第142話
また遅くなりました。昨日の続きです。
「変な呪いも取れるてんでにゃ、近くの神殿に行こうにゃ」
「神殿・・・呪い?私呪いにかかってるの??」
「えっそうなの」
「えっどうなの」
「アタチは呪われてないようにみえるのよ」
「モナママ呪われてたの!?そんなー!?」
なんかこう混沌としてますけど。えっ私呪われてたの??
「可能性はなくはないかなと思ってるにゃ。夢を覚えてないのに、涙が溢れるなんてただ事じゃないにゃ。」
「アタチの毛で作ったお守りまた作ればいいのよ。」
「いいや、一回行っといた方がいい!な!」
「あれっどこ行くのモナちゃん?」
「みんなで話しといて。私朝ごはん食べなきゃ」
ミギィさんがせっかく準備してくれた朝食が冷めきっちゃう。着替え終わったからとさっさとみんなを後に階段を降りた。
「おみゃーなー!!心配をしてやってんのにぃいーー!」
「ごめーーん」
「ご馳走さまでした!」
「あいあい。」
「ディオ様もお祭り行くって、アンドレ様とどこかで会う約束したのか?」
「うあ、特にしてない。一緒にまわろーねーって話したくらい。しまった。」
「ま、元々帰ろうとしてたかんなぁ」
「そういえばお祭りどうして夏にやるの?秋とかの方が準備とかやりやすそうなイメージあるけど」
「この辺りは秋から冬に切り替わるのが早いんだ。雪も降ったら降り積もってすんごい事になるからな。春は冬が終わってすぐは忙しくて秋は冬支度で忙しくて、ヒマなのが夏にしかないんだ。だっから今の季節に祭りやるんだべ。」
・・・なんだか思っていたより、山奥な話っぽい話だな。そうか雪、すごく積もるときあるんだ。そうか。
「そういえば神殿って見たことないんだけどこの辺にあるの?お祭りって神様とか奉ったりする?」
「そうだなぁ、こんあたりだと神殿と教会と寺院があるべな。冠婚葬祭つってな、祭りとかは神殿、結婚は教会、葬儀は寺院、記念日とかはそれぞれ家庭ごとの宗教感とかで変わってくる。んだから、この祭りにも神殿関わってくるべ。ユーグリッドんとこの騎士団も祭りの警備を神殿の人達とも話し合ってやったりしてるらしいべ?」
「神様っつったらこの辺りは女神様だべ。オージュ様っってな、狩猟と月と土の女神様だべ。」
「女神様!?女神様美人!?」
わくわく!ん?女神様ってなにかどっかで聞いたことあるような?あれ?最近その話した気がするけど、なんだろう??
「んだっけ、モナちゃんまだ行ったことなかったっけか?」
「んだな。ないな。今日ちょっといってみっか?」
「まてまてまて、アタイら今日は忙しいだろ、な?祭り中に解放されとっからそん時行けばええべ?」
「そったらそん時でええか?モナちゃん?」
「うん!いつでもいいよ!楽しみ~」
「ってことになったので今日は神殿行きません」
ミギィさん達はお出かけしてしまった。
「うん!ボク達その会話の横でごはん食べてたからちゃんと聞いてたよ!」
「アタチも聞いてたのよ」
「ぼく、わたしもちゃんと聞いてたよ!えらい?」
「チッしゃーねーにゃ。明日!行くとき!俺様も!ついてくからにゃ!」
「うん!ビャッコくん、明日はよろしくね」
呪いがかかっているのかわからないけれど行ってみる価値はあるよね。それにしても今日はミギィさん達に着いていこうとしたら、昼からならいいけど朝のは着いて来ても5歳の私には付いてこれないっていってお留守番になってしまったのだ。今日なにしようかな。
「モナママ!たいへんたいへんたいへんたいへん!」
「どうしたの?」
「ちっさいたぬきさん達と一緒にオオカミ来てる!そこにいるよ」
「えっ?!どれど・・・」
窓際に見に立ち上がろうとした時、リクゴウくんが鳴いた。
「ピィピイピィピィーー!?」
「どどど、どうしたの?」
「え?なになに?うんうん、あのねモナちゃん、リクゴウの耳が捉えたんだって。熊の子供達が熊の大人の人達とこっちに向かってるって」
「テンクウちゃん、それって、えっまって、今の状況なんだかすごい事になってませんか!?ていうかリクゴウくんそんな音聞こえるの!?すごくない!?」
「『えっへん、火山ウサギは土の音とか火の強さに過敏なのだ!』っていってるのよ」
タイモちゃんの通訳ありがとう。火山ウサギすごいな。
「ところでどうしたらいいだろう。今、外に出たら熊の人達と遭遇してタヌキさん達とは会えなくなっちゃうよね?」
どうしたらいいかなこれ。
女神様の名前は仏教用語の「横竪」と書いてオウジュと読む“自力と他力”を例える言葉から女神様の名前にしました。
次回は8日の予定です。
今月予定がいっぱいなのですん。