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第135話

深く深く潜っていく・・・・私の意識はどこに?・・・・深く深く潜っていく・・・・私の体はどこに?私の心はどこ?私は誰?私の・・・私は・・・・私とは・・・・


・・・・


・・・


・・


そこに私はいつの間にか立っていた。そこがどこなのか、なぜ立っていたのか、なにもわからなかった。


・・・・あれっ?今まですごくボーッとしてた。うわっ真っ暗だ。なにも見えない。いや?少し薄暗いってことがわかる程度には明るい。自分の手も見えるし足元だって見える。・・・なんで私またスーツ?前の夢でも私スーツだったよね?


仕事では入社式とか大事な時ぐらいしか着たこと無いから本当に滅多に着ないのに、夢の中ではいつもスーツだ。うん、そうだ、これは夢の中だ。なんで夢の中だってわかるんだろう。でも多分きっと夢で合ってる。夢だからスーツ?なぜに??


じめんはコンクリートみたいに灰色で少しだけゴツゴツしてるように見える。周りは・・・・あっ、あっちは地面に草が生えているように見える。あっちに行ってみよう。とにかくここにいるとすごく寂しくなってくるから離れたい。


薄い黄色の枯れかけの芝生にたどり着いた。ちょっとだけホッとした。しゃがみこんで芝生を確認。触ってみたら濡れてもいないし大丈夫そう。少し座りたい。なんだか疲れた。そういえばスーツだしこの体の大きさは大人に戻っている。夢の中だからなんだろうけれど、現実の私の体はいつこの大きさに戻れるんだろう。


それに今ここに居て思い出せたけれど、私は前もその前も夢を見た。それを現実では一切思い出せなかった。なぜ?なにか思い出せない理由でもある?私はなんで忘れてしまうのだろう。こんなに大事な夢を見ているんだから、絶対に忘れてはいけないはずだ。普通こんなにインパクトのある夢は忘れられない。どうしても忘れてしまうようになってしまっている。


なぜ?どうして?あの少しだけ思い出した女神様に関係しているのかな?私はあの女神様にあの小さな神社で呼ばれて話をして、自分の足でこの世界に来た。・・・そうだ。女神様とどんな話をしたのかここにいてもハッキリと思い出せない。これはやっぱりおかしい。この記憶が抜け落ちている原因と、目が覚めたら忘れてしまう原因が同じだったりするのかな。


うーん、困ったぞ。そうだ、スズちゃんをここで呼びだせるかな。私の記憶がここでだけ、ハッキリとしているなら共に記憶を失くしたスズちゃんの記憶も同じかもしれない。もしそうなら、なにか新しくわかることがあるかも。


「スズちゃんよ~出でよ~ってここ、声がすっごい反響する~~。わぁぁ~~」


長い長いトンネルにいるように声がどこからか反響して独特な響きを耳に届ける。クラシック音楽とか奏でたら面白い音になりそう。運動会の定番の天国と地獄なんかを流したらきっと運動するよりも聞いてるだけで不安になりそうな反響をしそうな予感がする。グワングワンと耳に音が残る。


「よ、んだ?」


「スズちゃん!・・・スズ、ちゃん?」


背後から呼ばれて振り返ってみるとそれは形はスズメだけれど、茶色いはずの体はどこかでクモの巣をかぶって来てしまったかのように、細かい白い線がまとわりついた、紫色の鳥だった。


ヒビ割れた紫色のガラスのイミテーションのオモチャのスズメのようにも見える。


「よ、んだ?」


「スズちゃん、あの、聞きたいことがあって」


「よ、んだ?」


「スズちゃん、だよね?」


「ス、ス、スすずずす、す、ずず」

ちょっと時間が足りなくて少し短いです。なので明日も続きを更新します。すいません。夢の話は数話続く予定です。



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