンドーレリユース様が一番お慕いしている第6王子のディオールウェリス様にお仕えさせていただきました。


ディオールウェリス様には約8年ほど、アンドーレリユース様にお仕えし始めたのはまだ3ヶ月ほどでございます。


王子・王女様方にはお小さい時には専属のメイドと乳母(ナニー)と騎士がまず付けられまして、大きくなるにつれ、専属の執事や教師陣、ご自身を支えてくれる支援者ご自身が後押ししたい後援者などを学んで決め、王政(おうせい)教育を施していきます。


アンドーレリユース様はようやく執事を付けられる年になられたのです。しかし、出会った当初から状況は(かんば)しく御座いませんでした。


アンドーレリユース様は体調を崩しやすく苛立ちやすいお子様だったのです。ディオールウェリス様が同じような状況になられた時もありましたが1ヶ月程度で収まりました。心が成長する時の反抗期というものに近いのだと専門家は(おっしゃ)いました。


なにせ王族というものは色々なストレスやプレッシャーを感じる所でございます。ですので、今回も見守っていればそのうち収まってくれるだろうと、安易に考えてしまっていたのです。


まさか体調を気遣って出していた食べ物で体の不調が増えていただなんて。ミギィとレフティには感謝しかございません。


2人はここでの同郷のよしみで、特にミギィには美味しい食事でお世話になっていました。いえ、私もその辺の方達と同じで単なるともだち食堂の常連だったと言うだけの話でございます。


昔私が住んでいたこの街に療養先が決まった時から、ともだち食堂にアンドーレリユース様をお連れしたかった。


アンドーレリユース様は私が御付きになってから笑顔があまり出ていなかったものですから、今の子にはあえて昔懐かしの味に触れて驚いて笑顔になってもらおう、という、いわゆる老婆心的な物から私は行動に移したわけなのです。


まさかアンドーレリユース様よりお小さい女の子と大喧嘩するという事件が起こるとは思いもよりませんでした。その時の女の子がそれはもう、本当に凄かったのです。


アンドーレリユース様がディオールウェリス様以外に大きく好感を持つようになるモナさんといいます。そのモナさんはまだおん年5歳。いやはや、女の子のほうが男の子よりも成長が早いとはよく聞く話ですけれども、モナさんはアンドーレリユース様に口で勝ってしまいました。


流石にその程度で貴族侮辱罪などにはなりませんがその事がキッカケでアンドーレリユース様に変化が起こり始めたのです。


それがたったの約2週間前の出来事。それ以降アンドーレリユース様はミギィの“子供が食べるべき健康的なメニュー”のレシピや、新しいシェフの力添えにより日に日に力強くたくましく成長が目に見えて・・・。ああ、また涙が出そうに。


それにしても坊っちゃま、そのモナさんのこととなると、少しおかしいのです。

明日は更新休みます。明後日予定です。6月1日。

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