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第16話

木々が立ち込めた森の奥の方にモナはまだ知るよしもない、タヌキの集落があった。


そこに丸々としたアニメから出てきたような豆タヌキと、隣にまた丸々としたお腹に星のマークが付いたような小さいタヌキが並んで目の前のタヌキに報告をしているところだった。


「人間に見つかるところだったらしいですね?気をつけて下さい」


「ポコォ・・・」


目の前のタヌキはとてもお上品で気品があり、しかし動物の姿で間違いなかった。


「セイリューは助かりそうなんですね?それはようござんした。同じメスとして心配してましたのん。あたくしでは中の蟲は退治出来なかったので本当に良かったですわん。」


「ポコー!」


「ぽぽん!」


「あのオオカミは、蟲に食い殺される前に殺してあげようと頑張っていたみたいですが出来なかった、と、言うことで間違いなさそうですわねん。」


「ぽっぽん!」


「今頃ヤキモキしているかもしれんせん。助かったと言うこと、あのオオカミにも伝えて来てくれやせんかい。」


「ポコポン!」


「これで安心して過ごせるでしょうて。」


「ぽぽーんぽぽーん」


「あぁ猿ね。今はまだそのままで。あたくし達に勝ち目はないのですからん。」









「モナー?家ん鍵借りたって聞いたベ。何しとる~?もうとっくに夕方だで、店戻ってきとくれ。」


「あっレフティさぁ~ん!お疲れ様!みてみて!」


じゃじゃーん!と広げた手のひらの先にあるのは普通のリビングだった。綺麗に片付けされた普通のリビング。


「モナ!!おま!家の掃除してくれとったんかぁ!!」


「うん!どう?雑巾とかどこにあるのか分からなかったから時間かかっちゃったけどなかなか綺麗になったと思うんだ。」


「・・・」


「あ、でもね、どこに片付けていいのかわからないものが結構あったからそこのイスの上にまとめちゃった。あとで仕舞うところ教えてね!」


「おま・・・休んどれって言われたはずじゃろーて、疲れとらんか?」


「うん!お昼寝もしたからか全然元気!」


「なんて、なんて、なんていい子なんだでぇええええええぇぇ!!」


おおお?!高ぶってる。レフティさんが高ぶってるよ!!ちょっと家を片付けただけなのに。こんなに感謝されるなんて思ってなかった。掃除やってよかったなあ


「後でミギィにも見せたろ」


「あとね、ごめんなさい。あのね、私を寝かせてくれた部屋に今体調を崩して弱ってたキツネがいるの。当分テンクウちゃんと一緒に、私と一緒に2匹と暮らしてもいい?」


「なんじゃ、キツネとは珍しいの。どんなか見に行ってもいいかの?」


「いいけど、驚かないでね?」


光ってるし・・・驚かない訳はないと思うけど一応言っとく。


「こ、これは!!」


うん!綺麗だよね!


「ナイトフォックスだべ!月の光を集めて体が光るキツネだぁ。近くに居ると縁起がいいってんで、お祝い事などに贈ると喜ばれる動物だっぺ。最近は山奥とかに引っ込んで滅多に出てこなくなったとか聞いたことあったけんど、本物見るのは30年ぶりぐらいだで。」


おおお!?!?レフティさんがまるでクリ●ンのように説明を言った!おお~!こういうのリアルに聞ける日が来ようとは!


「っっは~~。驚いたベ。こんな、キツネさどこにいたんだべなぁ?」


「休憩室の窓から見える所に野犬みたいなのに襲われてたの。テンクウちゃんと野良猫ちゃん達が助けてくれたんだよ。」


「おー、テンクウ!そうだったんかぁ。えらいのぉ。エエ子だのぅ」


「ワフッ!」


ドヤ顔している。襲っていたのがオオカミだってことは伏せた。珍しいキツネの上さらに驚かすことはちょっと忍びない・・・。


「ほれほれみんな待ってるから店に戻るど。あぁ2匹のゴハン忘れそうだで、一緒に連れて行くベ」


「うん!ありがとう!」


戻ってみると厨房には誰も居なかった


「あれ?誰も居ないね。」


「ああ、もう準備の方は終わっているからみんな店の方に出てるんだべ」


「テンクウちゃんとキツネさん休憩室に・・・」


「いいべいいべ、そのまんま店入れて構わんベ」


「え??」


気難しいお客さんに怒られでもしたら大変だよ!?大事なお客さんなんだよね?あ、動物好き?とか?


答えはでないままカウンターからチラリと見えるお店の天井には何か飾りつけが見えた。おお、流石大事なお客さん対応!そしてお店側に入ると同時に発砲音がなった。


❮❮❮パパパーーーーーン!!!❯❯❯


「「「「「モナちゃん!!ともだち食堂へようこそ!!!」」」だべ!!」」


「へ?」


何かと思ったら誕生日の時に鳴らすクラッカーの発砲音だった。キツネさんもテンクウちゃんもビビって私の後ろに隠れてしまった。そりゃそうだ。私も隠れていいですか。


「これ、どういうこと??あれっ食堂もう閉店してる。え?え??」


「おんや、わからねっぺか?今日は今からモナちゃんの歓迎会だべ!昨日寝ちまって出来そうにながったからな、時間たっぷりあったけ、色々手を回したのよぉ」


「シターズ・パン店でーす」


「遅い!おんまっっ、予定時間過ぎてるべ!」


「すみませぇん、でもちゃんと持ってきましたしこちら遅くなってしまったオマケでぇす」


「あっ!」


レモンのタルトと木苺のロールケーキ!パーティー用のサンドイッチもいっぱい。オマケは・・・クッキーだ!!


「そんよぉ、歓迎会だもんねぇ甘いものもないとぉ。別腹だものぉ」


「あっそっかて言うことは大事なお客さんって私か!」


「そうよ~~。」


「バレないように説明するのヒヤヒヤしたんだからぁ」


そういえば“お客さんがある”ってみんな言ってたな。“来る”じゃなくて“ある”。気付かなかった~~。


「ま、今日でよがったって思っとるモンもいるがなぁ。」


「ハジーほどほどにお願いね」


「うす・・・」


「アイツさ、お酒を水のように呑むやつだでな、いつもは仕事があるから節制しとるんだが。明日は食堂の定休日だで、呑めるのよなぁ」


「うす。」


「酔いつぶれたら置いて行きますからねぇ」


「う、うす・・・・。」


スミコットさん笑顔がまた怖いんだが。


「な?昼間ゆうた通り、気ぃ緩んで朝起きれなさそうやろぅ?」


「うん!!」


これは明日の朝は睡眠の予定入れちゃうのもわかるなぁ。一杯食わされたよ!こうして夜も更けていくのだった。






お読み頂きありがとうございます!もしよろしければブックマークや☆を押していただけると嬉しいです。



モナ転移(退化)してから2日目終了~~~。次は~食い倒れ。食い倒れ。


次回更新は少しだけずれまして17日からの再開になりま~す

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