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第140話

フテゥーロちゃんが言っていたことをスズちゃんと思い出せるか検証してみることにした。フテゥーロちゃんとは、昼間ひまな時に他愛もないお喋りの途中に急に“あっちではね!”って私がしたであろうことを教えてくれたりする。あとは大概寝る前のみんなとのお喋りの時間。


結構みんなお喋りで、フテゥーロちゃんもよく喋るけど、テンクウちゃんのあの木の下で喋ったことみたいな“過去にこうしたことしてきたんだよ”的なお話をみんなこぞって私に話す。特にいつもナァナァ喋る蜘蛛(スパイダー)(キャット)のトロキさんは、その種族名に負けない人生だったみたいで怖かった。百物語の最後に締めくくるホラー話みたいな語り口に途中からなったから、多分わざとだったんだと思うけど、マジで恐かった。ひええ。


「ではまず一つ目。フテゥーロちゃんは実は私の本当の子供になる予定だったらしい」


「えっ!?ケセランパサランなのに!?」


「地上に来るときに変身したんだって」


「ほえ~スズ、変身するならゲッコー仮面がいいなー」


「渋い。」


「んー、じゃー仮面ライダー」


「昭和と平成がいるけど」


「どっちでもいいよ。そんなに詳しくないし」


簡単な名前とかわかってる時点でスズメにしたら詳しい気がしますが。仮面なんちゃら系に詳しいスズメは珍し過ぎる。


「こほん、話は戻しまして、つまりフテゥーロちゃんは未来から過去に戻って来たらしい。そしてその未来には大人の私がいた、らしい。」


「ふむふむ?不思議な話だね。どのくらい未来なんだろう」


「“けっこー未来”って言ってたよ」


「うーん。全然わからないね。」


「だねぇ」


「未来のロッテリーの街に大人の姿の私が駆けつけた。女神様に呼ばれて。」


「で、なにかがあって過去へ飛んだ。モナちゃんの体も心もボロボロになって」


「そして、その未来にはミギィさんとレフティさんが魔王の右腕左腕として活躍していたらしい。フテゥーロちゃんがアンドレが魔王だって言ってたの。ただ似てるだけかもしれないけれど。あぁ、あとね、私ここの記憶で少しだけ思い出せたんだけど、ボロボロなテンクウちゃんらしき犬とレフティさんが一緒にいた映像が脳裏に浮かんだんだ。多分それも未来でみた事を思い出したんだと私は思ってる。今のふたりからはあんなに苦しんでいる姿は想像出来ないもん。」


「アンドレが魔王?フテゥーロはそう言ったの?」


「うん、なんか頭に大きい角が生えて」


「うーん。昨日アンドレにモナちゃん会いに行ったでしょ?その時たまにまわりの気配とかスズ感じていたけど変な怖いものとか無かったよ。むしろ空気が安定しているというか」


「アンドレも少し前までやつれてイライラしやすい感じだったけどミギィさん達が食生活改善に勤めたからね!それが空気として醸し出したのかも。ディオさんも困ってたみたいだから私がアドバイスしたら落ち着いたみたいだし。」


「・・・・うん?モナちゃん、それって過去に来たからちょっとずつ未来を変えていってるんじゃない?」


「・・・・・ハッ。え、え、え、あっ!?そうか回帰もの!?回帰ものって過去に戻って未来を変えて幸せな未来に変えるってアレ!?・・・・まって。でも回帰ものって」


主人公大抵一度は死んでるよね。














「モナちゃん!モナちゃん!目を覚まして!」


「うあっ!?な、なにっ!?」


ベッドのうえをガバッと飛び起きた。


テンクウちゃんがゼロ距離。私の鼻とテンクウちゃんの鼻がゴッツンコ。


「おわっ!?」


ゼロ距離過ぎて起きたのにまた寝るような形でコケた。


「よ、よかったぁぁぁぁぁあ、モナちゃん起きたぁぁぁぁあ」


テンクウちゃんが今にも泣きそうだ。


「どうしたの大丈夫?」


「どうしたじゃにゃーぞ」


「えっ?」


ビャッコ君達も集まってこっちを見ている。フテゥーロちゃんがふわふわと飛んできて、私の頬に触れた。頬ずりをしたら通常ふわふわの毛がスリスリと当たるのになぜか、ズリッと重たかった。


私は頬が濡れていた。フテゥーロちゃんがベッチョリ濡れるぐらいしっかりと、頬が涙で濡れていた。


「なにこれ?」


「モナちゃん、寝てたのにすごくうなされだして、静かに涙を流し始めたんだ。最初は目頭から枕をちょっと濡らす程度だったんだけど・・・」


「ぜーんぜん泣き止まない上、頬全体に涙が伝っていって苦しそうに唸りだしたんだ。さすがに恐くなって、俺達お前を起こしたんだにゃ」


タイモちゃんもツキノさんもリクゴウくんも他のネコちゃん達もこちらを心配そうに見ている。よっぽどすごかったんだろう。いや、こんなに涙を流していたのに全く起きなかったなんて今まで経験がない。どうしたんだろう私。


「怖い夢でも見てたのか?」


「ボクが守るから安心して!」


「モナママが悲しいとぼく、わたしもかなしぃぃぃびぇぇぇ・・・」


みんなの心配をよそに起き上がって引き出しのタンスからハンカチを1枚取り出して顔を軽く拭いた。


「全然覚えてないんだよね」


「それっておかしくねぇかにゃ~?」


ビャッコくんが私を変な目で見ていた。最近夢をよく見ている気がする。なのに何も覚えていない、思い出すことも出来ない。わかる。変だ。


「とりあえずまだ朝日は出てないのよ。私が枕になったげるからもう少し寝ると良いのよ。」


タイモちゃんにベッドの上で枕になってもらった。横になって目を閉じて、モナは意識をまた手放した。


「ねぇ見て」


「しっ」


タイモの毛はモナの頭が乗った部分の色が変色し始めていたがモナには一切わからず、まわりのみんなだけ、不安要素がそこに見えるだけだった。


「神殿とかで調べてもらった方がいい気がするナァ」

次回は5月4日予定です


ゴールデンウィークですね~。あんまり関係ないけど。仕事入れてるから。


こういう時は事故とか起きやすいのでお気をつけ下さい!


(*ノ゜Д゜)八(*゜Д゜*)八(゜Д゜*)ノィェーィ!

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