第136話
モナの夢の中(?)の続きです。昨日短くなってしまったので更新しました。135話の②って書こうかめちゃくそ悩んだ。
クモの巣のように広がっていた白い線はブクブクと膨れ上がり破裂しそうなぐらい大きくなると破裂はせず溶け始めた。マシュマロが膨れ上がって溶ける感じに似ている。しかしそんなに可愛いものではない。
紫色のスズちゃんの形だったものは良くわからない異形なものに変化してしまっていた。怖くて体が震える。怖すぎると声が出なくなった。誰かが言っていた。“驚いて声を出せる人は普段から声を出して生きていて声を出すことによって心の防衛手段として体が機能させているんだよ。”と。
「ひぐっ」
誰か助けて━━━!
心で思っても震えるだけで喉から声が出てこない。情けない。目をぎゅっとつむるしか出来なかった。目をつむる行為には意味など無い。死を覚悟しただけだ。夢の中だけれど、死ぬのかな。よくわからない恐怖に包まれた。・・・・・・・・・なぜかなにも起きない。あれ?
「大丈夫ですよ」
私の目の前に真っ白い人がいた。肌も白っぽいし、髪も白いし、服も、そして全体的に白い光に包まれているような、体が・・・光ってる??つまりは真っ白い人なのだ。体型はスラリとしてギリシャ神話に出てきそう。髪は腰より長い。そんな人が私の前に立って、スズちゃんの偽物だったよくわからない化け物を魔法のようなもので停止させていた。
うわー、口みたいな部分が私を食らい尽くそうとアメーバみたいなドロリとしたものが私を覆いそうな、そんな状態のまま停止している。うわー。
真っ白い人が化け物を停止させる為に(多分魔法を使っている)手前にかざしていた右手の平は、人差し指1本に手の形を変えると、その手はすごい勢いで真っ正面から右に振り払う。どこからかパァンと風船の破裂したようなしかしとても小さな音が響きを奏でると紫色のスズちゃんの偽物だった怪物のようなものは、横付けのファスナーでも開いたかのように横一文字に空間が断裂し、そこから花弁に変わってそこの空間にひらひらと舞い落ち途中で砂煙のようになって消えた。
紫色が怖かったのに、そんな消え方したらむしろ綺麗だ。幻想的というか、独特な空気に変わる。むしろポカンとしてしまう。
「大丈夫ですよ」
「アッ。ハイ」
ありがとうって言わなきゃなのに、出た言葉がアッハイしか出なかった。んー、というかえ?あれ?ここって夢の中じゃないの??ダレデスカ。ホワッツ!?
大丈夫ですよ。と、言う割に私を心配してるようにも見えないし、冷静沈着というか、淡々としているというか、助けたかったとも見えないし、そんな顔を見た状態だとどうもありがとうの言葉がさらに喉に詰まる。
「あの。ありがとうございます。」
とりあえずいっとく?が大人のマナー。
「ああ。しかしあれはいけないな」
「何が、ですか???」
「怪我はしてない?」
「ええはい、まあ。」
かすり傷ひとつないですよ。お陰さまで。じゃなくって、えっこの無味無臭系男子様が私の身の回りをキョロキョロと観察しておるんでっしゃるんですけど!?(困惑過ぎて言葉がオカシイ)
「うん、無いな」
ええそうですね。(真顔)なんじゃらほい。
「あの子は元気?」
どの子じゃい。おのれ、主語!主語を付けて!
「名前を付けてくれたみたいだね、きっとあの子はとても喜んでいる。君の為にケセランパサランになると言っていたけど、ここにはいないね。」
「フテゥーロちゃんのこと?」
「いい名前ですね」
合っているようだ。・・・フテゥーロちゃんのことを知っていて真っ白で浮き世離れという言葉がとっても似合いそうなこの人はまさか・・・?
「フテゥーロちゃんがたまに話してる私のいた未来にいた人?」
「アナタ達はみな一様に、神様、と、呼んでくれます」
か・み・さ・ま・!?!?!?
「星、惑星丸ごとは管理していないので、人間が言うところの、神様でも下の位の土地神的な立ち位置が私です。」
「いや、それって神だよね!?」
「どうでしょう」
どうでしょうってどういうことでしょうか!?せーかいじゅうをぼーくらの涙でうめつくして~やりきれないこんな思いが、今日のあめをふらせて~も~♪・・・水曜どうでしょうのテーマソング流れちゃうよ。
じゃなくて、えっと、つまり?
「姉が申し訳ないことをした」
・・・いや、もっとわからなくなった。姉?姉・・・この人が神様なら、もしかするとあの女神様がこの人の姉?私に謝るようなことなにかされたっけ?全然思い出せない。・・・ごくり。いや、でも、もし本当に神様なのなら。
「私の、全てを知って・・・いますか?」
「答えられるものとそうでないものがある」
「なんで!?」
「残念ながら神もただの傍観者で君の全ては知り得ない」
傍観者。まあ土地神様とか言ってたからそういうものなのかな???神様なんて初めて会ったからよくわからないけど、それって神様じゃなくて人間とほぼほぼ変わらないのでは。
「神も万能ではないんだよ」
神様くらいは万能であって欲しかったなー。
「知るには」
「ん?」
「記憶を戻せばいい」
「できるの!?やっぱり記憶が抜けてるんだ。かなり抜けてる・・・?スズちゃんの記憶も無いの、治せる!?」
「戻せるけれど心の療養が必要だよ」
私結構元気ですけれども??精神的なお医者さんにかかればどうにかなるっていう予言的ななにかかな??
「さすれば君は」
かの人はにこりと笑みを浮かべた。
「今のこの姿に戻れるし、君の生まれ故郷にも戻れる」
「うん、知ってる。」
知らないけれど、なぜか確信がある。多分忘れているその記憶のどこかでそれを知ったから、今の私は知らないけれど、心の奥底では知っている。だから、知っている。知らないけれど知っている。
「魂が今ボロボロになっているんだよ。ここがどこか知っている?ほら、周りはボロボロだよ、ここにいると疲れやすいでしょう?」
つまりこの夢の世界は、私の魂の奥底の世界。深層心理のその奥のひとつの部屋なのだそう。そんなに深い所にいるのに思い出せない記憶だなんて思いもよらなかった。これを絶望的と呼ばなくてなんと呼べばいいのだろう
「戻せるんだよね」
「この世界では魔力が心の力だからね。だから戻せるよ。・・・でも全てを戻し尽くしたら魂が破裂するかもしれないから、気をつけてね。」
えっっちょ!?破裂!?!?さっきの偽物紫色のスズちゃん的な怪物を思い出してしまった。
「全部思い出すとまた君は壊れる」
そんなこと言われたら私何て言えばいいのかわかりませんですけど、もうどうにかなりませんかね!?(困惑)
次回は25日更新予定です
(´;ω;`)モナちゃんボク達出番最近少ないよ~
テンクウちゃんの涙は尊い(←!?)
次回もまだ深層のなかからお送りするのでテンクウちゃんの出番は無いです。
(´;ω;`)がーーーん!!