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第15話

駆け足って言った直後にさらに更新。


皆さんのアクセス&評価&ブックマーク等々、感謝です。











キツネはこちらを見て震えていた。ど、どうしよう。キツネの体から出ている光が明滅している。外傷は見えないが弱っているように見える。なにかしてあげたいけどどうしたらいいのか。考えあぐねていたら縞模様の猫と白の猫がキツネに近づいてなにか話しているように見えた。なうなう言っている。


「ンアァァァンナァァァァ」


「きゅーーん、きゅう、きゅん」


「ん?どうしたのテンクウちゃん」


テンクウちゃんは私に寄り添ってきた。


「わふっ」


テンクウちゃんが鳴くと少しホッとした。大丈夫だよ。と言っているように聞こえたからだ。テンクウちゃんに手を近づけても受け入れてくれたので初めてテンクウちゃんの頭を撫でた。もふもふだ。それにとってもあったかい。


撫でてたら視線を感じた。あっちの3匹こっちを見てる。え?なんだろう???白い猫さんあきれてませんか!?え!?なんで??よくわからないけど気まずい。どうにかなれ〜〜〜〜!


「しまった。この辺りだと思ったのですが・・・おわっ、すみません。お取り込み中失礼します。」


猫が去っていったうちの1つの小路からおじいさんが迷い込んできた。ど、どうにかなった!!ふ~。


「申し訳ありませんがお嬢さんこの辺りに詳しいですか?」


「詳しくは、無いです、けど・・・どうしましたか?」


「昔馴染みのお店を探していまして“ともだち食堂”という店なのですが、久しぶりに来たもので道がわからなくなってしまって。」


「えっ」


「わふっ」


「え?」


「ここはそのお店の裏ですよ?」


「なんと!ではミギィは、いらっしゃいますか?」


おじいさんとミギィさんを引き合わせた。その間にいつの間にか白い猫だけ居なくなっていた。


「ミギィさんにお家の鍵借りてきたよ。行こう。」


休憩室だと人の出入りも多そうだし今はミギィさんとおじいさんが使っている。キツネが落ち着けるように静かな場所にと思って、思いついたのがそこしか無かったというのもあるけれど、ミギィさんとレフティさんの家に行くことにした。


「外傷じゃない時は飲むと効果があるって言ってたっけ」


家に入ってから、ポケットから高級ポーションを取り出した。素直にキツネが飲んでくれそうな気がしない。本物のその辺りの5歳でも、たぶん赤ちゃんでも感じ取れる。今のキツネさんはテンクウちゃんの時よりもあの白い猫よりも警戒してる。猫たちがなにか言ってくれたからついてきてくれてる。


この世界に来て動物に警戒されるなにかでも出てるんだろうか。ううう。


それにしても猫のサイズのキツネはこの世界では普通のサイズなのかな?それとも子ギツネ?食堂の誰かに聞いて来れば良かった?いや、でもオオカミが居たりキツネが明滅してるの説明するの大変だよ~~。


後できっと分かることを信じて後回し後回し、慌ててもなんにもならない。慌てない慌てない、一休み一休み、一休さーん。おっと脱線。


「ゴミとか入ると効果が無くなるって言ってたよね。でもそのままじゃ飲まなそう。試すだけやってみよう」


スープ皿に水を入れて、3匹分持って行った。


「この小瓶はね、とってもいい薬なんだけどお水に混ぜてもいいかな?」


あえて聞いてみた。縞模様の猫は我関せず水をペロペロと飲み始めてしまった。テンクウちゃんはハッハッと息を荒くして欲しがっているように見えなくもない。今一番入れてあげたいキツネは残念ながら水から後ずさってしまった。


聞かずに入れても良かったんだけど。でもなぁ~。


とりあえずテンクウちゃんのお水に一滴垂らしてみた。透明な水、透明なポーションだった筈なのに、色が付き始めた。ラメも完全に消えて、薄い赤い水になってしまった。苺味のかき氷が溶けてしまった後に似てる。


「中級ポーション?でももっと色が濃かったはず、水が多すぎるからかな?」


テンクウちゃんはペロペロっと少し飲むと器を鼻で押してキツネのもとへ飲めと言っているような行動を取った。


「いいよ、テンクウちゃん。それはテンクウちゃんが飲んじゃっていいから」


「くぅんくぅん・・・」


「きゅんきゅんきゅーん」


私の言葉は半ば無視してテンクウちゃんとキツネさんとで話が始まったようだ。テンクウちゃんはめげなかった。動物同士の会話は一切全くもって分からなかったけど、テンクウちゃんが勝利したようでキツネさんは渋々とポーションの入った水皿に対峙した。


キツネさんは恐る恐るペロッと水を舐めると、徐々に舐める速度が速くなって、気づけばお皿の底を舐めていた。あっと驚くタメゴロ~


明滅していた光は落ち着いたようで、キツネさんはいい感じで光っていた。きらきらして綺麗。異世界のキツネだから光ってるのかな。


「きゅん!」


元気になったみたい。効果が弱くなったポーションでも効いたみたいでほんとに良かった。明滅もしていたし警戒もしていたから分かりづらかったが、具合がかなり悪くなっていたみたいだ。きらきらしているのもあるけど、毛艶や声にハリが出た。


何が原因だったんだろう。ポーションで治ったから何か原因があったのは確かだ。オオカミもいたし。どうして2日続けて動物が、テンクウちゃんとキツネさんが苦しんでいるんだろう。


「わふっ!!」


「ぬわっ!えぇーー!?」


テンクウちゃんにタックルされた。なんでタックル!?床に押し倒されてしまった。テンクウちゃん。重い。ついでとばかりに顔を舐められた。


「あはははは、わかった!わからないけどわかったから!やめてやめて!」


「ワンッ!」


テンクウちゃんがそっちを見ろと促してくる。見てみると縞の猫とキツネさんがなうなうとお喋りしている。とても平和だ。


「うん、良かったね。テンクウちゃんが飲ませてくれたからだよ。ありがとう」


「わふっわふっ!」


平和が1番!


お読み頂きありがとうございます!もしよろしければブックマークや☆を押していただけると嬉しいです。


あっと驚くタメゴロ~ネタはクレシンの映画で見て知っている程度です。

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